
よ~やく春到来♪ ポカポカ陽気に包まれたら、ダウンやコートなんかに頼らなくても、スウェットをアウターとして活用すればそれでOK!……なんですが、コーディネートの主役を張れるスウェットはそうそうありません。やっぱり服好きの心を満たすスウェットには“語れる”&“使える”要素がマスト! ってことで、ここでは物選びに自信のないビギナーのために、とりあえずココのスウェットを押さえとけば間違いなし!という、2大ブランドの魅力を多角的に解説。パッと見は似ていてイマイチ違いがわかりませんが(苦笑)、実はまったく個性が異なるってのが、スウェットの面白いところ。両者の違いを頭に叩き込んで、思う存分春コーデでスウェットを活用しちゃってください!
まずは両者の代表作を徹底解説
チャンピオン
「リバースウィーブ® メイド・イン・USA(赤タグ)シリーズ」
プルオーバースウェットパーカ
すべての工程を“米国製”にこだわったリバースウィーブ®の主軸
まずはスウェットの王様、“メイド・イン・USAシリーズ”から。チャンピオンの数あるスウェットのなかでも最定番に位置するシリーズで、原材料の調達から、糸の紡績、生地の製作、仕上げの縫製と、全工程をアメリカ国内で行っているってのが驚き! ヴィンテージ好きには馴染み深い“赤単色タグ”が目印になっていて、魅力は何と言ってもそのタフネスぶり。一般的なスウェットが約10オンスなのに対して、12.5オンスという肉厚生地を採用することで、アスレチックウェア由来の耐久性を確保しているのだ。また身頃脇にはリバースウィーブ製法のアイコンとも言える“サイドアクションリブ”を設けているため、型崩れしにくく、伸縮性にも優れ、アウターとして十二分な存在感も発揮。定番力も◎だからモノ好きならとりあえず今作を選んでおけば間違いなし! 1万7000円。(問)ヘインズブランズ ジャパン カスタマーセンター TEL.0120-456-042
ループウィラー
「LWベーシック」
LW09
吊り編みの旨みが凝縮した不滅の定番
ヴィンテージスウェットの風合いを再現すべく、日本に現存する希少な旧式吊り編み機で生地を編み立てた代表作。1999年の創業当時から展開されている定番品で、定番好きの間でもリピーター多数! 表糸と中糸に30番単糸、裏糸に6番単糸を使用して編んだやや厚手の生地は、吊り編みスウェットの利点である“もっちりした着心地”を、より濃く味わえるように開発されたもの。通を唸らせる趣深~い杢感もさることながら、やっぱりぷっくりと膨らんだ吊り裏毛生地がもたらす柔らかさと肌触りのよさは、一度着ればもうヤミツキ必至。ラクチン好きから支持が厚いのも頷けるはず。1万9000円。(問)ループウィラー千駄ヶ谷 TEL.03-5414-2350
シルエット&着こなし解説
きも~ちゆったりシルエットのチャンピオン
「リバースウィーブ® メイド・イン・USA(赤タグ)シリーズ」は王道アメカジが成功法
チャンピオンのパーカ1万7000円。(問)ヘインズブランズ ジャパン カスタマーセンター TEL.0120-456-042 ビームス プラスのシャツ1万3000円、同パンツ1万6800円。以上(問)ビームス プラス 原宿 TEL.03-3746-5851 センスオブプレイスのカットソー2900円。(問)センスオブプレイス バイ アーバンリサーチ キュープラザ原宿店 TEL.03-6433-5548 ザ ・ノース・フェイス パープルレーベルのキャップ6900円。(問)ビームス 原宿 TEL.03-3470-3947 ブルーオーバーの靴2万5000円。(問)ストラクト TEL.06-6447-6030
存在感のある肉厚生地といい、ほんのり緩めのシルエットといい、やっぱりチャンピオンの定番パーカには王道のアメカジスタイルがベストマッチ。小難しいテクを駆使する必要は一切なし。BDシャツなんかをインして、カーゴパンツや白スニーカーなどを合わせる……なんてベーシックなアイテム同士の合わせでも不思議と“わかってる”を醸せるのは、やっぱりひと目で“定番”とわかる米国製リバースウィーブだからこそ。
スタンダードシルエットのループウィラー
「LWベーシック」はキレイめカジュアルと相性◎
ループウィラーのパーカ1万9000円。(問)ループウィラー千駄ヶ谷 TEL.03-5414-2350
ビームス プラスのニット9800円、同パンツ1万3000円。以上(問)ビームス プラス 原宿 TEL.03-3746-5851 ユニバーサル オーバーオールのカットソー4600円。(問)フリークス ストア渋谷 TEL.03-6415-7728 クラークスの靴2万3000円。(問)ビームス 原宿 TEL.03-3470-3947 その他はスタイリスト私物。
定番パーカ「LW09」は、太すぎず細すぎないベーシックシルエットも飽きずに愛せる理由のひとつ。体に自然に沿ってくれるから、スウェットにありがちな部屋着感もゼロ。合わせるニットやパンツの色をホワイトで統一すれば、品よく着こなすことが可能だ。カジュアル一辺倒になりがちなスウェットを、大人っぽく取り入れる秘訣は、シルエットと色使いにあり!
両者の歴史もしっかりオサライ
Champion’s History
「創業100周年を迎えるキング・オブ・スウェット」
1919年にサイモン・フェインブルーム氏が前身となる「ニッカーボッカー・ニッティング・カンパニー」を設立。アメリカニューヨーク州ロチェスターを拠点に構え、主にセーターの販売を手掛けていた。同氏の没後、その息子のエイブ&ウィリアム・フェインブルーム兄弟が「チャンピオン・ニッティング・ミルズ社」として社業を受け継ぎ、Tシャツやソックス、スウェットシャツの原型であるウールの下着などを販売。これが後の飛躍の礎となった。写真はロチェスター大学内にあるかつての本社。
1934年に同社の敏腕営業マンだったサム・フリードランド氏が、顧客から“洗濯すると縮んじゃう(萎)”という相談を受けて考案したのが、代名詞となっている“リバースウィーブ”だ。これは洗濯時の縮みを解消するため、本来タテに使われていた身生地をヨコ方向に使用しつつ、運動性も底上げするため脇身頃にサイドアクションリブを設ける独自製法で、この製法で作られたアイテムの総称にもなっている。今では服好き必携の定番品としても浸透している、服飾史に残る大発明だ。
1969年にロゴが一新され、今日馴染み深い“Cマーク”が登場。この頃になるとすでにカレッジウェアの定番ブランドとして浸透していた。写真は“全米の大学からチャンピオンへ注文が殺到”という記事が掲載された当時の新聞。
古くからアスレチックウェアを手掛けてきたチャンピオン。バスケットボールとの関係はとくに深く、1992年に開催されたバルセロナオリンピックでは、米国男子代表チーム、通称“ドリームチーム”の公式ユニフォーム・サプライヤーとしても選出されている。以降、今日までスポーツとファッションの垣根を越えるアイテムを製作し、世界中の定番好きを魅了し続けている。
Loopwheeler’s History
古きよき“吊り編み”を復権させた国内スウェット界の旗手
古きよき吊り編みスウェットの風合いに惚れ込んだ鈴木 諭氏が、“世界一正統なスウェットシャツ”を目指して1999年にスタート。国内に数えるほどしか現存していない、希少な吊り編み機を使って昔ながらのもちもちなスウェットを作り、“吊り編み”の人気を復権させた。
そもそも吊り編み機は、すべての編み機が天井から蓑虫のように吊り下げて設置されていることから名付けられた。毎分わずか24回転というゆ~~~っくりした速度で、糸が自重のみで下がっていくことで、余計な力がかからず空気を含むように編まれていくのが特徴だ。1時間に約1mしか編めないため、非常に生産効率は悪いが、完成した生地はすこぶるソフト♪ 身頃に脇接ぎのない丸胴ボディに編み立てられることも、極上の着心地を生む要因になっている。大量生産品では生み出せない“味”と“楽”を再認識させた立役者として、ループウィラーは今なお国内のスウェット界を牽引し続けている。
名門の“今”が詰まった新作も充実
チャンピオンのリバースウィーブ®
ハーフスリーブシャツ
ライトで着やすい生地で仕立てたリバースウィーブの“10オンス フレンチテリー”シリーズ。こちらはその半袖スウェットで、夏場までフル活躍してくれる便利品。ペールトーンの色合いも旬度高し。各6900円。(問) ヘインズブランズ ジャパン カスタマーセンター TEL.0120-456-042
チャンピオンのラップエアー®
スウェットパーカ(左)、クルーネックスウェットシャツ(右)
柔らか~いスウェット地の間に空気層を設けた3層構造のオリジナルファブリック“ラップエアー”。軽くて通気・速乾・伸縮・撥水・防風性にすぐれるという秀才スウェットで、3シーズン活用できる。左8900円。右7900円。以上(問) ヘインズブランズ ジャパン カスタマーセンター TEL.0120-456-042
ループウィラーの
LWライト吊り裏毛
LW290
ファンの間で”LWベーシック”に次ぐ新定番として親しまれているのが、この“LWライト”シリーズ。その名の通り軽くて春向きながら、吊り編みならではのもちもち感はしっかり残っているのがすごいところ。こちらは同シリーズでも随一の人気を誇るハイジップパーカで、適度に細身のシルエットが魅力的。各1万9000円。(問)ループウィラー千駄ヶ谷 TEL.03-5414-2350
【珍】別注もバリエ豊富
フリークス ストア×チャンピオンの
クルースウェット
ベーシックなリバースウィーブのクルースウェットをクレイジーパターンに大胆アレンジ。トップスはこれ1着でも存在感は十二分!8500円。(問)フリークス ストア渋谷 TEL.03-6415-7728
ビームス×チャンピオンの
リバースウィーブ ビッグフーディ
ビームスが型から別注した変わり種。定番のリバースウィーブを今どきのビッグシルエットにアレンジしつつ、左胸には小ぶりなCマークをレイアウト。ややライトオンスの生地を採用しているので即戦力になってくれるはず。1万1000円。(問)ビームス 原宿 TEL.︎03-3470-3947
モンキータイム×チャンピオンの
プルオーバーフーディ(左)、モックネックスウェット(右)
チャンピオンの定番リバースウィーブ“10オンス フレンチテリー”シリーズをベースに別注。ビッグシルエットのパーカやモックネック仕様のスウェットなど、独創的なアレンジを施している。衿リブや左胸に刺繍ロゴを施しているのもポイント高し。左1万3800円、右1万2000円。以上(問)モンキータイム ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 原宿店 TEL.03-5464-2773
フリーマンズ スポーティング クラブ×ループウィラーの
クルーネックスウェット
古きよきモノ&コトを提案するNY発の人気店とループウィラーの共作。吊り編み生地特有の柔らかい着心地はそのままに、フロントと脇下にガゼットを設けることでヴィンテージライクな佇まいに。1万5000円。(問)フリーマンズ スポーティング クラブ-ギンザ シックス TEL.03-6263-9924
ビームス ジャパン×ループウィラーの
吊り裏毛 ロゴ スウェットシャツ
ビームスのキーカラーであるオレンジがひときわ目を引く別注品。吊り編みスウェットのフロントに、両者のロゴがシンプルにレイアウトされている。1万4600円。(問)ビームス ジャパン TEL.03-5368-7300
ロウワーケース×ループウィラーの
LW天竺 ロングスリーブT
“一年中着られる”を目指して作られた、スウェットとカットソーの中間のような天竺T。インナーとしてもアウターとしても使いやすいオールラウンダーだ。※こちらは4月から登場予定の新色。1万6000円。(問)アーバンリサーチ プレスルーム TEL.03-6434-9940
※表示価格は税抜き
写真/若林武志 構成・文/黒澤正人 スタイリング/宮崎 司 ヘアメイク/sachi