“ショルダーバッグ通勤”はあり? なし? 有識者が徹底議論!
カバン真価論を紐解くべく、まずはココから! 有識者で侃々諤々!
“今まじめに欲しい”【お仕事カバンサミット2025】
黒デイパもいいけど、そろそろ他のカバンも気になる……なんて人のために、ビギン周辺の有識者が集まり、お仕事カバンのNEXTトレンドを探る座談会を開催。自分の仕事の装いや働き方に本当に合うカバンを探してる方は、ぜひ選びの参考にしてくださいませ♪
長らく続いた“デイパ一強時代”
コロナ禍を経て働き方も多様化する中で4つのキーワードが見えてきた!
集まったのは……
(左から)スタイリスト 武内雅英さん/モノ好きライター 吉田 巖さん/サックスバー プロダクトマネージャー 塩川雄三さん/編集部 マスイ
スタイリスト 武内雅英さん
冴えたセンスにより、Begin本誌をはじめ各媒体で活躍する重鎮スタイリスト。カバンについても一流メゾンからファクトリー系まで精通し、今座談会ではファッション視点で鋭い意見を連発。
モノ好きライター 吉田 巖さん
服、時計、靴、革小物のほか、カバンについての記事をBegin本誌で長く手がけるベテラン。ドレス系の媒体にも多く執筆してきた経験から、「スーツに本当に合うカバンはブリーフ一択」と主張。
サックスバー プロダクトマネージャー 塩川雄三さん
2002年入社。カバンのセレクト店「サックスバー」で店舗販売などを経験後、商品部に移り、各ブランドへの別注やオリジナル製品の企画開発を担当。カバンのトレンドを誰よりも熟知。
編集部 マスイ
今カバン特集のリーダーを担当したBegin本誌副編集長。ここ数年はずっとアウトドア系の黒デイパを愛用してきたが、次なる潮流が気になることもあり、実はこの座談会も彼の発案によるもの。
議題1:デイパ通勤の次は“ショルダー通勤”ってぶっちゃけあり? なし?
KEYWORD1:Business Shoulder Bag
マスイ 今日は皆さんとお仕事カバンの次なるトレンドについて話し合いたいと思います。デイパが仕事カバンのメインストリームとなって久しいわけですが、ボクのように、そろそろ人と違うカバンを持ちたいと感じ始めた人もいるんじゃないかと思いまして……。
マスイ
武内 そもそも仕事カバンとしてデイパをみんなが持ち始めたのっていつ頃でしたっけ? クールビズが奨励され、ビジネススタイルのカジュアル化が加速し始めた頃からかなぁ。
塩川 10年ぐらい前からでしょうね。それ以前からブリーフケースの背面にハーネスを収納して、必要に応じて背負えるようにしたカバンが人気でしたが、仕事の服装の自由度が高まるにつれ、「だったらデイパでよくない?」と考える人が増えていった感じです。それがコロナ禍で働き方が変わったこともあり、一気に仕事カバンの主流に。今もずっと売れ続けています。
吉田 両手フリーの快適さを一度味わっちゃうと後戻りできないんだよね。
マスイ 両手を自由にできるという意味では、ボクはショルダーバッグに再注目しています。夏にデイパを長時間背負っていると、背中が蒸れません? また電車内ではデイパを背中からいったん下ろし、前に抱え直すのが今どきのルールですが、いちいち面倒だし、意外と場所を取るんですよね。ショルダーならサッと前側に回せるし、脇に当たるように持てば場所も取らない。
満員電車での前抱えもスムーズ!
吉田 たしかにそうかも。通勤電車に往復3時間揺られているマスイくんだけあって、意見に重みがあるよ(笑)。
武内 ショルダーバッグをたすき掛けすると、ジャケットのラペルがツブれる心配もあったけど、今どきの機能系生地を使ったジャケットやセットアップなら問題ないですからね。
機能セットアップならハーネスでラペルが崩れる心配もなし!
吉田 一口にショルダーバッグと言ってもいろんなタイプがあるよね。ボクはハンティングワールドのような、メイン室をフラップで閉じるクラシックなデザインが好きなんだけれど。
塩川 自転車通勤派には、マンハッタンポーテージに代表される王道のメッセンジャー型も根強い人気です。
武内 大人っぽく持ちたいなら、フェリージから出た、鴨志田康人氏監修のオールレザーのショルダーがいいんじゃないかな。意外と見落としがちですが、ショルダーバッグは、デザイン的にもショルダーストラップが肝となるんです。その点このモデルは肉厚のバケッタレザーを使っていてリッチな風格がある。ボディのシボ革とのコントラストも最高でしょ。で、マスイくんはどんなタイプがいいの?
マスイ 個人的にはグレゴリーのヘルメットバッグ型のショルダーなんかいいかなと。PCスリーブや、脱着できるマルチポケットを二つ装備するなど、めちゃハイスペックなんですよ。
塩川 正直我々カバン屋も、これから先のトレンドとしてショルダーバッグには非常に注目しています。デイパがそうだったように、PCスリーブをはじめ、今のビジネスシーンに役立つ機能を盛り込んだモデルが、今後もいろいろと出てくるんじゃないでしょうか。
※表示価格は税込み
[ビギン2025年6月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。