10年以上使っても余裕で愛せる。業界人が使い続ける革小物たち
令和の今、革を使う理由ってなんだろう?
人類が獲物を追っかけてハントしてた頃から存在している爆裂レガシー素材が、いまだに愛されてるのってなんだか不思議。一体その理由はなんなのか? 創刊以来ず~~~っと、革に超ときめき♡なビギンとして考えてみましたので参考までに。
“革”いい理由1
10年超、余裕で愛せるから
まずもって革のなにがいいかって、大切に使えば10年以上でもヘーキで使えちゃうということ! くたびれるどころかむしろ、アジが増したり手馴染みもよくなったり。その実例を、業界の皆様に見せていただきましたよ。
[35年愛用]グルカの眼鏡ケース
プレッピー御用達ブランドは時を経て高品質が際立つ
セプティズ 代表 玉木 朗さん
1955年、京都生まれ。国内外の良品を厳選する三軒茶屋の老舗セレクトショップ「セプティズ」代表。アメトラ&アメカジに造詣が深く、服飾業界の師匠的存在として知られる。ボーカル&ギターを担当するバンドメンバーでもある。
ニューヨークの歴史あるバッグ専門店・クラウチ&フィッツジェラルドで購入したグルカの眼鏡ケースです。当時、プレッピースタイルに身を固めた現地のバイヤーたちが、こぞってグルカのバッグを携えていたのに憧れて、バッグに限らず様々な製品を買い集めました。そのうちのひとつですね。グルカの革製品は、総じてデザインがシンプル。そのぶん素材の良さが際立つんです。当時の国産品には、こんな飴色のサドルレザーの革小物なんてほぼ皆無でしたから。今もなお、見るたびに惚れ直しますね。
[25年愛用]エルメスの手帳カバー
嫉妬するほどの上質革はさらに味わい深くなりにけり
GMT 代表 横瀬秀明さん
1994年にGMTを創業。トリッカーズやジャラン スリウァヤ、アイランドスリッパなど、世界中の優れた靴を輸入しその魅力を伝えてきた。パラブーツの輸入代理店RPJや、セレクト店「バーニッシュ」の経営も手掛けている。
仕事柄、革製品の品質はどうしても気になります。そして、最高の品質を求めれば、自ずとエルメスに行き着くもの。嫉妬するくらい上質な革を使っていますし、縫製やディテールに到るまで完璧なんですね。手帳カバーを購入したのは2000年頃。1994年に設立した会社が軌道に乗ってきた頃で、自分へのご褒美という思いで、パリ本店にて購入しました。革は定番のシボ革なんですが、いい具合に凹凸感が馴染んできて、表情が艶やかに。色みも一段と濃くなり、よりいっそう味わい深くなったように思います。
[17年愛用]グレンロイヤルのマネークリップ
手のひらサイズながらも圧倒的な存在感を放つ
渡辺産業 代表 渡辺悠太さん
英国ブランドに特化した老舗の輸入代理店・渡辺産業の3代目を務める。チャーチ・ジョセフ チーニー・ドレイクス・グレンロイヤルなどなど、名だたる英国の名ブランドの現地工場や現地店舗での勤務を経て、2019年より現職。
このマネークリップは、私にとって2つ目のグレンロイヤルの財布です。30代に近づき友人の結婚式が増える中、ジャケットの内ポケットにスマートに収まる財布を……ということで購入しました。学生時代に使っていた1つ目の財布がブライドルレザー製で、経年変化の面白さに魅了され、2つ目ではさらに経年変化がドラスティックなナチュラルレザーをチョイス。定期的にワックスを入れつつ、変化する色合いを楽しみながら使い続けてきました。小ぶりでありながらも、確かな存在感を放っています。
[12年愛用]ヘストラのスキーグローブ オムニ
使いこむほどにその機能性も増していく
ユキミスタジオ 代表 若林武志さん
ビギンでもお馴染みの敏腕カメラマン。富山県出身で、幼少期からさまざまな雪山を滑りまくってきた生粋のスキーLOVER。その経験はしっかり仕事にも活かされており、某メーカーのスキーに関するビジュアルも撮影している。
『ヘストラ』とは、北欧スウェーデン南西部に位置する小さな街、ヘストラで1936年に生まれた老舗グローブ専門ブランド。レザー製のスキーグローブは、化学繊維製とは比べ物にならないほどストックが握りやすい。オイルでケアさえすればかなり長持ちしますし、より手に馴染んで繊細なストックさばきが可能になるんですよ! いくつか所有していますが、定番ブランドの定番品はさすがに品質も確かで、イイ感じにヨレても破れはしない。数多くのコースを滑ってきた思い出も染み込んでいますよ。
※表示価格は税込み
[ビギン2025年4月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。