最高の買い物はカリスマバイヤーに学べ! 記憶に残る本気買いBEST3
買い物のプロと呼べる人がいる。己のアンテナを頼りに古今東西の傑物をバイイングし、その目利きで自店のスタイルを築き上げていく。人気セレクトの次代を担う若手バイヤー陣に聞いた、ここ最近の個人的なベストバイとは?
「買い物とは“ライフワーク”である」-BEAMS 柳井さん

ビームス プラス バイヤー
柳井純一さん
1990年生まれ。ビームス プラス丸の内で約7年経験を積み、バイヤーへと転身。若きアイビー巧者として、ウェアやシューズなどを担当。稀代の愛されキャラでもあり、ビームス内では“カリスマ”の愛称がすっかり定着。
[No.1]ギャリックアンダーソン フォー ウィルクスバッシュフォードのニットベスト
「インスタで見かけて古着店に直行しました」
吉祥寺の古着店にて購入。ニットはネタ探しも兼ねて古着で漁っているのですが、ザ・トラッド! ではないヒネリの効いた柄が面白いですよね。ベストなのでコーディネートもしやすく、重宝しています。この手の面白いデザインと出会えるのが古着の魅力。クラシックな杢調の風合いにもグッときます。
[No.2]ダナーのコンバット ハイカー
「デッドストックの出物をゲット!」
トレンド的にもマウンテンブーツが気分で、以前から探していた一足。米軍の山岳部隊がアフガン紛争時に製作を依頼したモデルで、軍モノらしいボリューム感ながら履き心地は軽快。この春夏はショーツに合わせたい!
ダナーのコンバット ハイカー 6万3800円※現行モデル(ダナーインフォメーションダイヤル)
[No.3]スペリー トップサイダー × ビームス プラスのMIL CVO
「気づけばいつも足下に選んでいます」
主張しすぎず、ビームス プラスの服には何かと合う名脇役的な存在なので、全4色を所有&リピートしています。とにかく買って、着用して、それが仕事にも活きてくる。もはや自分には欠かせないワードローブですね。
スペリー トップサイダー × ビームス プラスのMIL CVO 1万3200円(ビームス プラス 原宿)
「買い物とは“経験”である」-SHIPS 瀬谷さん

シップス バイヤー
瀬谷俊法さん
1994生まれ。18歳でシップスに入社、’18年よりバイヤーに。昨秋スタートの20~30代向け新レーベル、シティ アンビエント プロダクツのディレクションも担当。「買い物には経験が必要、買わないと感覚が鈍ります」
[No.1]ティー・ティーのデニムトラウザーズ
「オーセンティックさと洗練とが同居している」
デニムやキャンバス鞄など、オーセンティックなアイテムが好み。だけど自分の年齢的にもオールドスクールなモノではなく、定番顔でも洗練を感じさせるものを選びたい。このリジッドデニムは今っぽいワイドストレートが気分。でもその元ネタが大戦以前のデニムという由緒正しさに惹かれてます。
ティー・ティーのデニムトラウザーズ 4万1800円(ティー・ティー)
[No.2]バーバリーのカシミヤアーガイルセーター
「さすがバーバリー! な洒脱シルエット」
カシミヤは質実なスコットランド製こそが最高峰と思っていて、毎年探しています。コレはおそらく80年代のモノで、当時らしいポップな柄に一目ぼれ。この年代では珍しい、タイトすぎないシルエットもツボでした。
[No.3]カーンのバケットトート
「定番品はブランド選びやフォルムで旬を醸す!」
キャンバス鞄はド定番のビーントートもいいですけど、また別の選択肢として。弊社でも扱っていて、メイドインNYという点が買い付けの決め手でした。肩に掛けるだけでサマになる絶妙なサイジングがNYっぽいんです。
カーンのバケットトート 1万8150円(シップス インフォメーションセンター)
「買い物とは“丁度良さ”である」-JOURNAL STANDARD Relume 畑山さん

ジャーナル スタンダード レリューム バイヤー
畑山健太さん
1990年生まれ。入社以来レリューム一筋で、1年前よりバイヤーとして辣腕を振るう。大量生産ならではの味、クラフト感を残すアメリカものに目が無い。“はたけやま”でなく“はたやま”と読みます。完全に余談です。
[No.1]’50s パイオニアのシャンブレーワークシャツ
「カッコつけすぎないのがカッコいい」
服飾アイテム全般的に、キメすぎていないどこかヌケ感のあるモノが“ちょうどいい”と感じる性質で。そうなると自然とアメリカものを手に取ることが多くなります。例えばシャンブレーのワークシャツはその気分のど真ん中。立川の古着店にて、ちょうどいいくたびれ具合の出物で見つけました!
[No.2]ザ ファクトリー メイドのキャップ
「週7キャップ派が選ぶ不動のエース」
ほぼ毎日キャップを被るんですけど、かれこれ20個前後所有するなかで一番のお気に入りがコレ。ロゴのないシンプルなデザインと栃木レザーの組み合わせがとにかく被りやすい。半年ほど経年変化して、こなれてきました。
ザ ファクトリー メイドのキャップ1万670円(中央帽子)
[No.3]レタードのヴィンテージニット
「変わり種なボートネック♪」
恐らく50年代製の詳細不明のニットで、レタード部分の愛嬌に惚れました。縮みすぎておらず、スウェット感覚で着られます。古着は一期一会。気に入れば多少無理してでも“今が底値”と言い聞かせて買っています(笑)
「買い物とは“ストーリー”である」-BARNEY’S NEW YORK 平井さん

バーニーズ ニューヨーク メンズバイヤー
平井槙悟さん
1992年生まれ。バーニーズ ニューヨークを支える一人。「買い物をすることは、ソレが自分の元に来る、自身が積み上げてきたストーリーにも加わるようなものでしょうか。だからこそ納得感は常に大事にしています」
[No.1]ジェイミー・リード × 河村康輔のアート
「マイ・ファーストアートピースです」
セックス・ピストルズのアートワークで知られるジェイミー・リード。兼ねてより彼の作品が好きだったのですが、コラージュアーティストの河村さんとのコラボ作品という特別感もあって、思い切って購入。それをきっかけに弊社でもジェイミーのエキシビションを開催でき、思い出深い買い物です。
[No.2]ダブレットのキャップ
「韓国の夜に大活躍しました!」
ツバに栓抜き。それがもう全て(笑)。遊び心にピンと来て買いましたが、先日の韓国出張で現地の飲み屋でビールが栓抜きナシで出されたときに、このキャップのおかげで事なきを得て。そんなエピソードも宿ってます。
[No.3]プラチナレーベルのハトムギオールインワンゲル
「安価なものをたっぷりが正義」
あのハトムギから出ているゲルタイプの基礎化粧品です。化粧水や美容液、保湿クリームの役割がコレ1つ。300gという大容量ながら安価なのもミソで、その分惜しまずじゃんじゃんケアできて肌の調子も良くなりました。
プラチナレーベルのハトムギオールインワンゲル1650円(東京理化学テクニカルセンター)
最後に聞いた
記憶に残るかも!? な青田買いモノ
自らが欲しいモノ&買いたいモノ=バイヤーが企画するモノ! 公私混同が思い入れのあるよき仕事に繋がるバイヤー陣に、今季既に個人オーダー済みのモノをヒアリング!
グルカ × ビームス プラスの別注No.5
スムースチェスナットレザーにカーキツイルという、ブランドの代表的な素材をコンビ使いした一作。このクラシック顔が目新しさを誘う。25万3000円(ビームス プラス 原宿)
そう来るか!な得意技コンビプレー(柳井さん)
レッドウッド クラシックス × シップスの14オンス ラグラン スウェット
スウェットの名産地カナダにあるレッドウッドクラシックスというファクトリーに生産を依頼。やや短め丈で洗練さも◎。各1万5400円(シップス インフォメーションセンター)
産地にこだわった自信作です(瀬谷さん)
パッキング × ジャーナル スタンダード レリュームの2WAY TOTE
チープシックがウリの日本ブランドに、90年代のアウトドアブランドのカバンをサンプリングして型から別注。9800円(ジャーナル スタンダード レリューム新宿店)
今、最も勢いのあるカバンのスタイルがこれ(畑山さん)
バーニーズ ニューヨークの強撚ウール天竺カットソー
天然の高機能繊維をデイリーな一着に。自宅洗い可で、持ち前の光沢とドレープ感とでスペシャルな着心地に。5月発売予定。2万2000円(バーニーズ ニューヨーク)
防ピリング性を備え安心して着倒せます(平井さん)
※表示価格は税込み
[ビギン2025年4月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。