COOL Begin

服飾べしゃり力が身につく[小林学の小噺学]

オーベルジュ・小林さんが考える“似合うメガネ”の形とは。カギを握るのは“マユゲ”でした

服好き同士のしゃべり場で日夜繰り広げられる服飾トーク。知らなくても生きていけるネタを披露し合う瞬間こそ、服好きには至福のジ・カ・ン。ということで、業界屈指の服飾べしゃり力で洒落者を引き込むオーベルジュの小林さんを指南役に迎え、即話したくなる小噺をレッツ・スタディ♪

Profile
オーベルジュ デザイナー 小林 学さん

オーベルジュ デザイナー

小林 学さん

服飾漫談師

1966年生まれ。ヴィンテージにモードにフレンチと守備範囲は宇宙。べしゃり力も業界随一で、自身のYouTubeチャンネルでも服好き垂涎の小噺を軽快に繰り広げる、服飾亭の止め名。ちなみに題字は愛娘の小林凛さん著!

《日本人のメガネとマユゲの相関関係》
「日本人の黒マユゲがメガネの造形美を邪魔するんですよね」

メガネ
“コルビュジエのように沿わせる”か、“カートみたいに隠す”のが攻略法!

あの知的な文化人のように、色気を放つ銀幕スターのように、個性を宿すロックアイコンのように……な〜んて憧れのもと、いざ勇気を振り絞って試着し、鏡に映る自分を見たら……イメージと全然違う! というか、むしろ滑稽にすら見える(涙)。

わかります、その気持ち! 今回はそんな経験をしてきた同胞たちのために、僕が数十年に亘って分析してきた、“似合うメガネ(サングラスも)”にまつわる研究成果を発表いたします。

メガネがまるで顔の一部のように馴染んでいる洒落者たちの共通点。それは“マユゲがメガネのフレーム内にほぼ収まっているか、はみ出てても5ミリくらいまで”ということ。そうなんです! メガネ単体はお洒落なのに、かけると途端に滑稽に見えてしまう要因は、“マユゲ”にあったんです!

あらかじめ補足しておくと、これはあくまでオシャレに、いわば男前路線のメガネ男子を目指す人限定の話。キャラ勝ち路線のメガネ男子は、少々滑稽に見えるのもまた味に見えるので、マユゲを気にする必要はないのであしからず(苦笑)。ただメガネをカッコよくかけたい人にとっては、“いかにマユゲを悪目立ちさせないか”がカギになるんじゃないかなと。

その点我ら日本人は極めて不利! なぜかって、ほとんどの人が欧米諸国のイケメンたちと比べて目とマユゲの距離が離れているうえ、マユゲのデフォルトカラーが黒だから、より際立って見えちゃうんです。

つまりはみ出やすいし、ちょっと出ただけで目立っちゃう。だからこそ、“いかにフレームとマユゲを沿わせるか”がポイントに。意識的になのか偶然なのかは定かじゃありませんが、かのコルビュジエ大先生なんかもこのテクニックの熟達者

よ〜く見るとあのアイコニックなラウンドメガネも、しっかりフレームとマユゲのラインを同化させることで、見事違和感なくかけこなしてるんです。コメディアン化しがちなラウンドすら知的に見せられるんだから、僕らも試さない手はなし!

ちなみにマユゲのカタチが独特で、どうしても沿わせるのが難しいって人は、カートをご参照あれ。大ぶりフレームで思い切って“隠す”ことで、マユゲの存在自体を消せますからね(笑)。

はみだし用語解説
 

ル・コルビュジエ

❶ル・コルビュジエ
オーダーメイドでべっ甲メガネを作る仏の名店「メゾン・ボネ」に、自らデザイン画を描いてオーダーしたという巨匠。マユゲと調和したフレームを自ら発注するとはさすが!
 

カート・コバーン

❷カート・コバーン
説明不要のロックスターといえば、どデカいフォックス型サングラスがアイコン。馴染ませるどころかすっぽり覆ってしまえば、どれだけ黒々としたマユゲでも目立つ心配なし。

 
※表示価格は税込み


[ビギン2025年4月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

Begin 2025年4月号の表紙

Begin 2025年4月号

一度は試したい本格派の買いモノ図鑑

定価820円(税込)

詳しくはこちら

Begin Recommend

facebook facebook WEAR_ロゴ