【バブアー、ラベンハムなど】生誕地別! 英国コート名門図をサクっとご紹介
英国コート名門図
コートを知るにはまず英国モノから! というのも、その土地柄から雨が多いこの国は、今も昔もコートの激戦区だから。出自も特技も全然違う名ブランドたちを、生誕地とともにサクッとご紹介!
SINCE 1823[Glasgow]
ハイテク防水コートの偉大なる元祖
代表的コート「ハンビー」
Mackintosh[マッキントッシュ]
防水生地の元祖に聞けば、近年のベストセラーはゆったりとしたAラインが特徴の「ハンビー」。写真は「ハンビー SL」の新作で、春らしい薄手の生地が放つドレープ感を楽しめる。3月発売。12万9800円(マッキントッシュ ギンザシックス店)
ゴム引きは今も職人がハンドメイドを貫く
SINCE 1894[South Shields]
撥水性&防風性◎なワックスドコットンを開発
代表的コート「バーレー」
Barbour[バブアー]
ジョン・バブアー氏がイングランド北東部の港町で創業。同地の港湾労働者向けに開発したワックスドコットン製品を製作した。ギッチリと密に織り込まれたコットン生地に特製ワックスを染み込ませたこの生地は、防風&撥水性に優れ、たちまち評判に。
港湾労働者に絶大な信頼を置かれた
この「バーレー」は乗馬用に開発された玄人好みの名作。長い着丈のほか、深くとられたセンターベントなど、馬上で効果を発揮するディテールが詰まっている。7万2600円。(バブアー パートナーズ ジャパン)
SINCE 1923[Burnley]
過酷環境にも◎な独自タフ生地コートに定評
代表的コート「キャンベル」
GRENFELL[グレンフェル]
英国の医師兼探検家だったグレンフェル卿がバーンリーで開かれた講演会において、過酷な環境に適した高機能な衣服の必要性を熱弁。これに反応したのが地元の工場主ヘイソーンスウェイト氏で、1923年に軽くて丈夫、防水防風・透湿性に優れた生地“グレンフェル・クロス”を開発。
その機能性は後に英国のエベレスト遠征隊がテントに採用し証明した。本作はそんな伝説的な生地を使った、ロング丈のステンカラーコート。19万8000円(シップス インフォメーションセンター)
コートの生地がエベレスト登山のテントに採用された
SINCE 1937[Manchester]
スウィングトップが有名すぎるが起源はコート
代表的コート「G12」
BARACUTA[バラクータ]
マンチェスター近郊にて1912年より小さな衣料品工場を経営していたミラー家。雨の多い土地柄からレインコートを得意とし、老舗英国ブランドにも供給していたという歴史を持つ。
じつはレインコートの生産から始まった!
傑作「G10」の後継であり未だに英国製を貫く「G12」は、美しいAライン、後ろの衿腰が高くて前が低いステンカラーなど、英国の伝統コートスタイルを踏襲。生地は撥水性の高いバラクータクロスで、アンブレラヨークをはじめバラクータらしい意匠も備えている。9万8000円。(伊藤忠商事)
SINCE 1951[London]
ミリタリー色強めな本格ダッフルを生産
Gloverall[グローバーオール]
代表的コート「モンティ」
SINCE 1969[Suffolk]
キルティングジャケットの第一人者
代表的コート「デンストン」
LAVENHAM[ラベンハム]
羊毛や綿布より速乾性・耐久性に優れたナイロン製キルティング馬具を、世界で初めて開発したエリオット夫人が創業。丈夫で保温効果の高い生地に惚れ込んだ乗馬愛好家たちの声に応え、1970年代初頭にはジャケットの生産を始めた。
元祖はお馬さん用ジャケットから!
当時からの定番ジャケット「レイドン」から派生した「デンストン」は、サイドベンツなどレイドンの仕様を色濃く反映。100%リサイクルポリエステル生地を採用するなど、時代に即して進化している点も見逃せない。8万2500円(ラベンハム)
※表示価格は税込み
[ビギン2025年3月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。