イカつく見せない大人のライダーズは、エポレットのないダブルです
冬の旅はアウターで始まる
冬のアウター選びでは、寒さに耐え得るスペック面はいわずもがな、いかに外に飛び出したくなるかがキモです。そこで今回は、トレンチコートやライダースなど、街で着るには決めすぎ!?な絵になるアウターを旅のシーンごとに提案しています。旅という目的があれば、憧れのアウターも馴染むし、街でも着こなしを学べば鮮度がアップ!
エポレットのない大人のダブルライダースで駆ける
ディテール満載なれどイカつく見せない大人顔
ダブルのライダースに憧れるものの、そのワイルドな雰囲気が街中では浮きそうで、今に至るまで手が出せていない人も多いかと。
なぜダブルがあんなゴテゴテしたデザインなのかといえば、フライトジャケットをベースに、ポケットやらジッパーやら、バイクに乗る際に便利なディテールをあれこれ追加したものだから。
一方シングルはレーシングスーツの上をぶった切ったものが起源ゆえ、シンプルな顔立ち。だから街中ではシングルのほうが着やすいんですね。
でも、アナタがロマン派のバイク乗りなら、もしくはいつかバイクの免許を取って、気ままな一人旅を楽しみたいと夢見ているのなら、思い切ってダブルを選ぶのもいいものです。
ディテール満載のデザインはバイク旅の気分を確実に高め、何よりギアを着ているような安心感ももたらしますからね。ただ大人としては、バイクから降りたときのことも考えておきたい。
その点、名門ショットが作ったご覧のエポレットなしモデルはいかがでしょ。じつはエポレットは、ダブルを肩が張ったイカついフォルムに見せるポイント。これがないだけでレザーが肩に柔らかに乗り、ぐっとマイルドに見せるんですよ。
また茶に近い絶妙なダークグリーンという色合いも大人っぽくてイイじゃないすか。ちなみに革は米国に現存する希少なタンナー、セイデル社製で、抜群にしっとりと滑らかな風合い♡
50年代のDポケを採用しているのもモノ好きにはツボですし、こんな一着で風を切れば、どこまでも走り続けたくなることうけあいなのです。
1950年代のDポケを配した通好みなアメジャン
Schott[ショット]
Dポケット ライダース
Dポケがレトロな雰囲気を高めつつ、肩にはエポレットがなく、すっきりしたボックスシルエットと相まって今らしく着用できる。レザーは、米国ウィスコンシン州ミルウォーキーのセイデル社のプルアップレザー。24万2000円(ショット グランド ストア トーキョー)
バターのようにしっとりした米国産プルアップレザー。上にコインポケットが付く、ライダース草創期のDポケを装備
Travel Outfit
ライダースと相性抜群のブラックジーンズはストレッチ性のあるものを選択。マフラーもモノトーンのチェック柄でシックにまとめる。JEモーガンのカットソー8800円(ライオンキング ジャパン) アンフィーロのパンツ1万2980円(オンワード樫山) レッドウィングの靴4万3450円(レッドウィング・ジャパン) アイヴォルのサングラス2万2000円(アイヴォル トウキョウ ストア) ジョンストンズ オブ エルガンのマフラー5万2800円(ビームスF)
Usually Outfit
ハードなダブルライダースの印象を緩和するため、モヘアのタートルネックニットをインナーに忍ばせる。パンツは、トップスのボルドーからグラデーションで統一感を持たせるため、ブラウンを。そうすることで、ダブルライダースをスタイリッシュかつドレッシーに着こなすことができる。キャプテン サンシャインのニット5万1700円(キャプテンサンシャイン) タンジェントのパンツ3万9600円(ビームスF) ティドの靴8万8000円(ティド)
Riders Jacket Catalog
パターンのうまさで叶えた洗練シルエットと極上フィット
Scye[サイ]
ラムスキンレザーバイカージャケット
クラシックな英国ライダースのデザインやディテールを取り入れつつ、冴えたパターンで着やすく美しいシルエットの一着に。レザーはスペインINPELSA社の最高級ラムスキン。きめ細かく、リッチな光沢と程よい弾力が楽しめる。37万4000円(マスターピースショールーム)
アノネイ社のカーフを用いシルエットもまったく隙なし!
cantate[カンタータ]
ブリティッシュライダース
厚みがありながら、着始めから柔らかに体に吸い付くレザーは、名門アノネイ社のカーフ! 裏地にはコートの表地に使われるバックサテンギャバジンを用いるなど、耐久性にも申し分なしのとことんリッチな作りだ。絶妙なバランスのシルエットもさすが。66万円(クリシェ)
無骨さを極力カットした誰もが気軽に纏えるダブル
A LEATHER[Aレザー]
モトジャケット
英国スタイルのダブルライダースを、年齢や好みのスタイル&カルチャーにとらわれず気軽に着られるようシンプルアレンジ。レザーは国内産原皮を姫路の実力派タンナーが鞣したもので、丁寧な染色と仕上げ加工により、美しい色艶を実現した。13万2000円(エーブティック)
※表示価格は税込み
[ビギン2025年1月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。