【車のタイプ別】ファッション業界人もハマった! 僕らの好きな“漫画と車”
ファッション業界人もハマった! 僕らの好きな“漫画と車”
いつかは乗ってみたい憧れの車。その源流を辿ると少年&青年時代に読んだ漫画だった、なんてことありませんか? ヴィンテージカーや高級外車、はたまた国産スポーツカーに乗り込む彼らの姿は、大人になった今でも記憶に残るものですよね。そこで、車もファッションの一部として楽しむアパレル関係者に、影響を受けた名作と、その作中の車を教えてもらいました。
[CATEGORY.02]
今では甘酸っぱい走り屋モノ
登場人物が国産のスポーツカーに乗り、公道でカーバトルを繰り広げる走り屋系漫画。作中のドライバーは10~20代が中心で、多感な年頃の恋愛模様や友情関係も丁寧に描かれます。ビギン世代の青春時代にドンピシャ!な90年代の2大金字塔がこちらです♪
「心から愛する車に乗る男の美学を教わりました」ー 松尾さん
©しげの秀一/講談社
拓海が実家の車を愛して、大切に扱っているところにグッときます。値段や見てくれだけで、車の良し悪しを判断していないのが伝わってくる。バトルシーンはもちろん、話も作り込まれているから、登場するスポーツカーも一段とカッコよく見えるんですよね
シップス PR 松尾教平さん
[CAR]トヨタ/スプリンタートレノ AE86型
高校3年生の藤原拓海(フジワラタクミ)は、家業の手伝いで車を運転しているうちに、高度なドライブテクニックを習得していた。地元の走り屋チームへの加入がきっかけで、峠を舞台にしたスピードバトルにのめり込んでいく。全48巻。講談社/660円~。
「作品もこの車も、いつまでも私の憧れです」ー 寺澤さん
©楠みちはる/講談社
『湾岸~』のフェアレディZは、ハイスピードが出るように強化されていて憧れましたが、改造費のことを考えると、若かりし私にとっては遠い存在(笑)。今発売されている新型は、初代S30型を彷彿とさせる仕様で、改めてその姿に惚れ直しましたね
コロンビア アウトドアスペシャリティ部 寺澤雄志さん
[CAR]日産/フェアレディZ S30型
オーナーが次々に交通事故で死んでいくという、いわく付きのフェアレディZ S30型に乗る朝倉(アサクラ)アキオを中心に物語は進む。走り屋達は危険を承知で夜の首都高速に繰り出し激しい公道バトルを展開。全42巻。講談社/534円~。
[CATEGORY.03]
ダークヒーローはデカさも大事?
漫画のダークヒーローは、その図太さを証明するかのように海外の大型車を愛用。債務者の取り立てや探偵業の拠点として使うには、耐久性も重要ですからね。彼らと同じく責任の大きい仕事が舞い込んでくる(!?)ビギン世代も、デカい車がお似合いだったり?
「一度は乗ってみたい、いい意味でワルい顔の車」ー 丸益さん
©真鍋昌平/小学館
ウシジマくんを読んでいる影響か、ダークヒーローといえば黒いハマー H2が勝手に思い浮かびます(笑)。ゴツゴツとした強面の車体から、危険な香りがムンムン漂いますよね。実際、耐久性は高いし荷物もたくさん詰め込めそうなので、使い勝手も良さそう
カメラマン 丸益功紀さん
[CAR]ハマー/H2
社会の闇や人間の欲をリアルに表現したブラックストーリー。超暴利の闇金融会社を営む丑嶋馨(ウシジマカオル)は、何がなんでも貸した金を回収することをポリシーとする。丑嶋から厳しく取り立てられる債務者達の末路とは。全46巻。小学館/各715円。
「エグい描写と洒落た車のギャップにヤラれました」ー 寺澤さん
©山本英夫
探偵業を営む主人公たちが、移動車と事務所を兼ねて乗っているのがワーゲンバス(※通称)でした。お洒落な車の代表格みたいな車種なのに、作品内では人の内面をほじくり出すようなエグい描写が多い、というギャップもまた心をザワつかせるんですよね
スタイリスト 宮崎 司さん
[CAR]フォルクスワーゲン/トランスポーター
人の心を“のぞく”ことに異常な執着を燃やす主人公・見(ケン)。イルカ並みの聴力を持つ聴(チョウ)らとともに探偵(という名の何でも屋?)として活動し、舞い込んだ依頼を解決しながらそこに渦巻く人間の暗部をのぞく。全11巻。電書バト/各330円。
[CATEGORY.04]
スーパーカーこそ男のロマン
明確な定義はありませんが、スーパーカーとは性能・価格など全てにおいて一般車を超越するスポーツカーの総称。70年代に一大ブームを巻き起こし、その名が浸透しました。一般人には縁遠い存在ですが、そんなスーパーカーを嫌味なく乗りこなすカギは漫画の中に!
「スーパーカーは格好いい、ギャグも面白い!だから車好きは誰でも楽しめる!」ー 横瀬さん
©秋本治・アトリエびーだま/集英社
日本のスーパーカー文化が盛り上がったのは、漫画の影響も大きいですよね。『こち亀』は警察官とスーパーカーの組み合わせが斬新で、印象に残っている作品のひとつ。特に中川巡査のコレクションはスゴい!愛車のランボルギーニやフェラーリを両さんに雑に扱われてしまい、気の毒ではありますが……(笑)。かくいう私も大のスーパーカー好き。このフェラーリの328 GTBは、デザイナーのレオナルド・フィオラヴァンティの設計に惹かれて、約12年前に購入しました。我々のメイン商材であるシューズにも通ずるところがありますが、車もストーリーが大事。その価値観に当てはめると、メーカーに縛られず様々な車に乗る中川巡査って、理想の車乗りなのかもしれませんね(笑)
GMT inc. 代表取締役社長 横瀬秀明さん
横瀬社長の愛車“フェラーリ/328 GTB”
傑作スーパーカーの呼び声高い308の後継で、1985年にデビュー。生産台数が少なく希少性も高い。横瀬社長は奇跡的に走行距離約2万2000kmというお宝車に遭遇したのだとか。
[CAR]フェラーリ/F50
派出所勤務の両津勘吉(リョウツカンキチ)は、儲け話に目がない型破りの警察官。実家が大財閥で高級外車を乗りまわす中川圭一(ナカガワケイイチ)など、個性豊かなキャラクターと一緒にドタバタ人情ギャグを繰り広げる。1~201巻。集英社/484円~。
「“想い”が夢を実現するってまさに仕事や人生と同じ」ー 平松さん
スタイリスト 平松正啓さん
車のカッコよさは言わずもがな、改めてイイと思うのは主人公のカウンタックに対する“熱い気持ち”。前の所有者が破格で譲ってくれたのは、彼の想いを込めた手紙が理由でした。言葉にすることで人と繋がり、想いが実現していく、って人生そのものかと(笑)
[CAR]ランボルギーニ/カウンタック
しがない会社員の空山舜(ソラヤマシュン)は、子どもの頃に思い描いた自分になるため、カウンタックLP400の購入を決意する。車を通じて生まれる、さまざまな交流やバトルを経て、最終的に舜がたどり着いた未来とは。全28巻。集英社/576円~。
※表示価格は税込み
[ビギン2024年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。