北欧デザインとは……ずっと使いやすくて、ちょっぴり愛らしいもの
フィンランドの巨匠「アルヴァ・アアルト」のスツールで北欧デザインは満足できる
マリメッコからイノベーターまで一生使える“北欧デザイン大全”[フィンランド編]
国を超えて愛される北欧デザインとは何なのか? そこには使い手の姿を想像した緻密な計算と、人間味のある温かさがありました。これから先も使える、北欧デザイン名作を深掘りします!
スツール以外にも名作ずらり最新情報つき!![アアルト夫妻傑作年表]
[1923年]アルヴァが事務所設立。翌年アイノが入所
アイノ・アアルト(1894-1949)
【アルヴァと共に名作を残した】
夫であるアルヴァ・アアルトと対等な立場で、共に歴史に残る数多くのプロジェクトに携わった優れた建築家にしてデザイナー。
[1924年]アルヴァとアイノが結婚。デザイナーズ夫婦の誕生!!
Designer:アルヴァ
[1932年]「アームチェア 41 パイミオ」発表
アルテックのアームチェア 41 パイミオ
【結核患者の安静を願い呼吸まで考えた!】
こちらでも紹介した、フィンランド・パイミオ市にある結核療養所のために企画されたアームチェア。曲線を描く高弾性な合板を背もたれから座面に採用。当時家具業界に大きな衝撃を与えた。W60×D80×H64/Sh43cm。ブラックラッカー。64万1300円(アルテック)
Designer:アイノ
[1932年]「アイノグラス」発表
イッタラのアイノ・アアルト タンブラー クリア
【輪の美しさと滑りにくさを両立才色兼備な革新グラス】
水面に広がる波紋に着想を得たというボディを飾るリングが印象的なグラス。アイノ・アアルトが残した傑作デザインのひとつで、ミラノ・トリエンナーレ展では金賞を受賞。それでいて重ねて収納できる実用性も兼備。容量220l。ペア。3300円(イッタラ)
Designer:アルヴァ
[1933年]「スツール 60」と「ドロップリーフ テーブル」発表
多くの人に愛されるアアルトの代名詞「L-レッグ」
アルテックのスツール 60
最も有名な3本脚スツール。特徴的なのが座面を支える曲げ木の脚「L-レッグ」。曲げる部分に切れ込みを入れた後、薄い板を差し込んで板を積層。こうして強度を補ってから熱を加えて曲げ木加工を行っている。W38×D38×H44cm。3万5200円(アルテック)
コンパクトな日本のリビングに◎。フォーダブル机が期間限定復刻!
アルテックのドロップリーフ テーブル DL81C
片側に折り込まれた天板を広げれば、即座に座席数が増やせる汎用性の高さで人気だったドロップリーフテーブルが、今年まさかの復刻! 復刻を記念する特別色ツートーンカラー リノリウムも3種類登場。W79/112.5×D75×H72cm。各22万9900円(アルテック)
[1935年]ヴィープリの図書館を設立
アアルト氏を建築業界でも一躍有名にさせた、露・ヴィボルグ市内の図書館。スツール60がずらりと並んでいる。
[1935年]アアルト夫妻と他2人で「アルテック」設立
Designer:アルヴァ
[1936年]「ティートロリー 901」発表。
アルテックのティートロリー 901
【日本の木工技術からインスピレーションを得たとか!】
アアルト夫妻が旅先で出会った英国の紅茶文化と日本の木工技術や建築から着想を得てデザインした可動式ワゴン。上下には丈夫な棚。下部には移動のための車輪が付く。W50×D90×H56cm。ブラックラッカー、ホワイトラミネート。各37万7300円(アルテック)
Designer:アルヴァ
[1937年]「ベース」と「ゴールデンベル」発表
フィンランドの自然を表現した代表作の柔らかい新色
イッタラのアルヴァ・アアルト コレクションベース 160mm サーモンピンク
イッタラ村のガラス工房で熟練の職人が、今も一つ一つ手吹きで制作しているフラワーベース。流麗で有機的なフォルムが目を惹くが、モチーフについては湖の形だ、いや白樺の根元付近の断面の形だと諸説あり。W195(最大幅)×H160mm。3万800円(イッタラ)
真鍮の変化を楽しめる名レストランの代表作
アルテックのペンダント A330S ゴールデンベル
ヘルシンキにあるサヴォイレストランの内装を手掛けたときに考案され、翌年開催されたパリ万博のフィンランドパビリオンで発表されたペンダントライト。柔らかで包み込むような光に癒やされる。W17×D17×H20cm。6万8200円~。2017年に復刻した左のサヴォイは7万4800円(以上、アルテック)
[1969年]フィンランディアホール設計
ヘルシンキにある芸術施設。アアルトが手掛けた市内中心部の作品で唯一実物を見たと言われている。
※表示価格は税込み
[ビギン2024年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。