名作ザクザク!国や地域の施設で活躍する、世界の傑作インテリア5選
【はたらくけっさくインテリアずかん】くに・ちいきのしせつ編
傑作といわれるインテリアのなかには、仕事の現場で使われることこそを本懐とする「働くインテリア」があるんです! 魅力が認められ採用されたモノから、その用途のために生まれたモノまで! 大事にするよりも、ガシガシ使いたくなる!?そんな傑作を集めました。
“アメリカ海軍”と民間企業が共同開発した潜水艦チェア
【Designer】No Data(不明)
エメコのネイビーチェア
軽量で耐久性に優れ「ネイビーチェア」の愛称で知られる「Navy 1006」は、潜水艦や船上で使うために生まれたもの。アメリカ海軍とエメコ社が共同開発したアルミ製のチェアは海水や潮風に高い耐久性が特徴ながら、今ではダイニングの定番に。狭い場所で使うための若干コンパクトな作りは、日本の狭小住宅にも向く!? W39×H86×D50cm。14万5000円(ロイヤルファニチャーコレクション)
“ウルム造形大学”の学生たちのために学長自らが設計!?
ヴェービーフォームのウルムスツール
バウハウス最後の巨匠、マックス・ビルとその助手、ハンス・ギュジョロによって考案されたこのスツールは、サイドテーブルや棚など置く角度で使い方いろいろ。マックス・ビルが学長を務めたウルム造形大学で使うために開発され、学生たちの憩いのスツールとして活躍したそう。クギを使わない組継ぎという技法でつなぎ合わされた角も美しい。W39×H44×D29cm。5万9400円(メトロクス)
Designer
Max Bill(マックス・ビル)
“学校で使う”目的には太~い後ろ脚こそ合理的でした
ヴィトラのスタンダード
昔懐かしい学校のイスとは一線を画す、太い後ろ脚がアイコニックな名作。じつは着席したときに後ろ脚に偏ってしまう荷重にしっかりと耐える合理的デザイン。建築家であるデザイナーらしい、使いやすさや快適さを第一に、それをデザインとして効かせる工夫が凝らされているのだ。もちろんこのチェアは、学校での使用が実際に想定されていた。W42×H82×D49cm。11万6600円(ヴィトラ)
Designer
Jean Prouvé(ジャン・プルーヴェ)
“ドイツ政府機関”で役人の手元を照らし続けてきたんです
フリッツ・ハンセンのカイザー・イデル
25年間バウハウスの金属工房の主任を務めたデザイナーの代表作は、スチールや真鍮といった無機質な素材を使いながら、どこか温かみのある有機的なフォルム。別名「プレジデントランプ」とも呼ばれ、ドイツ官公庁の管理職のデスクに採用されていた実績をもつテーブルランプがあれば、自宅デスクも見た目だけは社長席!?だ。Φ28.5×H42.5cm。13万5080円(フリッツ・ハンセン 東京)
Designer
Christian Dell(クリスチャン・デル)
「デンマーク国鉄」で時を刻んできたその名も“ステーション”
ローゼンダールのステーションクロック
バウハウスの影響を受けたアルネ・ヤコブセンによる壁掛け時計。視認性がとことん追求されたシンプルなデザインが当時画期的で、デンマークの鉄道の駅に設置されると「ステーション」と呼ばれるように。数えきれないほどの別れがあったであろう駅ホームで、いくら目に涙があふれようと、時間だけはしっかり視認できたに違いない(笑)!? Φ21×D6.16cm。4万2900円(フリーデザイン)
Designer
Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)
※表示価格は税込み
[ビギン2024年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。