【モンブランからバカラまで】100年以上愛されてきた名デザインが普遍たるワケ
栄枯盛衰のデザイン史で
“100年”愛されてきた名デザインはこの先もず〜っと愛せる説
名デザインは一朝一夕にして成らず。人の一生より長く、後世に受け継がれてきたモノはそれだけで傑作なのです。優秀なデザインといえばドイツの名門ブランドであるモンブランのマイスターシュテュックは2024年で100周年。その普遍たるワケに迫っていきます。
ちょうど100周年!!
1世紀前より鎮座する不動かつ不老の名峰
Montblanc[モンブラン]
マイスターシュテュック
2024年で100年目を迎える万年筆の王様的存在。その普遍的デザインは、葉巻型のフォルム、キャップ上部のホワイトエンブレム、3つのゴールドリング、ペン先の「4810」の刻印から成る。軸の太さは「149」「ル・グラン」「クラシック」の順に細くなり、それぞれ書き手の相性に合う設計。「149」は15万1800円(モンブランお客様サポート)
・葉巻フォルムとキャップの3連ゴールドリング
・キャップの頂点に鎮座するホワイトエンブレム
・ペン先に刻印されたモンブランの標高「4810」
100年を振り返るマイスターシュテュック史
1906年
【手書き文化を遺すビジョンで創業!】
アメリカ滞在中に見た当時最先端の技術革新をヒントに、起業家、エンジニア、商人の3人を中心に複数人で創業。当時の社名は「SIMPLO FILLER PEN Co.」であった。26年にはレザーグッズ、97年には時計製造もスタートした。写真は創業間もない頃の本社。
1910年
【欧州最高峰を意味するホワイトエンブレム】
職人精神を象徴すべく、欧州最高峰の山をヒントにモンブランと名付けたペンを発表。同時にお馴染みの通称ホワイトエンブレムも登場した。1913年には商標登録され、以後全ての筆記具に使われるようになった。写真は1912年頃の広告ポスター。
1924年
【マイスターシュテュック誕生】
モンブラン山の標高「4180」を印字、1928年に2つのゴールドリングを追加
1935年
【社名変更によるデザインの変化】
大ぶりなクリップデザイン、円筒形のフォルムに2色のペン先
1949年
【普遍的なアイコンの誕生】
流線形の外見へと進化、1952年には真の名作「149」が登場
1960年
【近代的デザインへの寄り道】
ジェットエイジに基づくシャープな形、エッジの効いたゴールドリング
1973年
ジョン・F・ケネディが調印で使ったのもコレ!
【葉巻に回帰&揺るがないデザイン】
クラシック回帰のもと葉巻型へ、現在まで不変の一貫したデザイン
2024年
ジョン・F・ケネディが調印で使ったのもコレ!
【ジ オリジン コレクション プレシャスレジン149】
100周年を祝して原点回帰と銘打った記念すべきコレクション。キャップには誕生当時の「MEISTERSTÜCK」ロゴが、ペン先には100年を示す「1924」「2024」がエングレービングされている。キャップクリップの先は球体の意匠が施され、まさにアニバーサリーにふさわしい豪華な一本だ。19万5800円(モンブランお客様サポート)
100周年を意味する「1924」「2024」の刻印
未来永劫語り継いでいきたい
“100年”デザインCATALOG
100年以上にわたり名作デザインとされてきたモノにはワケがあります。軍用や王室御用達などの傑作の意匠を、これからも語り継ぐべく紹介。
[111年]大戦をサバイブした高保温&高耐久ボトル
STANLEY[スタンレー]
クラシック真空ボトル 0.59L
上空1万2000mから落としても壊れない、弾丸を通さないという数々の伝説を語り継いできたスチール製真空ボトル。そのタフさは大戦中に軍用として重宝されるほどだったとか。さらに保温性にも長け、今や日常生活でも欠かせない一本だ。6380円(ドウシシャ)
[137年]ラギッドな美学を貫いたフィッシングバッグ
Brady[ブレディ]
アリエルトラウト ラージ
ヘビーデューティのアイコンでもあるコチラ。キャンバス&ラバー&キャンバスから成る三層構造のコットンキャンバス生地は、丈夫さゆえバッグとして不動の地位を築いた。経年変化するブライドルレザーもまた魅力。W39×H29×D9cm。6万4900円(ビショップ)
[165年]英国王室に床を踏みしめた極上スリッポン
Tricker’s[トリッカーズ]
Churchill Prince of W シューズ
かつては、アルバート公に由来した「アルバート」というモデルで存在していた英国王室御用達のルームシューズ。現在では、ウィンストン・チャーチルが愛用していたことをきっかけにモデル名を変え、永世定番として君臨する。7万7000円(トリッカーズ青山店)
[180年]後世にわたり魅了し続けた7面フラットカットグラス
Baccarat[バカラ]
アルクール タンブラー
デザインの原点は1841年、フランス国王ルイ・フィリップが注文したグラスが原型。7面フラットカットが施されたそれは、ズシッと手応えを感じるクリスタルならではの重量感で、気分を高揚させてくれる。Φ8.85×H9.7cm。3万3000円(バカラショップ 丸の内)
※表示価格は税込み
[ビギン2024年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。