【度詰めなのにオチ感があるラグジュアリーなTシャツ】紀南莫大小工場×本多染工/ エイジングコットン無限キック【和歌山大莫小】
「柔らかさとキックバックを与える当社独自の樹脂加工を施しました」(本多さん/本多染工)
「度詰めなのにオチ感があるラグジュアリーなTシャツになりました」(武政さん/紀南莫大小工場)
和歌山大莫小ではエイジングコットンという同社のオリジナル生地をテーマに、要素を少しづつチェンジして変奏曲の如く様々なバージョンを生み出す紀南莫大小。マエストロを担う同社デザイナーの武政さんはさらなる高みを目指しタクトをふるってくれました。
柔らかさとキックバックを与える当社独自の樹脂加工
綿でありながらカシミヤのような柔らかさ・しなやかさを持つエイジングコットン。その秘密は2段階仕込みの特殊加工にあります。まずは原綿(アメリカ産の希少な超長綿スーピマコットン)に、繊維が摘み立て時のような状態へ戻る超熟加工を施します。綿がフワフワになると双糸を作り、紀南莫大小で天竺を編み立て。「双糸にすることで肉感ときれいな目面が出るんです」と紀南莫大小の武政さん。「いつもはその生地に本多染工さんでBLCという加工をしてもらってカシミアライクな風合いを出しているんですが、今回はさらにアップデートしたバージョンを作りたいと思って相談させていただきました」
本多染工は東京都葛飾区を拠点とする染色加工整理工場で、紀南莫大小と35年のお付き合いがある盟友です。代表の本多正孝さんが説明を続けます。「『BLC』のBはバイオ。LCは樹脂の名前なんですね。まずはバイオ=酵素でセルロース繊維の表面だけを分解します。それで毛羽が取れツルツルになったら次に『LC』という樹脂で柔らかい風合いを醸します。柔軟剤と異なり洗っても落ちず効果が半永久的に続くのが特徴です」 LCは他の染工場でも使われていますが、通常は樹脂の液に一回しか通せないのだそう。「エマルジョン型シリコンといって、樹脂の粒子が水中で均一に浮遊している、マヨネーズを水っぽくしたような液体なんです。このシリコンは繊維にくっつけるとき、熱を必要としないので生地の風合いを壊さない反面、かき混ぜると水と粒子のバランスが崩れて定着しなくなってしまう。扱いが難しいんですね。それで樹脂の液にじゃぶんと浸けるんですが、それだけだと表面にしか付かない。どうにかして生地に浸透させられないか試行錯誤しまして、ある種の溶媒を使ってエマルジョン状態をキープすることで、シリコンを繊維の奥まで行き渡らせることが可能になりました」
誕生して10年が経った今も、本多染工にしかできないオンリーワンな技術だといいます。今回はこの「BLC」をバージョンアップし、キックバックの良い樹脂を重ねるBLC2という加工が採用されました。「柔らかさを与えるシリコンが内部に入り、その上からさらに反発性を与える樹脂を付けています。編み物のループに乗っかる性質があり、生地にキックバックを与えます」(本多さん)
「天竺にBLC2加工するのは初めてだったんですが、カシミアのような風合いを残し、ストレッチ性が出ていて良いですね。度詰めでしっかりした生地ですが、加工の特徴でオチ感もある。色はオフ白で、エイジングコットンのラグジュアリーな面が引き出せたと思います」(武政さん)
耐久性にも優れ、優しいタッチとキックバックが持続するエイジングコットン無限キック。実物を見ると、迷わず手に取って着たくなる、そんなTシャツに仕上がっています。
クルーネックT、ポケTの二種類販売。その他のタッグTはこちらからチェック!
阪急うめだ本店にてPOP UPも開催、実物を見たい方はぜひお越しください!
開催日時:2024年5月8日(水)~5月21日(火)
開催場所:阪急うめだ本店 8F 紳士服洋品 プロモーションスペース81