BUYING DYEING!! センスがいい人は今、染めを推す[手捺染・泥染・龍染・墨染編]
【コルニエなど】色彩の奥深さに触れる“染物”の魅力を再確認[推し染めアイテム 4選]
白って200色あんねん!と誰かが言ったように、例えば青色にも同じくらいの種類があります。そんな色彩の奥深さや機微に触れられるのが日本伝統の染物。改めてその魅力に惹かれたというファッション通の方々に、推しの染めアイテムを教えてもらいました。
手捺染(てなせん)
“手捺染”推しアイテムを教えてくれる方は…

ユナイト ナイン プレス
大桃祥弘さん
「出西窯のような青のにじみがイケてる」
SOCIETY OF LOCAL ARTS[ソサエティ・オブ・ローカル・アーツ]
ミディアムトート
日本民藝の魅力を広めたいと立ち上げられた同ブランド。このトートも、出西窯の青い器や河井寛次郎の作品がモチーフだ。「カイハラデニムに、何層にも分けて濃度の違うブリーチ材をプリント版で染み込ませている。器を窯の中で焼く時に釉薬が変化してゆくような深みや立体感は、無二の味があります」1万9800円(ユナイト ナイン)
型を作り、何層も抜染プリントを施す京都・久山染工
泥染(どろぞめ)
“泥染”推しアイテムを教えてくれる方、1人目は…

フリーランス PR
工藤 健さん
「ホントにシルク?と疑うような骨太さ」
Cornier[コルニエ]
DOROZOME SILK SHIRTS
目面の美しいブラジル産シルクを100%使用。縦糸2本で織り上げた羽二重シルクのため、非常に柔らかく上品な仕上がり。「にもかかわらず、どことなく骨太さも感じるのは、藍泥染めを施しているから。独特の褐色を帯びていて、モードすぎずカジュアルすぎない絶妙な塩梅が気に入っています」。3万1970円(コルニエ)
“泥染”推しアイテムを教えてくれる方、2人目は…

ベルーリア 代表
山越弘世さん
「MADE IN 奄美を末永く育てたい」
MITTAN[ミッタン]
カディシャツ(泥染)
インドの手織りシャツに施されたのも鹿児島・奄美でしかできない泥染。「タンニンを含むテーチ木の煮出し液で染め、鉄分が豊富な泥田で媒染して生まれた深い茶色に一目惚れ。着込むほど褪色が味わえるし、染め直しも可能ゆえ染め重ねて新たな表情を楽しむのもアリ。末永く育てたいシャツです」3万4100円(ベルーリア)
泥に含まれる鉄分と染料が結びつき濃色が生まれる
籠染(かごぞめ)
“籠染”推しアイテムを教えてくれる方は…

メイデン・カンパニー ディレクター/バイヤー
牧野真也さん
「スパイスになる技ありのニュアンス模様」
FilMelange[フィルメランジェ]
綿ウールソックス・エアスピン天竺籠染めハット
「まだらに浮かぶ鮮やかな染め柄が、シンプルなコーデにエッジを効かせてくれる」。遊び心を思い出させてくれるその染色は、群馬・桐生の工房「桐染」が得意とする籠染によるもの。2つの籠の間に布を挟みバランスよく染めることで、万華鏡のような美しい仕上がりに。ソックス各4950円、ハット1万4300円(フィルメランジェ)
墨染(すみぞめ)
“墨染”推しアイテムを教えてくれる方は…

スタイリスト
コダンさん
「黒でも個性が出せると教えてくれた」
Graphpaper[グラフペーパー]
墨コーディングデニム
アーティスト・新城 大地郎氏にインスパイアを受けながら、黒とは何かを追求した墨コレクション。「インディゴに墨を混ぜた染料により、黒は黒でもどこか柔らかく、それでいて青の深みもある。単一な黒ではないという所に、個性を感じます」。白い裏地を折り返した裾の縁も好アクセント。3万7400円(グラフペーパー 東京)
※表示価格は税込み
[ビギン2024年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。