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Apr-28-2024

BUYING DYEING!! センスがいい人は今、染めを推す[藍染編]

【JACKET(ジャケット)】“藍を纏う”日本の伝統を身に着けたい、その神秘をジャケットに

JACKET+X TOILE AI JACKET

白って200色あんねん!と誰かが言ったように、例えば青色にも同じくらいの種類があります。そんな色彩の奥深さや機微に触れられるのが日本伝統の染物。改めてその魅力に惹かれたというファッション通の方々に、推しの染めアイテムを教えてもらいました。

Profile
MIYAMOTO SPICE 代表 宮本哲明さん

MIYAMOTO SPICE 代表

宮本哲明さん

「藍染]31回の染色が生んだ力強い藍色に惚れました

色に表れる作り手の想い 今こそ本物の藍を纏いたい

藍の神秘にすっかり魅了された一人が宮本さん。自身が手がけるジャケットブランドで残反を使って何かできないかと考えていた時、徳島の藍師・染師の渡邉健太さんと出会ったのが契機だと言います。

「藍染は藍の葉を発酵熟成させた蒅(すくも)を染料に使いますが、蒅を作る藍師と染師は分業が一般的です。でも、藍を美しく力強く表現するには栄養が行き届いた藍の葉が必要。だから渡邉さんは藍の栽培から染料作り、染めまで全てご自身でやる。そんな熱意に惚れました」。

染色→酸化→乾燥を繰り返す工程は非常に手間がかかり、アパレル界隈で目にする藍染も4〜5回が相場。「渡邉さんは藍を始めた当初、“30回染めて初めて藍染” と先輩から常々言われていたそうです。」

「12年経た今、それを上回る31回で染めようと実現したのが“勝色”。限りなく黒に近い藍の深み、力強さは圧巻。戦国時代には侍が戦の願掛けとしてサラシを勝色に染めていた、なんてストーリーもグッときました」 

継承問題などでモノづくり大国日本の叡智が失われつつある現状を危惧する宮本さん。「こんなに美しいものがあるということを正しく知るのが大切。だからこそ今、僕は日本伝統の藍染を身に着けたい。それが次世代へと繋げる第一歩だと思っています。」

JACKET+X TOILE AI JACKET

JACKET +X
TOILE AI JACKET

タキシードの原型・スモーキングジャケットがモチーフで、いつか活用しようと保管していた残反を天然藍で染め上げた一品。体にやさしい天然藍は防臭・防虫効果があり、色落ちもしにくい。受注形式。8万8000円(ブランデット東京)

JACKET+X TOILE AI JACKET
藍色の質を高めるため健やかな藍を育てている

JACKET+X TOILE AI JACKET
染液を絞り、空気に晒すと酸化発色で藍色に変わる

 
※表示価格は税込み


[ビギン2024年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

Begin 2024年5月号

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〇(マル秘)MADE in JAPAN大捜査

定価820円(税込)

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