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Apr-29-2024

【牛乳パックを使った糸】風神莫大小×島精機製作所 / 牛乳パックT【和歌山大莫小】

「紙糸の表面の凸凹を特殊な方法で滑らかにして柔らかさを出しました」(岩崎さん/島精機製作所)
「シャリっとし過ぎず綿とも違う、ちょうど良い雰囲気になりました」(河上さん/風神莫大小)

島精機製作所といえば和歌山が誇る世界的企業です。縫い目のないニット製品がオートマティックに編めるホールガーメント®はユニクロをはじめ、名だたるメゾンブランドにも採用されています。そんな島精機に勤める岩崎さんが、牛乳パック由来のサスティナブルな糸の開発(こちらの記事でも紹介)をスタートしたのは2020年のことでした。

紙糸の表面の凸凹を特殊な方法で滑らかにして柔らかさを出しました

風神莫大小×島精機製作所 / 牛乳パックT
シャリっとし過ぎず、かといって綿とも違う、ちょうど良い雰囲気に

「再生紙で何か作れないかなと思ったのが始まりで、当時、再生紙を使った糸にアパレルで使える細番手のものがなかったんです。それを社内ベンチャーで提案したところ企画が通りまして、再生紙に関して知識がなかったことから、弊社に出入りしている回収業者さんにお話を聞くところから始めて、約1年半で最初の糸が完成しました」(岩崎さん)

島精機が再生紙の糸を作っていると知り、いち早く連絡を取ったのが山口さんでした。山口さんは当時、和歌山大莫小にも参画していた太樹繊維で製品開発を手掛けていました。

「牛乳パックを使った糸というのが面白いし、お会いして、是非やらせてくださいってお願いして再生糸を使ったニット作りがスタートしました。太樹繊維(当時)は小ロットで色んな組織が作れる工場だったので、紙糸がかかりそうな機械で編んでみて、ちょっと硬かったのでもう少し柔らかくしてほしいとか、編み機で使いやすくするにはこうしたらいいとか、島精機と試行錯誤を繰り返していたんですが、2022年に事業を縮小することになってしまって。島精機さんとのプロジェクトも頓挫したんです」(山口さん)

その後、山口さんはニットコーディネーターとして風神莫大小をサポートすることになり、2023年の春、大阪で行われた展示会で岩崎さんと偶然、再会します。

「久しぶりにお会いして、あの後どうですか?と伺ったら、そのままストップしていますということでしたが、以前のノウハウや編み方などを風神莫大小に引き継いで再始動が可能だったんです。早速、風神莫大小の社長に話したところ『もう一度やろう』と二つ返事で。風神莫大小の河上さんにバトンタッチしてリスタートを切りました」(山口さん)

風神莫大小と島精機製作所のタッグT

「僕が引き継いでからも山口さんには参加してもらっていて、現在、牛乳パック再生糸で色んな生地を作る企画が進んでいます。今回のTシャツもその流れで出来ました」(河上さん)

「初めて編んだときと比べて、私も紙屋さん・撚糸屋さんに具体的なイメージを伝えられるようになり、クオリティが向上しました。表面の凸凹を特殊な方法で滑らかにしていて、それが柔らかさにつながっています」(岩崎さん)

「オーソドックスな天竺組織ですが、紙糸ということで、普通よりゲージを落として、紙の糸1本に対し綿糸を2本を交編させました。シャリっとし過ぎず、かといって綿とも違う、ちょうど良い雰囲気に仕上がったと思います」(河上さん)

紙だけでなく人のつながりも再生した「牛乳パックT」。風神莫大小だから作れた一枚です。
クルーネックTポケTの二種類販売。その他のタッグTはこちらからチェック!

阪急うめだ本店にてPOP UPも開催、実物を見たい方はぜひお越しください!

和歌山大莫小 タッグT POP-UP STORE
開催日時:2024年5月8日(水)~5月21日(火)
開催場所:阪急うめだ本店 8F 紳士服洋品 プロモーションスペース81

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