のり増量キャンペーン中!? ポストイット【文房具グルメ・最終回】
日経平均株価がバブル期以来の史上最高値を更新したというニュースがかけめぐったのは、つい先日のこと。しかし、庶民の立場からしてみれば、食品や光熱費など物の値段は上がる一方で好景気の実感はなく、賃上げも自分にとってはまだまだ遠い話……という方も少なくないのではないだろうか。
そんな我々にとってのありがたい味方は、増量キャンペーンだ。いつも買っている商品が「20%増量中!」というパッケージにでもなっていようものなら、ホクホク顔でつい手に取ってしまうこと間違いなしである。
お財布にやさしい容量アップもありがたいが、食品の場合には「味」を増量するパターンもあり、これはお得さよりも面白さによる嬉しさが勝つ。
例えば、亀田製菓の「ハッピーターン」。言わずと知れた、甘じょっぱさがクセになる「例の粉」が売りのお菓子だが、その粉を増量した期間限定商品をときどき出しては人気を博している(つい先日も、「粉250%」の商品を出していた)。数年前には、カルビーが「焼きのり350%増量」のポテトチップスを出していたことも。これも「味増量」の一種といえるだろう。
ところで、のり350%とまではいかないが、ふせんの始祖にして超定番のアイテム、ポスト・イットにもある意味「のり増量」と言えるタイプがあるのをご存知だろうか。それが、粘着力を従来品の約2倍に高めた「ポスト・イット強粘着」シリーズである。
ふせんは貼ったあとでもキレイにはがせるのが最大の良さではあるが、使い方によってはその「はがしやすさ」がアダになることもある。例えば、ふせんをダンボール箱や引き出しに何が入っているかを書いておくラベル代わりに使う場合。ちょっと動かしたり、長期間貼りっぱなしにしたりしているうちに、ヒラヒラとはがれ落ちてどこに何が入っているかわからなくなってしまった!なんて経験はないだろうか。
仕事では、書類や本にメモやマーキングのためにふせんを貼ることもある。何度もページをめくっているうちにいつのまにか落ちてしまって、大事なメモが行方不明になることも。また、伝言メモやこなすべき重要なタスクをパソコンのモニターの横にペタッと貼ったものがはがれてしまえば、仕事上のトラブルにも発展しかねない。
また、会議やブレインストーミングでふせんを使うこともあるだろう。あふれ出るアイデアの勢いのままにふせんを山からはがすと、クルクルとしたクセがついて、ホワイトボードに貼ったときに端からめくれ上がってしまう。それで読みにくくなっては、せっかくの良いアイディアも台無しだ。
このような時に役に立つのが、粘着力が約2倍の「ポスト・イット強粘着」なのである。とにかくしっかりとくっつくので、安心感が段違い。ダンボール箱や引き出しのラベル代わりに使っても全然OKだし、ノートや手帳のインデックスとしてもどんとこいだ。それでいて、はがすときは普通のポスト・イットと同じようにキレイにはがすことができる。
大きさのバリエーションも豊富だ。50 × 15mmの見出しタイプから、何かと登場頻度の高い75 × 25mmサイズ、ブレストなどに便利な75 × 75mmのノートサイズまで、死角なくそろっている。カラーアソートのパッケージには、なんと9通りもの色の組み合わせがあるという充実ぶりだ。便利なだけではなく、好きな色が選べるというのはありがたい。
いつも何気なく使っているポスト・イットではあるが、これを強粘着タイプに置き換えるだけで、ちょっとした贅沢気分を味わえる。「のり増量」のポスト・イット、機会があればぜひ一度ご賞味あれ。
なお、本コラムの連載は今回が最終回となる。約5年の長きに渡ってお読みいただいこと、筆者として大変ありがたい気持ちでいっぱいだ。最後にはなるけれど、これからも皆様の文房具&グルメライフに幸多からんことを!
ポスト・イット強粘着(3M)
ふせん2個パック(75 × 25mm)374円 ほか
https://www.post-it.jp/3M/ja_JP/post-it-jp/
※表示価格は税込み
ヨシムラマリ
ライター/イラストレーター。神奈川県横浜市出身。子供の頃、身近な画材であった紙やペンをきっかけに文房具にハマる。元大手文具メーカー社員。著書に『文房具の解剖図鑑』(エクスナレッジ)。
文房具(グ)ルメとは? 価格やブランド名だけでは価値が計り知れない、味わい深い文房具の数々。フランス料理店でシャンパングラスを傾ける記念日もあれば、無性にカップ麺が食べたくなる日もありますよね? そんな日常と重ねあわせて、文房具に造詣の深い気鋭のイラストレーターが気になるアイテムとの至福のひとときをご紹介!