キャリアの証明に使われた名作照明【名作映画の名プロップ】
映画に登場するキャラクターの人となりを表す小道具として、インテリアは重要な意味をなすもの。とりわけキャリアの証明として広く用いられているのが、照明です。ここでは、名作映画に登場した名作照明にフォーカス。唯一無二の個性を今一度おさらいしましょう。
『007 スペクター』でボンドも愛用した
記念切手にもなった英国を代表する照明
ANGLEPOISE[アングルポイズ]
オリジナル 1227
オリジナルの誕生は1934年。自動車のサスペンション技師が考案したその照明は、バネを筋肉のように作用させることで、光源を自由に動かし、任意の場所に止められる画期的なものだった。2009年には英国を代表するデザインとして切手の絵柄に。MI6のエリートには、やっぱり英国の象徴たるコイツが似合う。シェードΦ141×H19mm、アームW302+W32mm、ベースW150×D150×H200mm。5万7200円(リンインクープ)
自動車サスペンションで培ったスプリング技術をアームに転用!
『赤ちゃんはトップレディがお好き』でキャリアの象徴として使われた
電線不要の機能美が空間を縁取る
Artemide[アルテミデ]
ティチオ テーブルランプ 35
ダイアン・キートン演じる主人公は、大手経営コンサルタント会社に勤める敏腕。仕事に明け暮れる日々だったが、赤ちゃんを相続することになり……というコメディ映画に用いられたのが、ティチオ。重りによってバランスを取る仕組みのその照明は、アームに電流を流す構造で、ベース以降に電線がないのも特徴。洗練のデザインが、エリートの知的な印象を際立たせた。W97×D最大905×H最大1000mm。9万3500円(センプレ)
体操選手のように巧みにバランスを取りながらアームが動く
『アメリカン・サイコ』でウォール街のエリートに選ばれた
伊国生まれの傑作はハリウッドのお約束!?
Artemide[アルテミデ]
トロメオ ミニ テーブルランプ
イタリア人デザイナー、ミケーレ・デ・ルッキと、経済学者であるジャンカルロ・ファッシーナの共作。クールなルックスゆえかエリートを演出する撮影プロップの定番となり、サイコホラーの名作『アメリカン・サイコ』では、ウォール街に勤める殺人鬼のオフィスを彩る照明に用いられた。余談だが、足を机に放り、靴の革底を見せつけるのもエリートお決まりの所作。Φ200×D最大985×H最大985mm。10万1200円(センプレ)
ワイヤーでアームを支える機能美あふれるデザイン
※表示価格は税込み
[ビギン2024年4月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。