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まるで高級海苔!?なノートカバーってナニ?

私は最近、世の中のとある法則に気づいてしまったかもしれない。それは、良いもの、高級なものほど、表面が硬いものに包まれている、ということだ。

例えば、海苔である。スーパーなどで売られている普段使いのものは、プラスチック製のなんてことないジッパー袋に入っているだろう。それがちょっと「良いもの」になると、缶入りになり、さらに紙箱に収められていたりする。贈答用の最高級品ともなれば、紙箱が桐箱へとグレードアップすることになる。高級さと比例して、外装の硬度が上がっていくわけだ。

文房具にも、その法則に当てはまるものがある。それが、ノートである。都会の大きな文房具店に足を運んでみると、下は数百円程度のものから、上は数千円になるものまで、さまざまな価格帯のノートが並んでいる。

ジャンルとしては同じ「ノート」だが、その価格の違いはどこに表れているのか。ページ数が多ければ価格が上がる、という量的な側面もある。それに加えて、やはり硬さだ。価格が高いものほど、表紙が硬い傾向にあると思うのだ。

国産メーカーなどが手がけている、もっとも手頃な価格帯の数百円くらいのノートは、しなやかな板紙の表紙。千円ちょっとくらいの中価格帯になると、しっかりとした厚紙の表紙。数千円以上もする舶来の超高級ノートともなると、貼り表紙のハードカバー、といった具合である。

しかし、そのお手頃価格の国産メーカーの定番ノートと、舶来の超高級ノートで、中の紙の質がそこまで違うのかと問われれば、意外と大きな差はなかったりする。大っぴらには言えないが、国産の定番ノートの紙質の方が、個人的には好きなくらいだ。

中身が超高級ノートにも負けないほど素晴らしいのであれば、それを引き立てる装いに身を包めば、定番ノートだってもっともっと輝けるのではないか? 王室主催の舞踏会とまでは言わなくても、ちょっとしたパーティーくらいには行けるのではないか? そんな思いで私が使っているのが、今回紹介する「ハードタイプノートカバー IDEAL」である。

このノートカバーは、大阪府箕面市にある文房具店「ドケットストア」のオリジナル商品だ。大阪に住んでいなくとも、同店のオンラインショップから購入できる。

いわゆるノートカバーというと、ビニール製であったり、布や革で作られていたりと、どちらかといえば柔らかい素材のものが多いが、これはありそうでなかったカチカチのハードタイプのノートカバーだ。家の近くの文房具店や、コンビニで買ってきた超定番のキャンパスノートであっても、これに入れるだけで舶来の高級ノートのような雰囲気に変身させることができる。

また、ハードカバータイプの高級ノートはページ数もたっぷりあって厚みもしっかりしたものが多いが、こちらのノートカバーは厚さ5mm(ページ数に換算すると約60ページまで)と薄手であることも特徴だ。この「硬くて薄いノート」というのは、ありそうで意外とない。ノートが分厚いと持ち歩くのも大変だが、薄いと軽快だ。軽快でありながら高級感もあるというのは、なかなか新鮮でおもしろい。

ノートカバーなので、中のノートを使い終われば、新しいノートに差し替えて繰り返し使用できる。高級ノートはもったいないという気持ちが先に立って、ついチマチマと使ってしまいがちだが、この方式であれば中のノートは手頃なものなので、気負いなくガンガン使うことができるのだ。

サイズは、B6A5、セミB53種類。私は気に入りすぎて、B6A52種類を持っている。打ち合わせなどでテーブルの上に出したときにも、ちょっとスマートな感じがしていい。表紙が硬いと、テーブルがなくて膝の上で書かなくてはいけない、というときにも便利だ。

最後に、この「ハードタイプノートカバー」を近頃人気が高まっている、ノート型の手帳用のカバーとしてもおすすめしたい。1年間持ち歩く手帳を、しっかり汚れや折れから守ってくれるはずだ。

新しい年の始まり、高級海苔のようにパリッとしたノートカバーで、いつものノートや手帳をワンランクアップさせてみるというのも、心機一転になって良いのではないだろうか。

 

ハードタイプノートカバー IDEAL A5(ドケットストア)

1540

https://docketstore.theshop.jp/items/35869270

※表示価格は税込み

ヨシムラマリ

ヨシムラマリ

ライター/イラストレーター。神奈川県横浜市出身。子供の頃、身近な画材であった紙やペンをきっかけに文房具にハマる。元大手文具メーカー社員。著書に『文房具の解剖図鑑』(エクスナレッジ)。

文房具(グ)ルメとは? 価格やブランド名だけでは価値が計り知れない、味わい深い文房具の数々。フランス料理店でシャンパングラスを傾ける記念日もあれば、無性にカップ麺が食べたくなる日もありますよね? そんな日常と重ねあわせて、文房具に造詣の深い気鋭のイラストレーターが気になるアイテムとの至福のひとときをご紹介!

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