マウンパとコートの隙間を狙った“勝利の限界点”
モダナイズが巧みすぎる軍師に訊いた[ジャパンミリタリーの最前線]
昔カタギのミリタリーをそのまま令和で着こなすのはチと不似合い。巧みなアレンジ力で今にアジャストしたジャパミリこそ着る価値あり! ってことでデザイナーという名の軍師たちに、古さを取っ払うための計略をお聞きしました。
デザイナーという名の軍師に訊きました

コロナ デザイナー
西 秀昭さん
ミリタリー&ワークに軸足を置く人気ブランド、ポストオーバーオールズを立ち上げたのち、2006年にコロナをスタート。業界屈指のヴィンテージ通としても名高い御仁。
[corona]シルエットの攻略
70年代にマーモットが開発したオール・ウェザー・パーカや、80年代に米軍が採用したECWCSのゴアテックスパーカ。英国海軍のフォールウェザージャケットや、米軍のM-51パーカ。
そうした“山”と“軍”、双方の名作をミックスし、価値あるアウターの最大公約数へと着地させる嗅覚は、さながら勝利の限界点を唱えたクラウゼヴィッツばり!
「マウンパより重厚で、ミリタリーコートよりライトなデイリーアウターとなるようギリギリのシルエットやサイズを狙いました。また表地には薄くて軽い防風透湿素材“epic”を、中わたには断熱性に優れる“3Mシンサレート”を採用。実用性も高めた一方、脇ベンチレーションの補強テープなど、通好みの意匠も踏襲しています」。
マウンパとミリタリーコート。まさにその中間を限界まで攻めた、スマートな一着なのです。
CORONA[コロナ]
G-1 パーカコート
気軽にデイリーユースできるよう、ライナーなしでも防寒性に優れ、トップスを重ね着して調整できるフィット感を実現。表地の“epic”は、超薄軽ながらリップストップ構造なので耐久性もピカイチ。11万8800円(莫)
ハイテク素材を駆使し軽さも追求!
1800年代 カール・フォン・クラウゼヴィッツが唱えた
“勝利の限界点”
今はなきプロイセン王国の軍人、カール・フォン・クラウゼヴィッツが19世紀に執筆した「戦争論」で提唱。勝つためには、戦果が最大の効果となる時点を見極めることが大事と唱えた。
※表示価格は税込み
[ビギン2024年1月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。