いつものデニムにモンゴメリーの“薄軽ダッフル”でいつもを脱する
絶対に失敗したくない「価値あるアウター」
「価値あるアウター」てなによ? それはズバリ「自分の趣味趣向」に合っていて“使えるじゃん”と心の底から思える一着のこと。 手持ちの服に一点投入。即、アップデートしたい!なら……
着こなしの主演賞に薄軽ダッフルを激推し!
コーディネートを映画になぞらえるなら、アウターはさしずめ主演俳優でしょう。脇役や脚本がアカデミー級でなくとも、主役が魅力的ならその映画は十分に面白い。すなわち、いいアウターを一着羽織るだけで着こなしは激変します。
来る2024年、ビギンが注目している主演俳優候補がダッフルコートです。ハイテク素材隆盛の反動からか、お洒落な人ほどクラシックな着こなしに傾倒する昨今。
英国クラシックアウターの名品として、トグルやフード、ショルダーの補強といった意匠で着飾り感の強いダッフルの、言わば個性派クラシックたるチャームと安心感に妙に惹かれるんですよね。
一方、ハイテク素材の楽さを知った身としては、ゴワッと重厚な往年のダッフルの着心地は少々ツラい。そんな我儘目線で探したところ、「着たい」に応える名優・薄軽ダッフルが巷で台頭し始めていたんです。
柔らか~な2重織りパイルメルトンをまとった、このモンゴメリーの一着がその急先鋒。1890年に英海軍によって選ばれた最古のダッフルメーカーでありながら、抜群にしなやかで、羽織れば表情豊かなドレープに魅了されます。
のっぺりした厚メルトンだと大根演技の学生ぽさが漂いますが(笑)、
本作はサイジングの巧みさも相まって、大人の余裕を感じるリラックスした演技で魅せるんです。
老若男女にウケる好印象を備えつつ、服好きとしては、光を受けると「’90年代のストリートを席捲したオレンジダッフルのような色合い!?」という点も琴線をくすぐられる要素(気になる人はググってみてね)。けだし名優。いつものベーシック服の上に羽織るだけで、抜群に映えること請け合いです!
この“脱力クラシック”こそ我らの「冬着たい!」じゃないか
「ダッフルコートといえば“極厚メルトン”で鎧のごとく重いですが……」
「え、ダッフルなのに激柔&激軽〜!?」
MONTGOMERY[モンゴメリー]
ケニントン
ダッフルコートが代名詞だったモンゴメリー英軍将の故郷「ケニントン」が由来の定番モデル。オーセンティックなダッフルをオーバーサイズに落とし込んでいる。光を帯びると少しオレンジライクにも見えるが、正式な色みとしてはミディアムブラウン。7万4800円。(スティーブン アラン フタコタマガワ)
ダッフルなのに“とんでもないドレープ”(笑)
この重厚な見た目で着心地はすっごい楽♪
スティーブンアランのニット1万9800円(スティーブン アラン シンジュク)セラー ドアーのパンツ4万4550円(アントリム)クラークス オリジナルズの靴2万5300円(ビーミング ライフストア by ビームス ららぽーとTOKYO-BAY店)眼鏡はスタイリスト私物
激柔&激軽のヒミツは“2重織りパイルメルトン”
細くしなやかな2重織のパイルメルトンを採用。薄軽と表現したもののアウターとしての肉感はキープされ、他方で軽さとしなやかさは特筆レベル。独特のドレープもこの生地ゆえで、ビッグなシルエットとの相性は抜群だ。
シンプルに華を添えるトグル意匠も“今こそ”イイ
ミニマルなスタイリッシュさよりも、クラシックな飾り気に惹かれる服好きが増えている昨今。水牛の角を用いたトグルに本革の留め部材など、コクのあるディテールの数々がクラシックに装うことの豊かさを存分に体現!
※表示価格は税込み
[ビギン2024年1月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。