“通しか知らない”をサクッと学ぶ[10minutes ヴィンテージ]
「グラフィックで発揮する名デザイン事務所の“着るアート”」
イームズ オフィスのヴィンテージTシャツ
TEACHER:フィート アップステアーズ 店長 吉成江里さん
実は昨今ヴィンテージ界では空前のTシャツブームが到来中。ロック色の強いバンドTから、著名な写真家の作品をプリントしたフォトTまで、一撃でセンスを喧伝できるヴィンテージTの争奪戦が激化してるんです。
「そのなかでも、より通からの指名買い率が高いのが、欧米企業もののTシャツ。どうやら80年代後半から90年代にかけて、自社プロモーションの一環としてTシャツを利用する企業が多かったようです」。
多様なジャンルの企業Tが存在するなかでも、とくに秀逸なデザインが多いのが、インテリアや建築関係の企業Tだそう。
「なかでもかの"イームズ オフィス"のアートワークがプリントされたTシャツは、別格の人気。脱平凡なTシャツを探す服好きが、ピンポイントで狙いを定めている印象です。やっぱりどれも洒脱で、"着るアート"とも言えるほどオーラがある。流通量も限られているので、わかっている人にだけわかってもらえる希少性も魅力ですね」
[目利きPOINT]
背中でも見せるイームズロゴ
イームズ オフィスの
ヴィンテージTシャツ
イームズがデザインした名作チェアの設計図をプリント。完成した作品のみならず、その設計図すら絵になってしまうデザインワークは、さすが名門。背面にさりげなくロゴをレイアウトするあたりも、センスを感じられる。1万890円(フィート アップステアーズ)
プリントデザインは多種多様!


幅広いジャンルの作品を送り出してきた名門だけあって、Tシャツに用いられるアートワークのキャラも多彩。ドットで表現した名チェアや、70年の大阪万博用にデザインされたカードの写真等、どれもアート濃度は特濃。各1万4190円(フィート アップステアーズ)

フィート アップステアーズ 店長
吉成江里さん
名古屋の名店〝フィート〞が、よりヴィンテージ色の濃いアイテムを提案すべく2019年にオープン。その長は古着にも家具にも精通。
※表示価格は税込み
[ビギン2023年7月号の記事を再構成]写真/上野 敦(プルミエジュアン) 文/黒澤正人