特集・連載
”通しか知らない”をサクッと学ぶ[10minutes ヴィンテージ]
「ミリタリー由来でもシャープなフォルムでドレスの薫りが漂います」
10minutes VINTAGE ヴィンテージ=難しい? ノンノンノン♪ 通しか知らない名品も、目印を頼ればビギナーでも簡単に発掘できちゃうんです。その道のプロが、目指すべきターゲットと、その判別テクをサクッとレクチャー。10分後はあなたもヴィンテージ通! この記事は特集・連載「10minutes VINTAGE」#32です。
バリー製のフレンチサービスシューズ
TEACHER:シービーズ スタッフ 神谷弘樹さん
サービスシューズといえば、やっぱり米軍ものが有名。ですが、よくよく考えてみれば各国に軍隊があるわけで、同じような用途で作られた軍靴は世界中に存在しています。そんななか昨今ヴィンテージ市場で米軍ものに匹敵する人気を誇るのが、このフランス軍のサービスシューズ。
これがまたお国柄が反映されてか、まぁ洒脱だこと! 神谷さん曰く、「まず全体的に細身だし、トウも米軍ものがポッテリと丸みを帯びてるのに対して、ほんのりポインテッドトウぎみ。背広を着たら通勤できちゃうくらいドレッシーなのに、正真正銘の軍もの、というギャップが支持されているのかもしれません」。
さらに物欲を刺激されるのがサプライヤーの豪華さ! 「複数の企業が製造委託されているなか、スイスの名門・バリーも名を連ねてるんです。あのバリーが作った軍靴! という背景だけでも、惹かれる人は多いはずです」。それほど古くない’90年代製にもかかわらず、すでに流通数が減りつつあるのでお早めに!
バリー製のフレンチサービスシューズ
’90年代にかのバリーが製造を請け負った、フランス軍のサービスシューズ。外羽根のプレーントウ、という基本仕様は王道の米国ものと同様だが、顔つきはこっちのほうが断然ドレッシー。ラバーソールとのW効果でヘビロテ力も高し! 1万7600円(シービーズ)
意匠やサプライヤーが違うモデルも!!
同じ製品のはずが、なぜか仕様が異なる個体が混在しているのは、もはやミリタリーギアあるある。フランス軍靴も当然その例に漏れず。
仏の実力派マルボー社をはじめ、バリー以外にも腕利きのサプライヤーが名を連ねている。さらに仕様の異なる個体が混在しているのも、好みの一足を掘り当てたくなるマインドを掻き立てられる。1万3200円(シービーズ)
名だたる名門のOEMを請けてきたマルボー社
なぜか3アイレットと4アイレットが混在
シービーズ スタッフ
神谷弘樹さん
ユーロミリタリーに特化した関西の名店。ヴィンテージ市場でもなかなかお目にかかれないマイナーな国のものまで、幅広~く精通。
※表示価格は税込み
[ビギン2021年11月号の記事を再構成]写真/上野 敦(プルミエジュアン) 文/黒澤正人