特集・連載
復活のブッテロに見る“レトロハイク研究”
新しい靴と鞄100選 キャッシュレスが浸透して手荷物が減ったり、働き方や時間の使い方が柔軟になったり……。人に会うことも増えたし、「それいいね~!」って言われたいじゃん? 一点投入するだけで一気に気分がアガる、靴とカバンが欲しくなってるんじゃない? この記事は特集・連載「新しい靴と鞄100選」#12です。
復活のブッテロが、新たな高みに登らせてくれる
「やっぱり細パン派の大人に捧ぐ「レトロハイク」」で「細パンに好相性」とプッシュしたレトロハイクシューズ。ややもすると幼く見えてしまう太パン姿に一石を投じる、次なる一歩としてのご提案でしたが、よりドレスに使えそうな大人顔のレトロハイクを発見!
ブッテロと聞いて記憶がフラッシュバックする人もいるでしょう。ここ数年、日本では入手できなかったあの伊ブーツの名手がめでたく再上陸を果たしたんです。一見ではラギッドなアウトドアブーツゆえ軍パンを合わせたくなりますが、ちょっと待った。
持ち前の上質なレザーと丁寧な縫製ゆえ、イタリアンな色気は健在、どころかむしろ、新たな高みへ。そのため例えばスラックスに合わせても高偏差値を叩き出す、ドレスハイクの趣きなんです! そういえば、登山靴×ドレスラの合わせ技もブッテロ全盛時に流行りましたっけ。
手持ちのカジュアル服にコレを履くだけで品が出せるし、キレイめのコーディネートにもバシッとハマる。おまけにハイク由来の安定感と歩行性でガンガン歩けちゃう。だから声を大にして、ウェルカムバック、ブッテロ!!
タウンで使えるキレイさと歩行を支える機能美が両立
BUTTERO[ブッテロ]
ALPI
2005年前後の細パン全盛時にブームを起こしたブッテロは、Beginでも紹介の度に大反響。メゾンブランドのOEMも手掛ける同社は手作業を重視するトスカーナ流の製靴を貫き、レザーの表情豊かなカジュアルブーツが得意。
本作ALPIも然りで、屈曲性の高いステッチダウン製法とEVAミッドソールとを組み合わせ、モード感と現代的な歩行性を両立させた一足だ。11万8800円(ブッテロ)
メゾンブランドのOEMを手掛けるブッテロだからアウトドア由来のブーツにも上質な技が光る
上質なシュリンクレザーは、クロム鞣しの革を使用。細かシボ感と奥行のある渋艶が高級感を醸し、ドレスパンツもこなす所以。
コバがせり出したボリューム感のある製靴だが、イデアル製法(ステッチダウン製法)なので見た目以上に軽く、実は靴の返りも上々。
履き口やシュータンにはパッド入り。伝統的なヨーロピアンマウンテンブーツに散見される、快適さとフィット感を高めるディテール。
ラバートレッドソールも登山靴でよく見られるロックパターンを採用。ブーツにボリュームをもたらし、何なら脚長効果も!
イタリアの意匠が入ればハイクシューズもこんなにドレス
ビナインのポロシャツ4万9500円(エヌエスナイン) チルコロ 1901のカットソー2万900円(トヨダトレーディング プレスルーム) バーンストーマーのパンツ2万8600円(HEMT PR) E5 アイヴァンの眼鏡4万9500円(アイヴァン PR)
手持ちのカジュアルコーデもぐんっと格上げ!
キクスドキュメント.のカーディガン2万9700円(HEMT PR) ブリングのカットソー8980円(ブリング エビス) ビームス プラスのパンツ1万9800円、同帽子9350円(ビームス プラス 原宿)
ブッテロといえばジップブーツも◎
らしさ全開、スタイリッシュロングノーズ
BUTTERO[ブッテロ]
FROYD
洗練されたアーモンドトウが持ち味のサイドジップブーツ。往年のブッテロらしさは残しつつ、加工などを控えてよりドレス顔に仕上がってる。スマートさが際立つイタリア伝統のマッケイ製法。10月発売予定。9万200円(ブッテロ)
同じモデルで、上記のマウンテンブーツと同じカーフシュリンクレザーアッパーのモデルも展開する。9万5700円(ブッテロ)
ツヤ感あるスラックスにはジップスエードブーツが新鮮
チンクワンタのベスト17万9300円(チンクワンタ) ラ ファム ドゥ キャビン バイ ジョナサン ハラムのTシャツ3万800円(インターナショナルギャラリー ビームス) バーンストーマーのパンツ2万9700円(HEMT PR) アンユースレスの帽子5500円(アンユースレス/イエリデザイン) ベルトはスタイリスト私物
トスカーナの伝統的靴作りに則って、持ち前の「らしさ」と新たな「らしさ」が融合!
トスカーナで鞣されたスエードを採用。ベルベットのようにキメ細やかな黒は、イタリアらしい豊かな“NERO”(伊語で黒の意)だ。
シャープに見える幅でありつつ、足入れをすると窮屈さを感じさせない絶妙な履き心地のブッテロらしいラストは、長年の知見の賜物。
※表示価格は税込み
[ビギン2023年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。