特集・連載
“通しか知らない”をサクッと学ぶ[10minutes ヴィンテージ]
「ミリタリーとアウトドア、双方に軸足を置くゴアは超絶レアです」
10minutes VINTAGE ヴィンテージ=難しい? ノンノンノン♪ 通しか知らない名品も、目印を頼ればビギナーでも簡単に発掘できちゃうんです。その道のプロが、目指すべきターゲットと、その判別テクをサクッとレクチャー。10分後はあなたもヴィンテージ通! この記事は特集・連載「10minutes VINTAGE」#22です。
ECWCS〈エクワックス〉のゴアテックス パーカ
TEACHER:WAIPER(ワイパー)PR 鈴木優一朗さん
ミリタリーとアウトドアは、服好きにとって言わば寿司と焼肉。じゃあもしこの2トップが融合したら……な〜んて考えるだけでムフフですが、実はあるんですよ……ヴィンテージ市場には、そんな夢の合作が!
それがECWCS(エクワックス)のゴアテックスパーカ。まずエクワックスというのは、“Extended Cold Weather Clothing System”の略称で、要は米軍が取り入れている寒冷地対応の重ね着システムのこと。で、このシステム内にはベースレイヤーや中綿ジャケットをはじめ、幅広いギアが組み込まれてるんですが、その中のシェルジャケットにはアウトドア由来のゴアテックスが採用されてるんです。
「1986年頃から米軍で採用され始めたと言われ、現在では第3世代まで改良されている超名品。最もアイコニックな第1世代、通称“ジェネワン”のゴアパは、’70年代後半から’80年代初頭にかの名門マーモットがリリースしたシェルが元ネタになっているという逸話があるんです。」
「実際に当時のマーモットのシェルと比べても見た目はほぼ完コピ(笑)。アウトドアの遺伝子を色濃く反映したミリタリーギアとして、20年近く人気が絶えない永世定番なので、語れる背景に惹かれる服好きにこそすすめたいですね」
ECWCSのGEN1 ゴアテックス パーカ
ミリタリー好きの間では“ゴアパ”の愛称でも親しまれている、ヴィンテージ界のド定番アウター。マーモットの傑作レインシェルを、まんまトレースしたかのようなベーシックデザインに、お馴染みのウッドランドカモのゴア生地がのっかり、洒落感と雄度と実用性が見事にミックスされた。3万4800円(ワイパー)
正式名はコールドウェザーパーカ
内側にはシームテープとゴアのロゴも
ゴアテックス パーカの兄弟も知っておこう!
左/GEN3 右/GEN2
“ジェネワン”の実用性が認められてか、マイナーチェンジを加えながら代替わりして、今なお継続展開されてるゴアパ。ここではその違いをサラッとオサライ。
’06〜’10年頃まで採用されてた通称ジェネツー
《GEN2》
ジェネワンのアイコンだった斜めのフラップポケットが、長方形の多層ポケットに改良された。こちらはジェネツーで最も著名なユニバーサルカモ柄版。3万7800円(ワイパー)
’00年代後半から現在まで使われる通称ジェネスリー
《GEN3》
デザインが一新。両裾のポケットが廃され、貫通式のチェストポケットに。袖付けもラグランからセットインに変更。こちらはスコーピオンカモ柄版。3万8000円(ワイパー)
U.S.ネイビーのゴアテックス パーカも!?
実は陸軍だけじゃなく海軍仕様のゴアパもあり! ブルーベースのデジタルカモは、より洒落っ気むんむん♡ ちなみにこちらはジェネツーがベース。3万2800円(ワイパー)
隠れミッ○ーばりにUSNロゴがチラリ
WAIPER(ワイパー)PR
鈴木優一朗さん
ミリタリーに特化した福岡の名店の敏腕広報。YouTubeで古着の深イイ知識等が聞けるチャンネルを開設しているので、是非。
[ビギン2021年1月号の記事を再構成]写真/上野 敦(プルミエジュアン)文/黒澤正人