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まだ“アーバンアウトドア”なんて言葉自体が存在していなかった2003年、ザ・ノース・フェイス パープルレーベルは誕生しました。それから“都会で機能するアウトドアウェア”を追求&提唱し続けること早20年。さまざまなフィールドをシームレスに往来するこの“アーバンアウトドア”という概念は、同ブランドに導かれる形で、いまやファッションの一大ジャンルとして浸透するに至りました。

そして今季このアーバンアウトドアの旗手は、さらなる飛躍を求めてレベルアップ! 一体どこがどう進化しているのか。舵取りを担うMDの遠藤さんに、看板アイテムのマウンパを教科書代わりとしてレクチャーしていただきました。

65/35 マウンテン パーカ/ザ・ノース・フェイスが70年代に開発した伝統素材、“65/35ベイヘッドクロス”を使用した代名詞的アイテム。今季は1976年にリリースされたマウンパをベースに、シルエット&ディテールを徹底ブラッシュアップ。その全貌は下をチェック! 全4色展開。各4万9500円。

「ブランド誕生から20年近く経ったことももちろんですが、コロナ禍によって変化した時代の流れにアジャストする必要性を感じたことも、レベルアップを図り、ほぼすべての商品を見直すきっかけになりました。ただやっぱり“都市で機能するアウトドアウェア”という、物作りの根幹までは変えたくない。それならパープルレーベルがこれまでの“ザ・ノース・フェイスの街版”というポジションのまま21年目を迎えるのではなく、“ライフスタイルそのものから提案できるブランド”へと、方向性自体をシフトしていこうと思ったんです」(遠藤さん)

その決意が向かった矛先は、ブランドの顔でもあるマウンパの進化を見れば明らか。

「単に“かっこいい”だけではなく、以前にも増して都市生活でも自然を楽しめるような、言わば“着用するシーンまで連想できる”ような製品へと進化する必要がありました。それには生地もギミックもシルエットも、全方位での見直しが必須。クラシカルなマウンパだけにパッと見は前シーズンまでと違いがわからないかもしれませんが、よりハイエンドな作りにバージョンアップしています」(遠藤さん)

ということで、ここからは実際にこれまでのマウンパと今季のマウンパがどう変わったのか、各ディテールをチェックすれば、新生パープルレーベルの本気度がビンビン伝わるはず!

上の比較表を見れば違いは瞭然。特に注目すべきは、やっぱりアイコンとも言える“65/35 ベイヘッドクロス”まで改革されてるってとこ!

「ポリエステル65%×コットン35%という、生地の組成自体は変えていません。ただ原料そのものをリサイクルポリエステル65%×オーガニックコットン35%に変更しました。実は環境に配慮した素材へのシフトは、数シーズン前からトライアルしていたんです。ただそうすると、どうしても納得のいくクオリティに仕上がらなかった。環境に配慮しつつ、持ち前のヘビーデューティーな風合いを継承するためには、糸の調達段階から注力しなければなりませんでした。加えてはっ水加工もフッ素を使用した方法をやめ、フッ素未使用のはっ水加工へと変更しました。素材のアップデートやさまざまな外的要因でコストは上がっていますが、このマウンパはブランドの基軸。買い替えず長く使ってもらう物だからこそ、耐用年数を高めることが最優先。安価な物を大量に作るのでなく、長年寄り添える物を。今季のマウンパはその方向性を端的に示す自信作ですね」(遠藤さん)

実用性の底上げを狙って、生地以外にもさまざまな角度でブラッシュアップしているのは上の通り。従来のマウンパは通常タイプとビッグシルエットタイプの2種類存在していましたが、今季生まれ変わった新生マウンパは、そのちょうど中間をいく、適度にユルいサイズ感に。数々の便利が潜んでいて、多様なフィールドでギアとして活躍してくれるけれど、あくまでファッションとして普段使いしやすいように仕立てる。そんなザ・ノース・フェイス パープルレーベルの行く先を明示する渾新作は、レベルの違うマウンパを体感したい服好き諸氏にぜひ。

都市で生活しながら、身近に潜む自然にも違和感なく馴染んでくれる。そんなアーバンアウトドアウェアの完成度をより高めるため、新生マウンパにはさまざまなギミックが盛り込まれています。緑豊かな公園に脚を伸ばして、その進化と真価をひも解きます。

ザ・ノース・フェイス パープルレーベルのフィールドフーディ2万7500円、同7オンス ポケットTシャツ8800円、同デニム ワイド テーパード パンツ2万6400円、同チノ フィールド キャップ9680円。シューズはスタイリスト私物。

不意に街の喧騒から離れたくなったときは、緑豊かな公園へ。ただ気持ちは一新しても、マウンパさえ羽織ってしまえば普段とコーディネートを変える必要はなし。生まれ変わった“65/35 ベイヘッドクロス”が、以前より深い色出しにアレンジされているのも、フィールドへの馴染みを考えるとプラスに作用するはず。

見た目を変えずに収納力を底増しするため、右胸ポケットの脇には、前立てに隠れるかたちでセキュリティポケットが増築されています。例えば鮮やかな自然を記録するため、カメラを持ち歩くとき。カバンを持たず、手をフリーにしたままカギやスマホを持ち歩きたいとき。こうした痒いところに手の届く多彩なポケットワークが利いてくるんですよね。

自然を散策するときは、できるだけストレスなく動き回りたいもの。裾に配されたドローコードをギュッと絞れば、裾がズリ落ちず、運動性がアップするし、見た目もどことなくクラシカルに。 “いつもの服”だったのに、特別な時間や場所にも寄り添ってくれるなんて、嬉しいじゃありませんか。

生活の基盤はやっぱり街。それでもマウンパが活きる理由は、純粋に便利だから。でも本来山由来のマウンパが、どうして都市生活でもその利が変わらないのか。そこにはやっぱりザ・ノース・フェイス パープルレーベルのギミック術が潜んでいました。

ザ・ノース・フェイス パープルレーベルのボタンダウン ストライプ フィールドシャツ2万5300円、同7オンス ポケット Tシャツ8800円、同デニム ワイド テーパード フィールド パンツ2万6400円。オールデンのVチップシューズ13万900円(ラコタ)。

“いかにも化繊”なギラつきがないのも、“65/35 ベイヘッドクロス”が街でも活きる理由のひとつ。それは深みのある色出しも同様。この街馴染みのいい色は、その名も“アスファルトグレー”。合わせるのはモノトーンのシャツ&デニムに、オールデンのVチップ。要は小難しいレイヤード術なんて駆使せず、いつものベーシックを合わせれば都会的なスタイルが完成します。胸ポケに新たにグラスホルダーを設けているのも、都市と自然を隔てなく往来してほしいというメッセージに。

裾ではなくウエストのドローコードを絞ることで表情にメリハリを。ドローコードの使い方ひとつで“自然を楽しむためのギミック”が、“街中で装うためのギミック”にもなるんです。

今季レベルアップを遂げたのはマウンパだけにあらず。ザ・ノース・フェイス パープルレーベルの、ほぼすべてのアイテムが一新されています。ここではマウンパと並ぶ定番アウターの成長ぶりもチェックしておきましょう。

65/35 シェラ ベスト/表地に“ミッドウェイト65/35 ベイヘッドクロス”を、中わたに“光電子ダウン”を採用(どちらも詳細は下記参照)。4万7300円。65/35 ショート シェラ ベスト/同仕様のショート丈版は、レイヤリングしやすい広めのアームホールが特徴。3万9600円。

ザ・ノース・フェイスが80年代に展開していた名作“シェラベスト”をベースに、要所をモダナイズした今作。表地はマウンパと同様“6535 ベイヘッドクロス”ですが、今作はそれより軽量なものを使用することで、軽快な着心地を担保しています。他にもフーディとのレイヤードを考慮して、衿の高さをあえて低めに設定していたり、胸ポケにグラスホルダーを追加したりと、微差こそ大差な進化が随所に。マウンパ同様、更なるレベルアップを図る同ブランドの本気度がうかがえる力作として、定番好きならチェックしておきましょ。

問い合わせ先/ナナミカ マウンテンtel03-6416-3012 Instagram
写真/竹内一将 スタイリング/近藤有倫 文/黒澤正人 ヘアメイク/鈴木竜也 編集/増井友則(Begin NEWS)

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