COOL Begin
    string(38) "https://www.e-begin.jp/article/404234/"
int(1)
int(1)
  

ミリタリーウォッチA─11

ミリタリーウォッチA-11
TEACHER:キュリオスキュリオ 代表 萩原秀樹さん

数あるヴィンテージ品のなかでも、ダントツで奥行きが深いのが腕時計。世界中にコレクターが存在する人気ジャンルだけに、通も認めるような名品は、えてして相場が高い!

専門知識も必要になりそうだし、興味がありつつも敷居が高そう(怖)と、今一歩踏み出せなかった人も多いでしょう。が、「10万円前後のリアルプライスでも、服好きに響くような名品は存在してるんです! 」と、萩原さん。

「代表的なのはこのA-11。これは1940〜’45年頃まで米国陸軍航空隊に支給されていた、ガチのミルスペックウォッチ。ハミルトンやエルジン、ブローバ、ウォルサムといった、米国を代表する名門時計メーカーが主なサプライヤーとして名を連ねていた、名品中の名品なんです。」

「その背景だけでも男心くすぐられるんですが、やっぱり最大の魅力は、このミリタリー色特濃の顔つき。黒文字盤に大きめの針とアラビアンインデックスを備えた、視認性をとことん追求したデザインは超ベーシックで、今見てもまったく古さを感じません。」

「第二次大戦中に比較的多く製造されている分、汎用性とロマンの高さに比して、価格が控えめというのも人気の理由ですね」。限られた予算で、見た目も背景も両得したいモノ好きはぜひ!

エルジン社製 タイプA─11

エルジン社製 タイプA-11

1945年に支給された、エルジン社製。雄度が高いのに、径約31ミリという小ぶりなサイズ感のおかげで、大人の品もムンムン。こちらは極めて珍しい24時間表示タイプのため、少々値が張るものの、ベーシックな12時間表示のタイプなら、状態次第では8万円前後でも購入できる。13万6364円(キュリオスキュリオ)

裏蓋には米国軍用品の証であるコントラクトナンバー等の刻印も

エルジン社製 タイプA─11

[雄度が高いのは、ミリタリーを出自としているから! 買い説]

エルジン社製 タイプA─11

①コントラストをくっきりさせるブラック文字盤
②グローブを着けたままでも操作しやすい大型リューズ
③もっともベーシックなのは12時間表示のアラビアンインデックス
④滑りにくい=操作しやすいコインエッジベゼル

細かな仕様は年代によっても微妙に異なるものの、基本仕様は上記の通り。どれもミリタリー由来の意匠だが、それが時代を超えて愛されるベーシック顔の礎になってたってわけ。作戦を遂行する際に、仲間と時刻合わせしやすいよう、リューズ操作で秒針を止められる“ハック機能”を備えているってのも、ロマンを感じます。参考商品。

ホワイト文字盤
初期には幻と謳われるホワイト文字盤もあり

[最初のモデルは名門、ロンジン社製だった!?]

最初のモデル

実は最初期の1940年製A-11の中には、スイスの名門ロンジン社が製作したレアものも! まだハック機能は備えられておらず、ベゼル操作で仲間と時刻合わせする仕様だと思われる。もしかしたらこれを元ネタに、自国のメーカーにA-11を作らせたのかも。参考商品。

萩原秀樹さん

キュリオスキュリオ 代表
萩原秀樹さん

軍用時計好きが高じて、ミリタリーに特化したヴィンテージウォッチ店を2010年にオープン。膨大な資料も所有し、知識も業界随一!

 


[ビギン2020年10月号の記事を再構成]写真/上野 敦(プルミエジュアン) 文/黒澤正人

特集・連載「10minutes VINTAGE」の最新記事

「見た目よし! ロマンよし! コスパよし! 三拍子揃ったヴィンテージウォッチはそうそうない」

Begin Recommend

facebook facebook WEAR_ロゴ