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アジャスター付きのベイカーパンツ

アジャスター付きのベイカーパンツ
TEACHER:コジーヴィンテージ スタッフ 水口亮二郎さん

べイカーはチノやカーゴと並ぶ、軍パン界の永世定番。パン職人が作業時に穿いていたパンツとデザインが酷似していたことから、この愛称で呼ばれるようになったそうですが、正式名は「OG-107 コットンサテン ユーティリティ トラウザーズ」(長っ!)といいます。

クセがなくてどんなテイストにもハマるから、今やすっかりファッションの市民権を得ていますが、実はプレーンに見えて、通が“わかってる”の目印にしているディテールが。

「それがウエストの両サイドに備えられているアジャスターです。ベイカーは1950年代に登場したとされてますが、1960年代中頃に入ると省略されてしまうことに。短期間のみ存在していた、希少性の高い意匠なんです」。

そのウマみは、「正直実用性は低いと思うんですが(苦笑)、ここにアジャスターのタブと茶色のボタンが備わってると、やっぱり雄度が断然濃い! 現在ベイカーを製作しているブランドも、大抵このアジャスターが付いた初期モデルを元ネタにしています。」

「ただ玄人が真っ先に飛びつく人気銘柄だけに年々タマ数は少なくなっていて、現在は買い付けられた10本中に1本あるかどうか……。今すぐ掘りに繰り出さないと入手できなくなるかもしれませんよ!」

初期型はベルトループ脇にアジャスターあり

アジャスター付き

 

わずか数年後アジャスターは消滅

アジャスターなし

OG‐107 コットンサテン ユーティリティ トラウザーズ

OG‐107 コットンサテン ユーティリティ トラウザーズ

今のファッションにも取り入れやすい軍パンの代表格。プレーンなデザインと思いきや、初期モデルはアジャスターが完備されているほか、要所をすべてダブルステッチで縫製するなど、よりミリタリー色の濃い意匠が。こちらはサイズ等をタグではなくスタンプで表記した、希少な’50年代製。9800円(コジーヴィンテージ)

Wステッチ周りには渋〜いアタリが♡

Wステッチ周り

[付属ボタンでも年代を判別できる!]

ビギナーでも一発“お宝!”と見分けられるポイントは、アジャスターだけにあらず。ボタンの色にも注目すべし!

アジャスター付きの1950年代〜1960年代初期

アジャスター付きのベイカーパンツ
フラットな茶色の尿素ボタン

古い年代の通好みなベイカーを狙うなら、ボタンも重要な見極めポイント。やっぱり茶色の尿素ボタンを見ると、脊髄反射で萌えちゃうんですよね〜♡

アジャスターなしの1960年代中期以降

アジャスターなしのベイカーパンツ
ドーム状に膨らんだオリーブのプラボタン

 

アジャスターがないとよりスッキリ

アジャスターなしのベイカーパンツ

’60年代中頃からは身生地と同系色のプラボタンに。ミニマル好きにはこっちも◎。上は’70年代製。5800円(コジーヴィンテージ)

[覚え“トク”べき・タグ早見表]

通はタグに表記された情報を基に、より希少性の高いお宝を見つけるもの。正しい見方をサクッとレクチャーします。

タグ

①〈正式名称〉
②〈製造年〉
③〈備品管理番号〉
④〈製造会社〉

年代やアイテムによっても異なるが、上記の通り大抵の米国軍モノのタグは規則性あり。製造後に納入された年代も判別可能だ。ちなみにベイカーの正式名称の“OG”は、オリーブグリーンの意味。107はカラーコードなんだとか。

水口亮二郎さん

コジーヴィンテージ スタッフ
水口亮二郎さん

米国で買い付けたアイテムが2か月に1度のペースで入荷する、静岡の人気ショップ。その名物スタッフは、アメカジ古着全般に精通!

 


[ビギン2020年9月号の記事を再構成]写真/上野 敦(プルミエジュアン) 文/黒澤正人

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「軍パン界の501だから“アジャスター付き”を選ぶのが微差こそ大差なポイントです」

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