特集・連載
“ビームスの脳を担うカリスマ” 土井地 博さんの一生モノ3選
とことん使える一生モノ また値上げぇ~!?と、こっちが音を上げてしまいそうな昨今の日本経済……。でもしょげてばかりじゃいられない。モノ好き賢者の成功体験を聞きながら、結局得する「一生モノ」をオールジャンルで紹介します。 この記事は特集・連載「とことん使える一生モノ」#06です。
「シーンを問わず付き合えるものが一生モノの条件です」―ビーアット 代表取締役/ビームス 執行役員/ディレクターズバンク 室長 土井地 博さん
白洲次郎さんと正子さんの長女で、83歳になる牧山桂子さんという方が親しくしてくださっているのですが、ある日年齢を聞かれて40いくつですと答えたら、「まだ午前中だな」と笑われて。まだまだこれからが楽しいと言われたんです。
考えてみると、趣味は?と聞かれて答えられるようなものが自分には何もない。それで、興味のある写真を始めることにしました。
どうせカメラを買うならライカにしようと専門店に行くと、知らない男性が僕にライカを向けてくる。聞けばその方、写真家のハービー山口さんだというんです。いろいろと相談に乗っていただき、ライカM10を購入しました。
デジタルカメラですが、ピント合わせも露出も、全部マニュアルで操作します。レンズマウントがフィルム時代のものと同じだから、往年のレンズも楽しめる。ケースは真鍮の削り出しで、重いし不便だけど、使うほどに味を増す──。こういうのを“わざわざ”使うのって、素敵なことだと思うんです。
オールデンの664は、僕が思うに一番オールマイティーで気が利くモデル。スーツにも501®にも合うものだから、履く機会も増えますよね。モノリスのトートも同じで、オンスタイルにもハマるし、ゴルフへ行くにも重宝する。1年使っていますが、黒が白抜けせず黒のままなのも気に入っています。
好きなものって、シーンを問わず使っていたいじゃないですか。結局、そうできるものが一生の付き合いになるんじゃないかな。
ビームスの脳を担うカリスマ
ビーアット 代表取締役/ビームス 執行役員/ディレクターズバンク 室長
土井地 博さん
15年以上にわたってプレスを務め、現在はビームスの合弁会社ビーアットの代表取締役や出雲観光大使など、幅広い肩書きで活躍中。
①ライカのライカM10
「重くて不便。でもそれが喜びに変わる唯一無二のカメラ」
「クルマでいうポルシェのようなその道のスペシャルな存在、それがカメラでいうとライカ」ということで、2年前に購入。デジタルカメラだが、電源オフ時にもマニュアルカメラのようにさまざまな設定ができる。「不便なところもありますが、課程が面白いんです」
②オールデンのタッセルローファー“664”
「501にもばっちりハマる最もオールマイティーな革靴」
10年ほど前にインターナショナルギャラリー ビームスで購入した、アバディーンラストの一足。素材はシェルコードバン。「多少の雨なら履いちゃいます」とのことだが、ケアは欠かさないとあって美しいツヤを湛える。「イイ靴は会話の糸口になるのもイイです」
③モノリスのトートバッグ
「日常も出張もゴルフも。モノリスなら全部イケちゃう」
「肩掛けしやすく、手持ちでも床につかないハンドル長だったり、ポケットの使い勝手だったり、何かと収まりがいいんです」というこちらは、Lサイズ。「2泊程度の出張なら全然行けちゃいます」と土井地さん。パーツごとの質感にメリハリがある点もお気に入り。」
カメラ/生産終了。同モデルの中古価格が70万4000円〜81万円 ※編集部調べ
シューズ/現行品あり。シェルコードバン製の同モデルが18万2600円(ラコタ)
トートバッグ/側面のポケットはマグネット仕様で使い勝手◎。天ファスナー付きなので、セキュリティ面も安心だ。H37.4×W63.4×D20cm。30リットル。3万800円(ビームス 六本木ヒルズ)
※表示価格は税込み
[ビギン2023年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。