特集・連載
“アパレル×週末農家の二刀流” 坂下史郎さんの一生モノ3選
とことん使える一生モノ また値上げぇ~!?と、こっちが音を上げてしまいそうな昨今の日本経済……。でもしょげてばかりじゃいられない。モノ好き賢者の成功体験を聞きながら、結局得する「一生モノ」をオールジャンルで紹介します。 この記事は特集・連載「とことん使える一生モノ」#05です。
「シンプルで極力扱いに気を使わないものに好みがどんどんシフト」―迷迭香 デザイナー 坂下史郎さん
東京で仕事をし、週末は山梨で田舎暮らしの生活を7年半ぐらいしていますが、夏の間はそのどちらでもほぼこのルナサンダルしか履いていません。履くようになったのは10年前にトレランにハマった頃、『BORN TORUNー走るために生まれたー』という本を読んだのがきっかけ。
人間は裸足で何万年も過ごしてきたし、走ってきた。だから足本来のポテンシャルを引き出すには裸足が一番で、それに近い感覚を目指してコイツが生まれたという話に感銘を受け、試してみたくなったんです。
するとこれが本当にイイ! 開放感もさること、足裏がダイレクトに地面を捉える感じが何とも心地よく、熱中していた頃は20km位これで走っていました。足の健康にはコンフォート系の靴、ガンガン走るには最新のハイテクシューズと考えていたボクの考えを、ガラリと変えた一足です。
他に一生モノとして挙げた仏軍のM-47パンツも、モンベルのメッシュギアコンテナも、東京と山梨の二拠点生活でフル活躍してくれるアイテムですね。ルナサンダル然り、こうして眺めるとシンプルなものやベーシックなもの、そして極力扱いに気を使わないものばかり選んでしまいました。
でもこういうある意味気負いのないアイテムで身を固めていた方が楽だし、精神的な充足感を得られるというのが今の僕の価値観。仕事で長年ファッションに携わり、自身でさんざん様々なスタイルを試してきた結果かもしれないですね。
アパレル×週末農家の二刀流
迷迭香(マンネンロウ) デザイナー
坂下史郎さん
自身の暮らしぶりを反映した、街と山の双方で活躍する機能服ブランド「迷迭香」が人気。本誌連載「ベジカジライフ」でもお馴染み。
①ルナサンダルのベナード
「履物に対する概念を変えてくれたベアフットサンダルの傑作」
メキシコ先住民族が履く、タイヤのゴムを足の形に切り抜いただけの履物から着想を得て生まれたルナサンダル。ベナードはその代表モデルだ。「実はいろんなブランドのベアフットサンダルを試してみたのですが、このソールが一番履き心地がいいのが不思議」
②フレンチアーミーのM-47パンツ
「独特の形や柔らかな色味でフレンチを感じさせるのがイイ」
米国の軍パンとは異なるややテーパードしたシルエットや、柔らかなグリーンの色味が好きだという坂下さん。「2本を回して穿いているのですが、農作業でもよく穿いているせいか、最初に買った1本目はもうボロボロ。でも他に6本ストックしているので安心です」
③モンベルのメッシュギアコンテナ
「現代の背負籠とも言える日本的解釈のバックパック」
濡れたものも収納できるよう、外装のシェルをメッシュ素材にしたモンベルの隠れ名作。「仕事でも使っていますが、山で本当に重宝。汚れたらザブッと洗えるので、山菜や薪をポンポン入れています。5年以上ハードに使っているのにまったく壊れないのもすごい」
サンダル/現行品は適度に裸足感を感じる厚さ9mmのソールを使用。1万2980円(ロータス)。
M-47/程度にもよるが古着市場では約5000円〜2万円で購入可能。
デイパック/サイドジッパーから荷室へアクセス可能&サイドに手持ち用ハンドルを装備と使い勝手よし。W34×H48×D23cm。6600円(モンベル・カスタマー・サービス)
※表示価格は税込み
[ビギン2023年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。