特集・連載
“エイジング番長” 藤木将己さんの一生モノのGジャン
とことん使える一生モノ また値上げぇ~!?と、こっちが音を上げてしまいそうな昨今の日本経済……。でもしょげてばかりじゃいられない。モノ好き賢者の成功体験を聞きながら、結局得する「一生モノ」をオールジャンルで紹介します。 この記事は特集・連載「とことん使える一生モノ」#11です。
「メリハリの利いた色落ちは最初のクセづけが肝心」―ウエアハウス 藤木将己さん
Gジャンで一番コントラスト を出して色落ちさせられる、言わばもっとも個性を主張できるポイントといえば、やっぱり袖。肘周りにクッキリと濃淡がついたGジャンには、只者じゃないオーラがあるんですよね。ただここをいい感じに味出しするのは、実は結構難しい。
昔から色々な方法を試していたなかで個人的にベストだと思っているのが、20年ほど前に編み出した秘技、“着たままお風呂”(笑)。これは名前通り糊が付いたリジッド状態のGジャンを裸の上に羽織って、そのままお風呂に浸かる手法。
湯船に浸かったまま何回か肘を曲げ伸ばしすると、自分の身体にしっくり馴染んだ凹凸がつけられるんです。後は軽く脱水して、ハンガーに掛けて乾かすだけ。すると次に着る時にその凹凸が残っていて、濃淡をつけて育てやすいんです。
実はジーンズもGジャンも、いい感じに色落ちさせるためには最初のクセづけが肝心。本当はリジッドのまま着続けるのが一番なんですが、それではあまりにゴワゴワで着心地もよくないし、何より身体にフィットしにくい。でも反対に糊を落としきってしまうと、ハリが損なわれて凹凸をつけにくい。
糊を落としつつ適度なハリも保ち、身体に馴染むような柔らかさにするために、この技を編み出したんです。結果はご覧の通り。我ながら見事な表情に育てられました。ただ湯船の水も一気に汚れるし、ご家族の理解も必要なので、マネする際はくれぐれも自己責任で(苦笑)
ウエアハウス プレス
藤木将己さん
アメカジの永世定番を知り尽くす先生にして、デニムの味出し術にも長けるエイジング番長。初心者にもその技を伝達する業界の良心。
[20年愛用]ウエアハウスのGジャン
秘技「Gジャン着たままお風呂」で立体的な袖の色落ちに
ウエアハウスのLot 2002XX(2000XX)
【1953MODEL】
圧倒的な解析力でヴィンテージを紐解き、超忠実にリプロダクトする同ブランドの定番モデル。藤木さんが着用している20年前のモデルからは当然マイナーチェンジが加えられているが、オリジナルと見紛うほどの完成度は健在。4万1800円(ウエアハウス東京店)
※表示価格は税込み
[ビギン2023年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。