特集・連載
“アウトドア×人の懸け橋的存在” 須山友之さんの一生モノ3選
とことん使える一生モノ また値上げぇ~!?と、こっちが音を上げてしまいそうな昨今の日本経済……。でもしょげてばかりじゃいられない。モノ好き賢者の成功体験を聞きながら、結局得する「一生モノ」をオールジャンルで紹介します。 この記事は特集・連載「とことん使える一生モノ」#04です。
「使いたくなる機能美と使い続けられる耐久性その両方が欠かせない」―TARPtoTARP オーナー 須山友之さん
手前ミソですが、一生モノで真っ先に浮かんだのがオリジナルのタープポールです。ハッキリ言ってポールとして高級品です。何しろ全パーツをアルミ削り出しで企画しちゃいましたから。というのも、「最後のポール」を作りたかったんですよ。
きっかけはカフェのお客さんで、たまたま宇宙開発の製品にも携わるアルミメーカー・UACJの方がいたこと。「アルミを使って何か一緒にできませんか?」って。この1本であらゆるタープに対応するためには、アジャスタブル仕様というのは必須。加えて大型タープが扱える剛性も備えていなきゃいけない。
だから美しくて錆びにくいアルマイト加工のアルミで、パイプの押出成形の段階から始めて。高さ調整の機構には樹脂パーツが組み合わされることが多いですが、オールアルミで、固定のためのネジすら表に露出しないような特殊な設計で作り込まれています。
キャンプギアってある種のブームのようなところがあって、買っては手放しての消費が繰り返されている印象があります。だからこそ、長く付き合えて、経年変化が映えるモノがいい。それに耐える機能美も外せませんよね。
破損してもパーツ毎に交換できるので、リペアしてリアルに一生使いたい。幸か不幸か、今のところパーツ交換の依頼は耳に入ってこないんですけど(笑)。他の2つも同じく修理して使い続けられるグッドデザインが特徴。どうもそういうモノに惹かれてしまうみたいです。
アウトドア×人の懸け橋的存在
TARP to TARP オーナー
須山友之さん
横浜馬車道にあるカフェ&ショップ、タープトゥタープのオーナー。カフェ業務や商品企画の合間を縫って足繁くキャンプに通う日々。
①タープトゥタープのTARP POLE
「この先ずっと買い替える必要が無い“最後のポール”」
須山さんがキャンプ仲間と企画。「元々はタープを作りたくって、ご縁があって。ダークグレーのアルミの美しさにもこだわっていただきました。ジョイント部等のパーツも、無垢のアルミから某国際的イベントでも活躍した墨田区の職人さんが削り出しています」
②トランスペアレントのライトスピーカー
「目と耳で楽しむ存在感&映えるスピーカー」
ストックホルム発のポータブルBluetoothスピーカー。「音楽に共鳴して灯りが揺らぐランタンのようなデザインで、目でも心が和らぎます。室内でもキャンプでも活躍中。電子廃棄物に配慮したモジュラー設計で、故障したパーツだけを取り換えられるのも◎です」
③アシモクラフツと傘職人が作るアンブレラ
「末長く愛用できる永久保証まで付いてくる!」
職人が1つ1つ手作業によって作り上げるオールメイドインジャパンの傘。「骨組みにカーボンファイバーを、生地に耐水性と遮光性に優れた生地を採用し、晴雨両用できます。アイコニックなハンドルはキャンプギアのガレージブランド、アシモクラフツによるもの」
ポール/3つのポールを連結して使用する。Φ33mm×L2775mm。2本セット。専用ケースも付属。受注生産品。11万円。
スピーカー/ガラス面にタープトゥタープのグラフィックをプリント。Φ10.5×H16cm。5万3900円。
傘/日本の傘メーカー・トラロックが国内生産。全長78.7cm、親骨長60cm。2万5300円(タープトゥタープ)
※表示価格は税込み
[ビギン2023年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。