特集・連載
「チョコンと小ぶりなケースに男ゴコロをくすぐるディテール満載」GS/TP
センスがエグい腕時計ガイド ビギンは考えました。センスがいい人は、腕時計選びの背景にも光るものがあるはずだ。時計との巡りあわせは、時にその人の生き様までも垣間見えるのです。だからこそ、えげつないセンスを感じさせる愛機の選び方を知りたい! 時計は、持ち主の味(センス)が現れるものだから。 この記事は特集・連載「センスがエグい腕時計ガイド」#34です。
Jプレス&サンズ 黒野智也さんの俺的名作時計
【GS/TP】テレグラフ ダイアル
学生時代から同じ格好は二度としないというのがポリシー。上下の合わせを変えたり、帽子やアクセを加えたりと、毎日変化のあるトラッドスタイルを楽しんできました。そんな取っ替え引っ替えの格好すべてにハマるのが「GS/TP」の作る時計の良さ。
3年前のウチのお店のオープンと同時に取り扱いを開始し、その頃からこの「テレグラフ ダイアル」というモデルを愛用していますが、以来一度も他の時計に浮気したことがありません。
まず28mmというチョコンと小ぶりなサイズ感がいいんですよね。どんな装いやアクセと合わせても邪魔にならず、バランスが取れますから。
それでいて主張がないかといえばそうではなく、職人の手作業で仕上げた文字盤やクッション型ケース、ドーム型の風防、バブルバック状の裏蓋、貫通式のラグなど、随所のディテールにヴィンテージの要素を巧みに取り入れ、しっかり男ゴコロをくすぐってくれる。
もちろん信頼性の高い日本製のクォーツムーブメントの搭載や、何より5万円台と控えめな値段設定も、この時計をデイリーに気兼ねなく着用してしまう要因。あと付け加えるなら、蛇腹式のエクステンションブレス仕様で、つけ外しが非常にラクなのも魅力です。
長さ調節も工具無しで簡単にできるため、なんならパートナーとのシェア使いだってできます。と、いろんな意味でよくできた時計。これからも一緒に時を刻み、本物のヴィンテージに育てたいですね。
GS/TP
テレグラフ ダイアル
英国のデニムブランド「テンダー」のデザイナーと、数多の古い時計を蘇らせてきた日本の時計職人がタッグを組んで始動したブランド。黒野さん所有モデルはモールス信号のオペレーター用懐中時計から着想したデザイン。生成り色の文字盤は経年変化で美しく退色するようにあらかじめ計算済みだ。
Jプレス&サンズ ディレクター
黒野智也さん
1985年生まれ。様々なブランドとのコラボを次々に仕掛け、トラッドを次世代につなぐべく活躍。個人的にブレザー布教活動も行う。
[おいしい時計選びの極意]気軽につけられるものこそ正義!
[ビギン2023年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。