特集・連載
「質実剛健。なのにリューズの魚が愛おしい(笑)」IWC
センスがエグい腕時計ガイド ビギンは考えました。センスがいい人は、腕時計選びの背景にも光るものがあるはずだ。時計との巡りあわせは、時にその人の生き様までも垣間見えるのです。だからこそ、えげつないセンスを感じさせる愛機の選び方を知りたい! 時計は、持ち主の味(センス)が現れるものだから。 この記事は特集・連載「センスがエグい腕時計ガイド」#28です。
プーマ ジャパン 野崎兵輔さんの俺的名作時計
【IWC】GST アクアタイマー
学生の頃からスポーツ時計が好きで、スピードマスターやGショックを愛用していました。1996年に社会人になり、尊敬する会社の先輩が着けていたのがIWCのオーシャン2000。
ポルシェデザインによるIWCでは珍しいレトロフューチャーなルックス。西ドイツ軍から200m防水の時計製作を依頼されたものの、その10倍の2000m防水を実現したエピソード。時代を先駆けた、丈夫で軽いチタンの採用など、さまざまな逸話を知って、すっかり憧れの時計になっていたんですよ。
そして2000年の結婚を機に、時計も一生着けられるものをと見初めたのが、1998年発売のGST アクアタイマー。先輩のオーシャン2000の流れを汲む2000m防水で、それと同じチタンモデルを選びました。ただデザインはIWCらしいクラシカルなもの。このコントラストも気に入ったんですよね。
使ってみるとチタンならではの軽さ。オーシャン2000を思わせる、くすんだマットな質感に惚れ惚れ。それに質実剛健な雰囲気でいながら、リューズの一筆書きの魚マークが愛おしいんですよ(笑)。
ただ以前オーバーホールに出した際、リューズ交換が必要で、魚マークのリューズではなくなってしまった。このときはへこみましたね~(笑)。
でも少し前にオーバーホールの相談をすると、魚のリューズに替えられると聞いて大興奮! 再び質実剛健かつ愛おしい魚のコンビが復活し、購入から20年以上を経ても、ますます愛着が湧いています。
一時期なくなっていたIWC防水時計の証 魚マークのリューズが復活!
IWC
GST アクアタイマー
アクアタイマーは1967年に誕生したダイバーズウォッチ。GST アクアタイマーにはSSモデルもあったが、加工が難しくコストのかかるチタンモデルをあえて安価に設定。ポルシェの技術を活かしたチタンの名作、オーシャン2000に劣らぬ仕上がりを見せ、時計好きを唸らせた。
プーマ ジャパン トレード マーケティング マネージャー
野崎兵輔さん
プーマ ジャパン随一、プーマのアーカイブを所有。結婚25周年を機会に、奥様とお揃いでカルティエ・タンクの購入を検討中。
[おいしい時計選びの極意]スニーカーも時計も長く愛せるモノを
[ビギン2023年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。