特集・連載
腕時計をトレンドに左右されない「デザイン」で選んでみる[JUNGHANS/IWC/SWATCH]
センスがエグい腕時計ガイド ビギンは考えました。センスがいい人は、腕時計選びの背景にも光るものがあるはずだ。時計との巡りあわせは、時にその人の生き様までも垣間見えるのです。だからこそ、えげつないセンスを感じさせる愛機の選び方を知りたい! 時計は、持ち主の味(センス)が現れるものだから。 この記事は特集・連載「センスがエグい腕時計ガイド」#15です。
文化系への近道GP
“デザイナーもの”を時計で匂わせてみる
アートやデザインが気になる今日この頃。でも自宅に飾るほどでは……。であれば、道具でもあり嗜好品的装飾具でもある腕時計を「デザイン」で選んでみるってのは、どう?
アートやデザイン目線で選べば、トレンドに左右されません!
柴田 充さん
「それまでの常識にとらわれない異端的存在と見られがちながら、機能美やエモーショナルな創造性は無二。時を超える魅力があります。」
「時間を忘れずに、できるだけタイムレスに」―マックス・ビル
マックス・ビル
JUNGHANS[ユンハンス]
マックス・ビル クロノスコープ
バウハウス最後の巨匠として、機能的にも造形的にも美しく哲学を具現化したマックス・ビル。ドイツで初めてクォーツ時計を発明したユンハンスでの彼のデザインをベースにしたコレクションは、まさに“レス・イズ・モア”な彼の理念が体現されている。
本作では時分針とデイト部にレッドカラーが。バウハウスのデッサウ校舎でもアクセントになっていた「バウハウスの赤」を想起させる。径40mm。SSケース。自動巻き。43万1200円(ユーロパッション)
「ソフトでエルゴノミック、袖口に引っかからないデザイン」―ジェラルド・ジェンタ
ジェラルド・ジェンタ
IWC[アイ・ダブリュー・シー]
インヂュニア・オートマティック40
防磁ウォッチの祖、インヂュニア。時計好きにとっては初代モデルよりも、1970年代にジェラルド・ジェンタによってリデザインされた「インヂュニアSL」の革新性で人気だ。ベゼル上の5つのビス、ブレス一体型のケース……。
今年の新モデルでは、そんなSLらしさがより色濃くなるようリデザイン。ベゼルは現代的なスマートさに絞られている。径40mm。SSケース/ブレス。10気圧防水。自動巻き。156万7500円(IWC) ※7月1日より価格改定予定
「描いている間は、アートについては考えない。人生について考えている」―ジャン=ミシェル・バスキア
ジャン=ミシェル・バスキア
SWATCH[スウォッチ]
ハリウッド アフリカンズ by JM バスキア
早逝の天才画家、バスキアの名画「ハリウッド アフリカンズ」をスウォッチに。ゴールデンイエローの背景に描かれているのは、バスキア自身の自画像と、ガゴシアン・ギャラリーでの展示のためにLA入りした彼に同行していたグラフィティ アーティストのトキシックと、ラッパーのランメルジーだ。
スウォッチらしい、ポップさとアートが見事に融合した一本。径41mm。樹脂ケース。3気圧防水。クォーツ。1万5180円(スウォッチ コール)
よりマニアックさを狙うなら
“賞の中の賞”を射たアイコニックGMT
ZEPPELIN[ツェッペリン]
アトランティック
ダイヤル中央に大西洋を俯瞰したブループラネットをデザインした、24時間針を備えたGMT。地球は旅とタイムゾーンを確立するという考えを象徴し、ジャーマンデザインアワード2023で受賞。受賞難度の高さから「賞の中の賞」と称される栄誉にも輝いたお墨付き。径43mm。SSケース。自動巻き。9万9000円(ウエニ貿易)
※表示価格は税込み
[ビギン2023年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。