特集・連載
「人は年を重ねるほどに“色”や“輝き”のあるものが似合うようになるんです」ロレックス
センスがエグい腕時計ガイド ビギンは考えました。センスがいい人は、腕時計選びの背景にも光るものがあるはずだ。時計との巡りあわせは、時にその人の生き様までも垣間見えるのです。だからこそ、えげつないセンスを感じさせる愛機の選び方を知りたい! 時計は、持ち主の味(センス)が現れるものだから。 この記事は特集・連載「センスがエグい腕時計ガイド」#06です。
ティータイム 入江 拓さんの俺的名作時計
【ロレックス】ミルガウス
このミルガウスは2017年に購入。近年のロレックスの高騰ぶりは半端じゃありませんが、スポロレなんかと比べたら当時ミルガウスはまだ値ごろ感を維持しており、今では考えられない値段で購入したと記憶しています。
ロレックスは最高の実用時計だと常々感じていますが、一方でイヤらしい印象を持たれることもしばしば(笑)。でもそのころの僕は、独立後でコンサルの仕事をしており、他の人よりもまぁまぁ電子機器に囲まれた仕事をしていた。耐磁性に特化したモデルであるミルガウスなら、いい言い訳になるんじゃないかなと。
またそういう特殊時計でありながら、ブルー文字盤、グリーンのサファイア風防、さらにブレスの中ゴマの鏡面仕上げなどの効果で程よくラグジュアリーなイメージを醸し出しているのもこの時計のいいところ。最初はちょっと派手かなとも思ったんですが、どんどん好きになってきた。
今日のように装いをシンプルにまとめたときには大抵コイツをアクセントとしてつけていますね。ジュエリーの仕事をするようになって実感しているのですが、人って年を重ねるほどに色のあるもの、輝きのあるものが似合うようになるんですよね。そういう意味でもこの時計は買ってよかった。
グリーンのサファイア風防は、サングラスのダークグリーンレンズをちょっと彷彿とさせますし、最近アイウェアブランドをはじめた自分が着用するのに本当にぴったりの1本だなと悦に入っています。
- 1956年に誕生。耐磁性に特化した特殊ロレックス
- 80年代に一度生産終了となるが、2007年に復活
- 23年、ブランドのHPから姿を消し、生産終了の噂
1000(仏語でミル)ガウスの耐磁性能によりその名がついたミルガウス。2007年の復活以降、通好みの特殊ロレックスとして人気を博したが、2023年に生産終了した模様。入江さん所有はブルーダイヤルにグリーンのサファイア風防をセットしたRef.116400GV。
ティータイム 代表
入江 拓さん
1985年生まれ。外資系企業を経て独立。ジュエリーやアイウェアブランドを展開する他、包括的なECファッションビジネスも提供。
[おいしい時計選びの極意]不動産と一緒。買えるときが買いどき
[ビギン2023年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。