特集・連載
今日から始める美味しい暮らし[ベジカジライフ]
初夏の相帽として土いじりを支える被る蚊帳
週末農家・坂下史郎のベジカジライフ 「ビジカジ」に始まり、あらゆる分野でカジュアル化が加速する昨今。次のジャンルは?と問われれば、それはズバリ、ガーデニングである! 週末農家・坂下史郎さんが徒然なるままに書き連ねる、ちょっぴり土臭くて小粋なガーデニング放談。 この記事は特集・連載「週末農家・坂下史郎のベジカジライフ」#08です。
週末農家・坂下史郎のベジカジライフ
サンデーアフタヌーンズのアドベンチャー ストウ ハット
6月下旬から強くなりはじめる日差しに、「もしかして畑仕事ってサウナなんじゃないか?」と朦朧としながら、そら豆を収穫した。
居酒屋のメニューにあると必ず注文してしまうほど好きな野菜で、あの独特の青臭さに初夏の晴れ渡った空を連想してしまう。シンプルに茹でて塩を少々つけて、ビールと一緒に流し込むのが一番だ。
夏になると害虫との戦いでもあり、とりわけ虫たちに人気のマメ科とアブラナ科の野菜には気を配らねばならない。だからといって農薬には頼りたくないので、ここ数年は美観を犠牲に防虫ネットで野菜たちを覆っている。
一枚の薄いネットだけで虫たちから野菜を守れるのは殺生も汚染もなく、とてもシンプルで良い。いわゆる蚊帳である。今や蚊帳の中で寝ることはそうそうなくなってしまったが、やっぱり蚊帳の中でフカフカの布団と蚊取り線香の香りに包まれて寝る心地よさは、日本人のDNAに刻まれているような気がする。
育てたそら豆も蚊帳のような防虫ネットの中で、さやの中のフカフカとした起毛に包まれてさぞ快適なことだろう(そういえば昔、子供が『そらまめくんのベッド』という絵本が好きでよく読んでいた)。
防虫ネットを掛けながらぼんやりと「結局は害虫たちも生きる為に食べているんだよなあ。」と虫たちに半分同情しているが、単純作業をしながらこういうとりとめのないことに思考を巡らすのも、デザイナーという仕事柄とても重要な時間のように思う。
そしてこの季節に愛用しているのが、アメリカの帽子専門ブランド・サンデーアフタヌーンズのキャップ。創業30年ほどと歴史は浅いものの、この「アドベンチャーハット」は本国で特許も取得している由緒ある帽子だ。
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サンデーアフタヌーンズのアドベンチャー ストウ ハット
UPF50+と高いUVカット率を誇り、耐久撥水性も備えた機能性キャップ。シェードに加えて折り畳めるイヤーフラップも搭載しており、3通りの使い分けが可能。サイドはメッシュ素材で通気性がよく、汗をかいても快適さをキープしてくれる。5500円(ケンコー社)
①このようにシェードが首筋をすっぽりと覆ってくれる。ミリタリーっぽいオリーブも山によく合うのだ。
②クシャッと丸めて収納できるのも煩わしくなくて良い。
③サヤが空に向かって育つことからその名がついたソラマメ。防虫ネットの中で手塩にかけて育てた分、収穫の喜びもひとしお。
坂下史郎
さかしたしろう/1970年生まれ。セレクトショップや著名ブランドのMD職を経て独立。2015年から都内と山梨・塩山での二拠点生活を始め、以来毎週末の山暮らしがルーティンに。自身が手掛けるブランドの一つである「迷迭香」には、その趣向を反映させた街⇄アウトドアで活躍する機能服が豊富に揃う。
※表示価格は税込み
[ビギン2023年9月号の記事を再構成]文/坂下史郎 写真/丸益功紀(BOIL)