特集・連載
“通しか知らない”をサクッと学ぶ[10minutes ヴィンテージ]
「わずか3年間のみ存在した!? 名色揃いの幻タグ期!」
10minutes VINTAGE ヴィンテージ=難しい? ノンノンノン♪ 通しか知らない名品も、目印を頼ればビギナーでも簡単に発掘できちゃうんです。その道のプロが、目指すべきターゲットと、その判別テクをサクッとレクチャー。10分後はあなたもヴィンテージ通! この記事は特集・連載「10minutes VINTAGE」#07です。
“雪なし”タグのパタゴニア
TEACHER:キャルオーライン デザイナー 金子敏治さん
服好きにとって、パタゴニアはただのアウトドアブランドにあらず! 革新的なギアを数々開発してきたレジェンドってことは重々承知してるんですが、ぶっちゃけそれより何より、純粋にファッション的に萌えるんですよね♡
人気の理由はいくつもありますが、熱狂的な信者たちが真っ先に叫ぶのが、パタならではの色使い。「アウトドアブランドがよく使う赤とか青みたいな原色系の色ひとつとっても、他とは微妙に違って、色に何とも言えない味がある。パタしか使わないような美色も多くて、しかもいちいちネーミングにセンスがあるんです。それも蒐集欲に拍車をかけるんですよ」。
ただでさえ美色なパタ製品のなかでも、ファンの間ではある特定の年代の色がとくに評価が高いそう。「それが’92〜’94年のわずか3年間しか使われなかったと言われてる、通称“雪なしタグ”期。」
「お馴染みのロゴに描かれている山脈の白ラインが省かれている姿が、雪がないように見えることから名付けられた愛称なんですが、この頃のパタは個人的には美色使いの全盛期! 今ではあまり使われなくなった色も多くて、ヴィンテージ市場でも常に枯渇状態。通ウケのいい希少色は、差別化を図りたい服好きには響くはずです」
雪が積もってない!?
現行タグは雪が積もってる!?
“ライトプラム”カラーがいい味出してる!
パタゴニアのパイル・グリセード・プルオーバー
フリースとナイロンのリバーシブルジャケットは、古くからのパタ好きなら知らない人はいないほどの名品! とくにこのライトプラムカラーは、色合いといいカラーネームといい、パタならではのセンスが全開。トリミングとのカラーコントラストも渋すぎ。わかってるねぇ、を無言で醸したい人はぜひ! 3万円(サファリ4号店)
ブラックナイロンとのリバーシブル仕様
色褪せない
雪なしタグ期に大豊作だった名色早見表
パタ信者の間で未だに人気が色褪せない名色をご紹介。どれも今では希少な存在なので見つけたらかなりの幸運。
フレンチレッド
発色の美しさは“赤史上”ナンバー1!?
ビックリするほど鮮やかな赤は、華やかだからかフレンチと命名された。インクブルーとの両面仕様。1万8000円(サファリ4号店)
プルシアンブルー
めちゃくちゃ綺麗で品もある深イイ青
日本語では紺青とも表記される深~いブルーカラーは、どことなくお上品。グレーとの両面仕様。2万4800円(サファリ4号店)
チャコールヘザー
雄度と美を両得するくすみ具合が絶妙
パタの手にかかるとグレーまで美! ブルーグラスカラーのトリミングとナイスコンビだ。レッドとの両面仕様。(金子さん私物)
ティール
ターコイズのように美しい鴨の羽色!?
青緑色の一種で、日本語では“鴨の羽色”とも言われるティール。ターコイズと見紛うほど美しい色使いはさすが。(金子さん私物)
雪なしタグのパタロハも存在した!
実はパタロハにも雪なしタグが存在。通常の雪なしタグ期と同様に山脈の白線が省かれて、より常夏っぽい!? 当然希少性は劇高だ。(金子さん私物)
キャルオーライン デザイナー
金子敏治さん
大学時代にサーフィンにハマったのを機にパタにも開眼。以来、レアパタをハントし続けるコレクター。愛息とオソロでパタを愛用中。
[ビギン2019年11月号の記事を再構成]写真/上野 敦(プルミエジュアン) 文/黒澤正人