特集・連載
サバイブしてきた軍モノこそ実用的。ミリタリー由来のアウトドアグッズたち
アウトドア道具について考え直そう オープンエアだし!とコロナ渦において、さらに一般的になった「アウトドア」。これだけ多くの道具&TOPICが溢れているなか、Beginが今、改めて大切にしたいのは「クラシック」なモノやコト。時間がかかってもいいじゃない、便利な時代だからこそクラシックって新鮮! この記事は特集・連載「アウトドア道具について考え直そう」#27です。
[野営の先達に学ぶ]新ルール
サバイブしてきた軍モノこそ実用的だ
アウトドアとミリタリーは密接な関係にあることはご存じですよね。それはキャンプギアも然り。軍隊は野営が当たり前で、いわばキャンプの先達。飯盒のメスティンなど、ルーツはミリタリーであるモノが数多く存在します。
そんな軍用ギアを使い、キャンプの原風景ともいえるスタイルを楽しんでいるのが、中目黒の人気古着店、ハレルの加瀬さんです。
「キャンプギアの多くは軍用が出自。服好きの性か、じゃあキャンプギアもオリジナルがいい!、という考えがそもそもでしたね」。現代のギアに比べるとスペックは劣りますが、「誰でも簡単に使えて実用的なのが軍用品。どれもシンプルで使いやすく、軽量で携行しやすい。ハードルが高そうで、そうでもないんですよ」。
「例えば軍用出自のアルコールバーナーは、ガス燃料より火力が弱いけど、扱いやすく安全ですからね。あと単純に、カッコいい。ミリタリーテントも張ったときに傍から見た雰囲気が抜群。最近じゃ褒められることもあります(笑)」。
「僕としてはミリタリー服と似た感覚で、合理的で無骨な米軍、デザインがいいポーランド、スウェーデンなど、ギアにもお国柄があって楽しい。軍モノの服のように、気軽に手にしてみるのもオススメですよ」
軍モノギアは軽装のソロキャンプにも向いていますよ
[教えてくれた人]
ハレル オーナー 加瀬善隆さん
ミリタリーを中心とする古着店、ハレルのオーナー。ヴィンテージギアも多く扱っている。
誰でも使いやすい。軍用品の根幹はキャンプギアも同じ
①チェコ軍のメスキット
「70年代に官給されていたデッドストックのメスキット。軽いアルミ製のシンプルな丸形、ハンドルはフタ上に折り畳むことができ、コンパクトで携行性に優れています。キャンプはもちろん、ちょっとしたレジャーにも便利ですよ」。Φ15×H10cm。4290円。(ハレル)
②ルーマニア軍のハリケーンランタン
「強風でも火が消えない防風性に由来するハリケーンランタン。現在は採用されていないデッドストック品で、腐食に強い亜鉛メッキ製。定番のフュアーハンド、デイツと比べてホヤが大きく、明るい灯りが楽しめます」。Φ18×H29cm。1万4080円。(ハレル)
③アメリカ軍のキャンティーン&スタンド
「キャンティーンは米兵装備品の水筒。川の水をカップに入れ、スタンドで煮沸消毒をして使います。カップとスタンドをスタッキングできる合理性が米軍らしいですね」。カップ/W13.4×H9.8×D7cm。5390円。スタンド/W12×H6×D7cm。4290円。(ハレル)
④スイス軍のボルケーノストーブ
「ゴトク兼焚き火台、カップ、ボトルがセットになったレアなボルケーノストーブ。山岳地帯での活動が多いスイス軍らしく、少量の小枝で効率よく火をおこせるようになっています。ソロキャンプにもオススメ。1976年製です」。Φ9×H27cm。1万780円。(ハレル)
[ユーモアがワカるオトナの]新ルール
テントで雨から身を守れるカモ?
「よりロマン志向なら、ポンチョテントもおもしろい一品です。米軍野営用のパップテントから派生したもので、70年代頃から欧州を中心に広まりました」。
「タフでシンプルな正方形のコットンクロスですが、ボタンを留めると雨除けのポンチョとしても使える。東ドイツ軍の雨模様のカモ柄「レインドロップ」も洒落てるし、ユーモラスな野営派にオススメです(笑)」
ロマン派キャンパーの間で人気急上昇中!!
東ドイツ軍のポンチョテント
175×175cm。8140円。(ハレル)
本来はシェルターとして活躍!
※表示価格は税込み
[ビギン2023年7月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。