特集・連載
知る人ぞ知るアウトドアビークルの元祖「シューティングブレーク」
アウトドア道具について考え直そう オープンエアだし!とコロナ渦において、さらに一般的になった「アウトドア」。これだけ多くの道具&TOPICが溢れているなか、Beginが今、改めて大切にしたいのは「クラシック」なモノやコト。時間がかかってもいいじゃない、便利な時代だからこそクラシックって新鮮! この記事は特集・連載「アウトドア道具について考え直そう」#26です。
[既成概念に囚われないクルマ選びの]新ルール
じつは正統派「シューティングブレーク」ならマウンテン系にこっそりマウント
アウトドア=SUV。クルマ選びをめぐるこの等式が、優れた選択肢のひとつであることは確かでしょう。ただし、誰もが知るありふれた等式であることもまた事実。そこで注目したいのが「シューティングブレーク」です。
聞き馴染みのない車種名かもしれませんが、そのルーツは古く、19世紀に登場した狩猟用の馬車まで遡ります。当時、貴族を始めとする富裕層が、狩猟道具を積載できるよう荷物スペースを拡張するなどして既存の馬車を改造。
しかも馬車は彼らにとってステータスシンボルのひとつでもあったことから、外観にもスポーティで洗練されたデザインが追求されました。
クルマの時代に変わってもその伝統は受け継がれ、スタイリッシュなデザインだけを、ステーションワゴンと区別して「シューティングブレーク」と呼んでいます。
いわば由緒正しきアウトドアビークルの元祖。アウトドアと等式を繋ぐ最適解といっても過言ではありません。SUVで本格派を気取るマウンテン系の人たちに、知る人ぞ知るこのクルマでこっそりマウントを取っちゃいましょう!
ロールスロイス シルバーゴースト シューティングブレーク(1910年)
一見全く違っても113年受け継がれる伝統の車両形態
フォルクスワーゲンの
アルテオン シューティングブレーク
先進のデジタルコックピットを搭載しつつも、流れるような洗練のスタイリングに継承される伝統が伺える。全長4870×全幅1875×全高1445mm。積載容量565L。631万7000円~(フォルクスワーゲン カスタマーセンター)
[孫の代まで箱を受け継ぐ]新ルール
硬派すぎるコンテナを知る
キャンプ道具の収納によく使われるコンテナ。便利さや使いやすさなど、機能性を基準に選びがちですが、じつはそれ以上に問われなければならないのがデザイン性……。なんてことに気づかせてくれるのがコレ、ドイツ生まれのアルミ製コンテナです。
以前は航空機の貨物運搬にも使われていた耐久性抜群な業務用収納ボックスですが、ご覧のとおりデザインが無骨でとにかくカッコいい!
使い込んでいくうちに表面に刻まれるキズすら、経年変化の証しとして洒脱に見えたりして♪ デザインも優秀だから部屋に置いてもクルマのラゲッジスペースに収めても様になること請け合いです。
問われるべきは機能よりも部屋に置きたい意匠か否か
ヒューナースドルフの
アルミニウムプロフィーボックス
上/30L。W43×D33.5×H27.3cm。1万8700円。下/48L。W58×D38.5×H26.5cm。2万4200円(ディテール)
[愛鞄もラギッドに育てる]新ルール
ロマン派ボストンも連れて行く
キャンプ用バッグといえば、よく見かけるのがビニール製の大判トート。道具が運べれば何でもいいや、ぐらいの感覚で選んでいるのでしょうが、あまりにも味気なさすぎます。
ビギンはむしろ、フィルソンのような歴史あるブランドの、お値段もそれなりに張るバッグをフィールドでガシガシ使いながら、経年変化を楽しむことこそ醍醐味と提案したい♡
実際、産業用強度のライトワックス加工を施して、撥水性と耐摩耗性を備えたフィルソン独自の生地ラギッドツィルは、時を重ねてもヘタれ知らずだし、随所に見えるブラドルレザーもエイジングが楽しみな素材。ビニール製トートでは望むべくもない、遊びの痕跡を刻んでくれるんです。
過ぎゆく時が鞄に刻む大人が真剣に遊んだ痕跡
フィルソンの
スモール ラギッドツィル ダッフルバッグ
容量33L。W18×D11×H10cm。8万8000円(アウターリミッツ)
※表示価格は税込み
[ビギン2023年7月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。