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江口時計店

服飾業界人はなぜ江口時計店に腕時計を見に行くのか? 業界の腕時計ファンを惹きつけてやまない魅力とは?

昔ながらの真っ当な時計店を目指して

江口時計店 店主 江口大介さん
江口時計店 店主 江口大介さん

売れ筋にこだわらない独自の品揃え。これこそが江口時計店がお洒落な方々に支持される理由です。それはロレックスに顕著。

スポロレに注力するお店が多い中、同店はオイスター パーペチュアルデイトをはじめ、ベーシックでシンプルなモデルが主体。もちろんサブやエクスプローラーの出物が並ぶこともありますが、“こんなシックなロレックスがあったの?”なんてほうに力を注いでるんです。

他ブランドに関しても50〜70年代にかけて作られた控えめな佇まいのドレス時計や実用時計が目立ち、同じ店舗内で扱うヴィンテージの古着にいかにも映えそうなものばかり。江口さんによれば、これは16年のオープン時から変わらないスタンスとのこと。

江口時計店

「ボク自身もともとドレス系の時計が好きなんです。昔ロンドンでアンティークの時計店をめぐったことがあるんですが、日本と違ってドレス系の名品を主力としているお店が多かった。ボクが店をやるなら断然こっちだなと……」

そんな江口時計店の品揃えでとくに目を引くのがカルティエの充実ぶり。そもそも同店が服飾業界で注目を浴びるようになったのも、カルティエの古いタンクを豊富に揃えていたことがきっかけでした。

「宝飾系のイメージが強いからか、タンクはアンティーク市場ではちゃんと評価されていなかった。でもボクはあれほどの傑作はないと思っていまして。」

「そもそもカルティエは紳士用腕時計を最初に作ったブランドで、タンクのデザインは1917年に確立。丸型時計の傑作と呼ばれるパテックのカラトラバの誕生が30年代ですから、それよりずっと以前に角型で勝負するなんて、いかに時代に先駆けたことだったか。それを多くの人に知ってもらいたかったんです」

こうした独自の品揃えに加え、手厚いアフターサービス体制、すなわちショールームの奥の見えるところに修理工房を併設しているのも、同店の大きな特徴です。

「昔は店の奥に小さな修理工房がある時計店っていっぱいあったのに、今はそういうスタイルの店はどんどん減ってしまって。お客様に安心感を持ってもらうためにも、自分がお店を持つなら修理工房併設は絶対条件でした。昔のいい時計はちゃんと修理すれば何世代も使える。そこを若い人に知ってもらいたいという意図もあります」

なお江口時計店は、年末に東京・渋谷に新店舗をオープン予定。他とは違う江口さんのセンスのいいセレクト、ますます時計好きの間で話題となること確実ですね。
 

常駐の技術者にその場で相談できる安心感

江口時計店

 

仏ヴィンテージを中心とした洋服も時計と同じ空間に

江口時計店

江口時計店

江口時計店

住所.東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目34-11
☎ 0422-27-2900

江口時計店

 


[ビギン2023年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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