特集・連載
日常でも使えるアウトドアギア傑作4品&そのルーツとは?
アウトドア道具について考え直そう オープンエアだし!とコロナ渦において、さらに一般的になった「アウトドア」。これだけ多くの道具&TOPICが溢れているなか、Beginが今、改めて大切にしたいのは「クラシック」なモノやコト。時間がかかってもいいじゃない、便利な時代だからこそクラシックって新鮮! この記事は特集・連載「アウトドア道具について考え直そう」#12です。
[ギア愛を深める] 新ルール
その道の傑作を、ルーツまで語り尽くせる
アウトドアのアイテムについ惹かれてしまうのは、そこに必然性があるから。誕生のルーツに想いを馳せ、手に取り、身に着け、違いを体感してみたいからこそフィールドに赴く。大いにアリでしょ!
①ハンター同士の誤射を防ぐ赤×黒
フィールドの風景に馴染みつつも、不思議と目立つ大判の赤黒チェック。バッファローチェックと呼ばれるこの柄は、毛織業からスタートし、狩猟用ウェアで地位を確立したウールリッチが考案したもの。
林間でも視認性を確保し、誤射を防ぐためのアイデアだった。一説には担当デザイナーがバッファローを飼育していたことから、この呼称になったとか。
ウールリッチの
ロングスリーブ オーセンティック フランネルシャツ
視認性が高い柄ながら、アメカジらしい温かみのあるカジュアルさを醸すのが特徴。だから普段着はもちろん野外で肌寒いときも。袖口を捲って着ればこなれた印象に。綿100%。2万8600円(ウールリッチ 二子玉川店)
②軍用機にも採用された高耐久性!
身の回りにある最高の断熱材、それは空気。羽毛内に空気を保持するダウンが最も保温力の高いアウターってのも、その一例だ。
このことに着目したウィリアム・スタンレーJr.氏が、スチール製の中瓶と外瓶のあいだに真空断熱層を設けるという構造を発明。しかも非常に頑強で、弾丸を通さない、第二次大戦の軍用機にも採用される等の伝説を残している。
スタンレーの
クラシック真空ウォーターボトル
2重構造の真空断熱ボディで冷たい飲料は冷たく、温かい飲料は温かさをキープ。ハンマートーンのグリーンペイントが醸すクラシックさにも大いに惹かれるところ。Φ7.8×H29.2cm。容量0.75L。5280円(ドウシシャ)
③「パックは背負うのではなく、着るものだ」を形にした
Don’t Carry, Wear it! という創業者のポリシーに基づいて作られるグレゴリー。パックそのものの重量よりも、背負った際の「背負い心地のよさ」「フィット感」にこだわったのが慧眼。
丈夫なショルダーハーネスにウエストストラップ、ティアドロップ形状のボディを組み合わせ、一日分容量のデイパックにもロールスロイス級の快適さをもたらした。
グレゴリーの
デイパック
大きなレザープルや斜めのフロントポケットなど、細部まで使い勝手を追求。荷物を詰めても詰めなくても形が美しいところがミソで、このサイズをデイパックと名付けたのが偉大! 2万7500円(サムソナイト・ジャパン)
④平和の象徴&アメリカの良心と称される伝統柄
ペンドルトンの礎を築いたのは、ネイティブアメリカン向けに販売したウールのブランケット。20世紀初頭にイチ早くジャカード織を導入し、従来よりも色鮮やかな柄表現を可能にしたことが大きい。
部族の伝統パターンを取り入れた柄はネイティブたちに広く受け入れられ、「子供が生まれたときはペンドルトンを贈る」という習わしが定着したほどだ。
ペンドルトンの
ジャガードバスタオル オーバーサイズ
ウールラグで紡いできた伝統の柄を、使い勝手の高いコットンベロア/ループ地のタオルに採用した近年の傑作。洗濯機で洗えるので、野外でも汚れを気にせず使える! W102×H178cm。1万1550円(エイアンドエフ)
※表示価格は税込み
[ビギン2023年7月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。