特集・連載
山でこそ語りたい時計「エベレストウォッチ」とは
アウトドア道具について考え直そう オープンエアだし!とコロナ渦において、さらに一般的になった「アウトドア」。これだけ多くの道具&TOPICが溢れているなか、Beginが今、改めて大切にしたいのは「クラシック」なモノやコト。時間がかかってもいいじゃない、便利な時代だからこそクラシックって新鮮! この記事は特集・連載「アウトドア道具について考え直そう」#02です。
[山でこそ語りたい時計の]新ルール
“エベレストウォッチ”を着けてみる
天空を望む世界最高峰、エベレストへ人類が初登頂したのは、1953年。登頂した2人のうちの1人、エドモンド・ヒラリー卿が登頂時に腕に着けていた時計は、英国・スミス社の「デラックス」でした。写真の時計は、デラックスシリーズの1954年製ヴィンテージ。
同シリーズにはさまざまなモデルが存在しますが、こちらはヒラリー卿が着けていた、スモールセコンド、2トーンの文字盤、アラビア文字×楔のインデックス、金無垢ケース(※卿の時計は金メッキ)という、ずばりの特徴を網羅したもの。つまり、真のエベレストウォッチなのです。
そんな由緒正しきエベレストウォッチ、最も過酷な環境で時を刻み続けたのだから、私たちが山登りに着けちゃいけない道理はナシ。それカッコいいね、なんて言われて背景を語れば、きっと道中の会話も弾むでしょう。
何より、エベレストを制覇した腕時計を着けて山へ──だなんて、最高にロマンティックじゃあございませんか!
ヒラリー卿と登頂した由緒正しきスモセコ&2トーン
スミスの
デラックス
1851年にロンドンで創業し、1980年に時計メーカーとしての幕を下ろしたスミス。“デラックス”は、1952年に発売されたシリーズだ。
なお本品は1954年製造のヴィンテージで、自動車メーカーのオースチン社が記念品として社員へ贈ったもの。そのため、裏蓋にオースチンの刻印がある。オーバーホール済み。Φ31.8mm。手巻き。レザーストラップ。49万9000円(ウォッチギャラリー・ビッグベアー)
当時の広告ポスターにはヒラリー卿の証言が掲載
※表示価格は税込み
[ビギン2023年7月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。