HOTな話の水先案内人・岩井祐二のひとり【情熱西陸】vol.14
「“楽しむ”ことにあふれた大阪のスタイルマスター」
トゥトゥトゥールットゥ〜♪ 関西の伝説的雑誌「カジカジ」の元編集長が、ウエストサイドのHOTなネタを“一人で写真を撮って原稿を書いて伝える”情熱連載。未知なる西のカルチャーとの出会いは胸アツ必至!
TAKAHIRO YASUDA【安田卓弘くん】
見られることや評価されること、他者からの視線を基準にした迎合型のクリエイションが人の心を動かすことは無い、と思っています。
こういった雑誌もそう、映画もそう、音楽もそう、個人のファッションなんてその最たるもの。誰々がいいと言っている、次はこれが流行りそう、なんてことはどうでもよくて、自己表現のひとつとして、自分がいいと思うもの、自分が好きなもの、自分がカッコいいと100%思えるものを身に纏うことが、その人のスタイルとなっていくと思っています(とても基本的なことですが)。
今回紹介する安田卓弘くんは、元々は僕が編集長を務めていた雑誌「カジカジ」でモデルをしてくれていた青年で、出会いは15年ほど前。とてもピュアで、めちゃくちゃ良いヤツなんですが、それ以上にファッションに対する姿勢が超が付くほどストレートで、いつもそのスタイルを見ると自然と笑みがこぼれます。
「それぞれのブランドのデザイナーの意思や意図をしっかりと理解しながら、自分が思うように洋服を着ています。崩すってわけでもないですけど、あくまでも自分流に楽しむことが僕のスタイルなんだと思います」。
その言葉通り、いつどんなときも“安田くんっぽいなぁ”と思わせるスタイルは、ファッションの基本である“楽しむ”ことにあふれているように思うのです。
スペックやデータで楽しむのもひとつですが“いいもの”にあふれた時代だからこそ、安田くんのように“This is me”なマインドで服を着る人が増えれば、街はもっと彩りを増して楽しい世界になっていく。派手なものを着るとか短絡的なことではなく、自分がいいと思うものを自分の眼で選んで欲しい。安田くんを見ていると、いつもそう思うのです。








「ルーム」一筋、14年目を迎えた34歳。とにもかくにも良いヤツで、その温和な人柄にファンも多いカリスマ的なファッション愛好家。お酒好きで、夜な夜な大阪の街で飲み歩く。
instagram : @yasudatakahiro9
shop info【ルーム】
大阪・中崎町で14年続くセレクトショップ「ルーム」。ダイリクやフィンガリン、トゥーグッドにスタジオ ニコルソンなど、縦横無尽なセレクションで若者から大人まで幅広い層に人気を博す。京都には姉妹店を展開する。
住所.大阪府大阪市北区鶴野町2-8 鶴野ビル2F
☎ 06-6485-0373
営業時間.12:00-20:00 不定休
https://www.rroomm.jp
IMA:ZINE
岩井祐二さん
雑誌「カジカジ」の元編集長で、西側のコアなカルチャーを熟知した関才人。現在は、大阪を代表するセレクトショップ「イマジン」のボスだ。もちろん好きなプロ野球球団は、阪神タイガース。
[ビギン2023年6月号の記事を再構成]写真と文/いわい イラスト/TOMOYA