特集・連載
昭和を生きた映画監督の審美眼を学ぶ。映画界の巨匠が愛した小物とは?
東京上級ショッピング すっかりネットショッピングで何でも手に入るようになった今だけど、いや何でもかんでもネットの今だから……、リアルショッピングが楽しくて楽しくてたまらない! 円安だ物価高だとなんだかんだ言っても、東京は世界中からハイセンス&ハイクオリティなモノが集まる、未曾有のショッピングタウンだ! この記事は特集・連載「東京上級ショッピング」#06です。
【 大物が愛した小物 】津々浦々から人が集まり、あらゆる文化の交差点だった昭和の東京。そんな東京が舞台の名作を手掛けた、映画界の巨匠が愛した小物とは?
正装の懐に忍ばせていたスイス生まれの愛用時計
大島 渚が愛した
Tissot[ティソ]
ポケットウォッチ
東京・中野で起きた「阿部定事件」を題材にした『愛のコリーダ』で知られる大島渚。生前「洋服は便利な変名の所産、 着物は“ゆとり”のシンボル」と和装を好み、懐にはティソのポケットウォッチを忍ばせていたそう。便利な腕時計ではなくアナログな懐中時計もまた、“ゆとり”を求めるがゆえの答えだったのかもしれない。オートマティック。径50mm。SSケース。11万7700円。
住所.東京都中央区銀座 7-9-18 ニコラス・G・ハイエック センター B1F
☎ 03-6254-5321
麻の白Yシャツとセットでトレードマークだった相帽
小津安二郎が愛した
Ginza Toraya[銀座トラヤ]
メトロハット
広島に住む老夫婦と東京で暮らす子供たちの家族の絆を描いた『東京物語』で有名な小津安二郎。眼鏡や白シャツ、腕時計など、モノにこだわりを見せていた彼だが、特に象徴的なのが白いハット。銀座トラヤと思われるメトロハットを年中愛用し、一度に大量発注するほど気に入っていたんだとか。外での撮影が多い映画監督だから、日よけとして重宝していたのかも……。7700円。
住所.東京都中央区銀座1-14-5 銀座ウイングビル 南1F
☎ 03-3535-5201
英国モノをこよなく愛した伊達男の一本
伊丹十三が愛した
BRIGG[ブリッグ]
こうもり傘
東京国税局査察部を舞台に、女性査察官と脱税者の戦いを描いた『マルサの女』で大ヒットを博した伊丹十三。数ある愛用品の中でも英国・ブリッグの傘は、『ヨーロッパ退屈日記』はじめ自身の著作でも度々言及するほど思い入れがあったようだ。業界きっての洒落者として知られていた彼だからこそ、雨の日の立ち姿までこだわっていたに違いない。Φ66cm。9万5700円。
住所.東京都港区南青山5-8-5
☎ 03-5464-5255
※表示価格は税込み
[ビギン2023年6月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。