特集・連載
ストリートらしからぬ“裏原”の上質名所「ノア クラブハウス」
東京上級ショッピング すっかりネットショッピングで何でも手に入るようになった今だけど、いや何でもかんでもネットの今だから……、リアルショッピングが楽しくて楽しくてたまらない! 円安だ物価高だとなんだかんだ言っても、東京は世界中からハイセンス&ハイクオリティなモノが集まる、未曾有のショッピングタウンだ! この記事は特集・連載「東京上級ショッピング」#04です。
【 裏原宿 】NY発でありながらも、“裏原”文化との確たるリンクを感じさせるノア。ストリートの枠に収まらない重要勢力、その真髄とは?
かつて藤原ヒロシさんが用いたフレーズとともに急激に浸透した“裏原宿”と呼ばれるムーブメント。カルト的盛り上がり自体は収束するもその影響は今も色濃く残っている。2017年、そんな”裏原宿”に日本一号店となる旗艦店を構えたのがノア。
「僕が初めて東京を訪ねたのが25年前くらいのこと。シュプリームと仕事をし始めた頃で、日本のチームの訪問とヴィンテージの買い付けが目的だったね」と語るのは創設者のブレンドン・バベンジン。ストリートファッションの王道を長年通ってきた彼ですが、自身が立ち上げたノアにはまた別の視点が。
「流行に左右されない服づくりがしたいんだ。今、ストリートウェアは商業に乗っ取られてコモディティ化していると思う。ノアでは服そのものよりも、スタイルを生んだ文化に敬意を払って、それを語ることに多くの時間を費やしているよ」。
バトー ドゥ シップスのパンツ1万7930円(シップス 渋谷店)サングラスはスタイリスト私物
実際、定番として作り続けているラガーシャツは、かつてその耐久性に惚れ込み、本物のラガーシャツをクライミングウェアとして販売していたパタゴニアのエピソードに感化されたことが発端。某老舗メーカーを手がけるカナダの工場で生産される正統派の一着で、入荷の度にショップでも確かな存在感を放っているアイテムです。
共同創設者のエステルが内装デザインを手掛けた原宿の店舗は、その名も“ノア クラブハウス”。「ノアのライフスタイルの色んな側面を表現できて、心地よくいられる家のような場所にしたかったんです。東京でこの空間をつくれて、とても嬉しかった」とは彼女の談。
カルチャーに触れて育ったユースが品質や社会に対して意識的になった、大人のための服。90年代の日本でファッションとカルチャーの結束を強固にした偉大なる裏原の熱量が、NY発のノアには確かに宿っているのだ。
NOAH 共同創設者
左/エステル・ベイリー・バベンジンさん 右/ブレンドン・バベンジンさん
スケートボードやサーフィンに傾倒して育ったブレンドンと、「ザドリームアウェイク」というデザインスタジオを運営するエステルが、2015年からノアを本格始動。
ラグビーシャツはちゃんとカナダ製にこだわる
NOAH[ノア]
サマー ラグビー
昔ながらのドライでヘビーなラグビーシャツは、色柄を変えながら展開されているノアのスタンダード。オーセンティックなカナダ製で、厚手でもゴワつきすぎない着心地の良さも魅力的。3万1900円(ノアクラブハウス)
外観の紺と白のツートーンが目を引く国内一号店。洒脱な店内も居心地がいい。
住所.東京都渋谷区神宮前4-26-29
☎ 03-5413-5030
※表示価格は税込み
[ビギン2023年6月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。