特集・連載
名作の設計図はどこから生まれるの? 創造主の「頭ン中」覗いてみた!!
別注大図鑑 【別注】とは「名作を所有する名ブランドに、お店や他のメーカーがお願いをして、スペシャルな逸品を作り上げる」こと。それすなわち、Begin(皆さまもでしょ?)が大好きな「名作ゆえの安心感があるのに、いつもと違って新鮮♡」の宝庫。 本企画では、オールジャンルで100を超える怒濤のレア別注の魅力をわかりやすく解説! これほど多くの別注アイテムが一堂に会するのは、史上初でない~!? この記事は特集・連載「別注大図鑑」#30です。
業界きっての服マニア。彼らが手掛ける別注モノは、一癖、二癖、いや三癖以上もアリ。そんな、まるで細かすぎて伝わらない生み出しモノの魅力に迫るべく、3人の創造主に直撃しました! モノ好きこそ唸るアイデアの源を、頭ン中から解析しましょう~。
[1]ビームス クリエイティブディレクター 中村達也さんの頭ン中
ドレスクロージングの殿堂、「ビームスF」発展の立役者。80年代はP&Oパーカと並び、ベージュのM-65もマストハブだったそう。
「英国のショップに影響された当時のスタッフのマストアイテムでした」
BARLOWS[バーロウズ]
P&Oパーカ
80年代にビームスFスタッフの必需品だったアイテムが英国のマウンテンパーカ、バーロウズ製のP&Oパーカ。ロンドンのセレクトショップ「ブラウンズ」のスタッフが、ジャケットやスーツの上にP&Oパーカを着ていて、ビームスのスタッフも影響を受けてスーツの上から羽織るのがお決まりになりました。僕自身も入社後に初めて購入したアウターで、とても思い入れがあります。
バーロウズは90年代になくなってしまい、ビームスでは何度かオマージュしたパーカを作ってきました。オーベルジュと手掛けた一着は、生地の再現だけでなく、色やシルエットは今の気分でリファイン。今日のジャケットスタイルにおいても、きっと新鮮に映ると思いますよ。
80年代に流行したアウトドアブランドで採用された生地メーカー。グレンフェル的立ち位置とされる「P&O」などによく採用された。
オーベルジュ 小林さんが【バーロウズのP&Oパーカ】から創造!!
「ゴアテックスに頼らないクラシックアウトドアを今着るならこう!」
オーベルジュ デザイナー 小林 学さん
AUBERGE×BRILLA PER IL GUSTO[オーベルジュ×ブリッラ ぺル イル グスト]
マウンテンパーカ
P&Oパーカに使われていた、今では希少なタイプライター素材を表地と裏地で採用。防風、撥水性に優れ、レトロなアウトドアムードでオン⇔オフ問わずに着こなしに取り入れやすい。7万3700円(ビームス 銀座)
①大きな袖ぐりでより街着らしく
②ドローコードで調整できるゆったり身幅
二重のタイプライター生地が防風・防寒◎
前振りの袖でもたつかない!
[2]キャル オー ライン デザイナー 金子敏治さんの頭ン中
専業ブランドとのコラボも大人気! 苗字が同じということも金子眼鏡に親しみを感じ、いつかコラボをと狙っていたんだそう(笑)。
「もっと気軽にレスカの味を使い続けたい」
Lesca[レスカ]
眼鏡
目を惹く厚いフレーム、独特なバランスのレンズ径とブリッジ幅に一目惚れしたヴィンテージのレスカ。微妙にクセのある感じがたまらなく、カジュアルでもフォーマルでも愛用してます。これがなくなったらどうしよう……。もっと気軽に使えたらと、サングラスを愛用していた金子眼鏡さんに作ってもらいました。
鼻の低いアジア人にフィットするフレーム設計。レンズは縦横ともに1mmずつ大きく、ブリッジを数mm狭くしたオリジナルで、コーディネートに万能だけど、ちょいクセもある。きっとアイウェア好きのお眼鏡にも適うデキだと思います!
眼鏡の設計図
①ヴィンテージはやや角度がキツめ
②存在感のある8mm厚のフレーム
【レスカの眼鏡】から創造!!
「万能だけどクセもある理想的なフレーム」
KANEKO OPTICAL×CAL O LINE[金子眼鏡×キャル オー ライン]
ビートニク
フランスの老舗、レスカのヴィンテージをもとにしたオリジナルフレーム。設計、デザインともに、より日本人の顔に馴染みやすくなり、レトロな個性も感じられるバランスが秀逸! 2万9700円(ユナイト ナイン)
①フロントレンズとテンプルの角度をゆるやかに
[3]ユーソニアン グッズ ストア バイヤー 早野 海さんの頭ン中
「インディビジュアライズドシャツ ジャパン」のディレクターを務め、数々の別注企画も担当。レトロなアウトドアギアも大好物。
「ヘミングウェイにも薦めたい、ハンティングと品格の融合」
Willis&Geiger[ウィリス&ガイガー]
ブッシュシャツ
ヴィンテージのウィリス&ガイガーの良質なブッシュシャツを見つけ、これをもとにインディビジュアライズドシャツに別注しました。というのもウィリス&ガイガーの顧客は上流階級。ハンティングウェアでありながらドレスの気品も感じられる。だから以前からインディビのシャツメイキングにも相性がいいモチーフだと思っていました。
エポレットや胸ポケは踏襲しつつ、リネンオックスフォードを採用したのが最大の特徴。ウィリス&ガイガーとインディビのコラボのような、男らしいコク、気品と着心地のよさを兼ね備えた一枚ができましたね。
ヘミングウェイ
アウトドアユースを想定し袖を留めるタブが付属
【ウィリス&ガイガーのブッシュシャツ】から創造!!
「上品なリネン素材も爽やかにマッチ♪」
INDIVIDUALIZED SHIRTS×USONIAN GOODS STORE[インディビジュアライズドシャツ×ユーソニアングッズストア]
ブッシュシャツ
サファリを愛したヘミングウェイも愛用した、ウィリス&ガイガーのブッシュシャツ。こちらは高密度なポプリンだったが、リネンオックスフォード採用で都会的な品格もUP。ジャケット感覚で羽織るのもオススメ。4万1800円(ユーソニアングッズストア)
①タブとボタンを排してクリーンな表情に
※表示価格は税込み
[ビギン2023年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。