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ヴィンテージの軍モノ好きに朗報です。今月のビギンファンディングには、岡山県児島発のデニムメーカー「ジョンブル」が20年の時を経て蘇らせた自社ブランド「ソーイングチョップオールズ(以下、SCO)」が登場。ヴィンテージのリプロダクトを得意とし、今回はミリタリーパンツの名作を再構築した4本をラインナップします。

しかも、ただの懐古主義に収まらず、今にハマる美しいシルエットにモダナイズ。その魅力を、改めて一緒におさらいしましょう。

SCOが“これぞ永世定番!”と据えた4作

古さだけが価値基準ではなくなったビギン世代へ、最良の選択としてご提案するSCOのミリタリー&ワークパンツシリーズ。今回で3シーズン目を迎え、“春夏に相応しい白パン”をテーマに、4本のモデルが生地を変えてリリースされます。

サイズ展開は26〜34まで2インチ刻み。ユニセックスなのでパートナーとペアで、またはシェア使いもおすすめです。

①ディテールも一緒に経年変化
M-51カーゴパンツ/SC111


シリーズの中で最も売れ行きのいい「SC111」。ミリタリーパンツの名作M-51を忠実に再現した一本です。そのため、とにかくディテールが多い! 10年以上のキャリアを持つ縫製職人でも一日に3本しか縫い上げられないほど手間をかけて仕上げられます。

止血用に備え付けられたドローコードやウエスト内側のコインポケットはもちろん、M-51カーゴパンツの特徴でもあるカーゴポケットの絶妙なふっくら加減まで名作同様の仕上がり。ポケットの生地は型紙よりも少し大きめにカットし、縫製のときに生地をふんわりさせながらボディに縫い合わせていきます。

一方で、フロントファスナーには綿テープを採用。オリジナルではナイロンテープが使用されているケースが多いのですが、経年変化を楽しめるように、今作では素材が変更されました。


アップデートされたのはシルエットも同様。元来の骨太な印象をキープしながら、すっきりと見えるパターンに修正されています。


生地は米綿混のブレンド糸とやや太番手のムラ糸で織ったバックサテン。履き心地はとっても軽やかで、穿けば穿くほどふっくらと柔らかくなっていき、ヴィンテージの風合いに育ちます。

② フランス軍の希少な一本をスッキリにM-47カーゴパンツ/SC112

「SC111」と同じバックサテンで、ヴィンテージ業界でも特に希少性が高いとされるモデル、フランス軍のM-47も再構築。どっしりとしたシルエットを尊重しつつ、ワタリから直線的にテーパードさせてスッキリ穿けるようにモデファイされています。その他、機能性を考慮した不揃いなベルトループや大きめのマチ付きのカーゴポケットなど、当時のディテールはそっくりそのまま。

③ゆとりを持たせた40年代のネイビーパンツ米国海軍トラウザーズ/SC108

40年代に穿かれていた、米国軍のネイビーパンツをムラ糸の生成りデニムで復刻。キレイに落ちるシルエットを生かしつつ、細い腰回りにゆとりを持たせるため、ダーツを入れるなどしてバランスを整えています。さらに、ポケットの位置もオリジナルと比べて上方に配置し利便性をアップ。サイドに縫い目のない上品見えする一本で、ジャケットスタイルにも好相性です。

④ワークパンツの定番にハリ感をプラスペインターパンツ/SC109


春夏コーデの王道、ペインターパンツ。アメリカのヴィンテージデニムを元に作られた、ライトオンスのホワイトデニムで爽やかに仕上げながら、糸の打ち込みを限界まで強めて、ふっくらとした立体感を演出しています。また、1本針ミシンを2度掛けしたダブルステッチもポイント。あえてステッチワークを均一にしないことで、ワークウェアの粗っぽさを表現しています。

古着好きの情熱が呼び覚ましたSCO

実はSCOは、90年代にスタートしたブランドです。当時はヴィンテージ品を進化させたモノづくりをする、ジョンブルの生産技術の高さを象徴するブランドでしたが、2000年代に入り、時代が快適性や機能性を求める流れのなかで次第に休眠状態に。同社のなかでも存在感をなくしていました。

職人を再び育て上げ一度途切れた技術を伝承

商品部 課長 辰口さん

もう一度、自分が惚れ込んだモノづくりを取り戻したい。そんな思いを抱えSCOを復活させたのは、商品企画を担当する辰口さん。新卒でパタンナーとして入社してから今年で20年目、今はSCOのディレクターを務めます。

学生時代からとにかく古着が好きで、その熱狂ぶりは“観賞用”のヴィンテージ品を何枚も所有するほど。ジョンブルへ入社を決めたのも、ヴィンテージ品をも超える高い技術に惚れ込んだからでした。

「復活したSCOのパンツには、なくてもいいけどあったほうがカッコいいディテールが、たくさん詰まっているんです。自ずと生産の難易度は上がりますし、作る側は本当に大変だと思います。でも、製作陣は私のこだわりを理解してくれ、手間がかかっても形にしてくれる人ばかり。キレイに縫って、早く縫うだけじゃない。企画の意図を汲み取ってくれる、ファッション的な鋭い感性があってこそのモノづくり。感謝しかないですし、それが今のジョンブルの強みです」

生産部 本社工場 課長 仲井さん

ジョンブルは、本社工場を取り仕切る仲井さんを筆頭に、10年前から世代交代と若手の育成に取り組んできています。特に縫製スタッフのスキル向上には力を入れており、これまでは担当のポジションを固定して生産効率を上げていましたが、今は一人ひとりが全てのポジションを担えるよう当番制に切り替えてオールマイティに技術を磨いています。つまり、ポケットだけ、ウエストだけという生産スタイルではなく、ポケットをやったりウエストをやったり、日によって縫製するパーツの変わる生産スタイルに変更したというわけです。

「今、生産の軸を担っているのは若手〜中堅のスタッフです。決まった誰かだけが作れる状態ではいけない。ベテラン勢が支えてくれているからこそできています」

復活の現場を司どりし、4人の職人

近年、ヴィンテージ古着の価格高騰が著しく、運命の一着に出会える機会が減っています。望んだ年代のモデルを探すだけでも骨が折れますが、着用することを想定し、自分の体にフィットするものとなればなおさらかと。

本格的な作りで、なおかつ今にハマるかっこいいカーゴパンツだったら……それってもう古着以上の価値と言っても過言ではありません。復活したS C Oのパンツをビギンマーケットでオーダーできるのは3月31日まで。>>>詳しくはこちら

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