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文房具ルメ
カンミ堂のクリップココフセンとココフセンページ

日本のカレーには、なぜか福神漬がつきものだ。その由来は定かではないが、インドから伝わってきたカレーが日本に定着する過程において、チャツネが置き変わったという説もあるらしい。しかし、たとえ理由はわからずとも、出されたカレーのお皿の端にちょこっとのっていると「おっ、いいねぇ~」と嬉しくなる存在であることは確かだ。

私は読書が趣味なのだが、本を読むときにあってもいい、なくてもいい、でもどちらかというとあったほうが嬉しい、そんな福神漬け的な存在の文具といえば、1行幅のふせんである。本を読みながら、後で見返したり抜き書きをして読書メモを作ったりするために、気になる部分にふせんを貼っておくのに、スリムな1行幅だとピンポイントに指し示せて便利なのである。

しかしふせんというのは、意外と持ち運びに困るもの。本にそのまま挟むにしては厚すぎるし、ペンケースに入れておくと折れたりバラバラになったりする。そもそも、本とは別のケースに入れてしまうと、使いたいときにパッと出せなくて「まぁいいや」とめんどくさくなり、せっかく気になった部分があってもふせんを貼らずにそのまま、なんてことも起こりがち。

そんなときに役に立つのが、カンミ堂のココフセンシリーズである。なかでも、私は「クリップココフセン」と「ココフセンページ」を読書に愛用しているので、今回はその2つを紹介したい。

読書のお供にココフセンはぴったりの相棒

「クリップココフセン」は、その名の通り大きめのクリップになっており、本の表紙に挟んで携行できるフィルムふせん。いつでも定位置にふせんをキープでき、必要なときにはほとんど見なくてもサッと手に取れるのが嬉しい。どれだけページをめくったり、体勢を変えたりしても落ちることはないので、寝転んで本を読むのが好きな人にもおすすめだ。

リフィルがなくなったら、空のケースをはがし、別売の「ココフセン」や「ココフセンベーシック」に付け替えることもできる。「ココフセン」や「ココフセンベーシック」を直接本の表紙に貼ってもいいのだが、ケースの糊で表紙やカバーを傷める心配がなく、本から本への移動が気軽なのがクリップ式のメリットなのである。

しおり紐のついていない本には、「ココフセンページ」がベストマッチ。一般的なカードタイプのふせんは厚みがあってしおりとして使うには収まりが悪く、ページとページの間から滑り落ちてしまうことが多い。だが、「ココフセンページ」はフチが0.7mmと非常に薄い作りになっているので本のノドにしっかりと差し込むことができ、本が膨らみにくく落ちにくいのがポイントだと言える。

「ココフセンページ」は詰め替え不可の使い切りタイプなので、私はこれと「クリップココフセン」を状況によって使い分けるようにしている。

最後に、読書のときのふせんの使用について注意をひとつ。ふせんを剥がした後は元通りキレイに見えるかもしれないが、実は糊の成分が残っていて、時間が経つと変色したり紙が傷んだりする原因になることもある。また、元々の紙との相性が悪いと、剥がす時点で本を傷めてしまうことも。ココフセンに限らず、希少な本や借り物の本、図書館の本にふせんは使わないほうがいいだろう。

とはいえ、そういったことを気にする必要のない自分の本やノート、手帳に使うにはとっても便利であること間違いなし。どんどん使って、読書の秋を思いっきり楽しんじゃいましょう。

カンミ堂
クリップココフセン

495円
https://www.kanmido.co.jp/products/clipcocofusen/

ココフセンページ
297円
https://www.kanmido.co.jp/products/cocofusenpage/

※表示価格は税込み

ヨシムラマリ

ヨシムラマリ

神奈川県出身。子供の頃、身近な画材であった紙やペンをきっかけに文房具にハマる。現在は会社員として働くかたわら、イラスト制作や執筆を手掛けている。著書に『文房具の解剖図鑑』(エクスナレッジ)。

文房具グルメとは? 価格やブランド名だけでは価値が計り知れない、味わい深い文房具の数々。フランス料理店でシャンパングラスを傾ける記念日もあれば、無性にカップ麺が食べたくなる日もありますよね? そんな日常と重ねあわせて、文房具に造詣の深い気鋭のイラストレーターが気になるアイテムとの至福のひとときをご紹介!

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