特集・連載
HOTな話の水先案内人・岩井祐二のひとり【情熱西陸】vol.7
「趣味が高じて、ついに開店。次の一手は、“本気の釣具屋”」
『カジカジ』元編集長・岩井祐二の情熱西陸 関西の伝説的雑誌『カジカジ』の元編集長が、ウエストサイドのHOTなネタを“一人で写真を撮って原稿を書いて伝える”情熱連載! この記事は特集・連載「『カジカジ』元編集長・岩井祐二の情熱西陸」#07です。
大阪府・大阪市【TASF Tackle Mart】
「大阪っていま何がおもしろい?」とあらゆる人に聞かれます。そのとき頭に浮かぶのは、いつも『THE モンゴリアンチョップス』を手掛ける2人のこと。
安藤さんと山本さんは、常に本気で“おもしろい”を考えていて、いきなり斜め後ろ45度ぐらいから大谷ばりのストレートを放ってきます。しかも、ずっと。
左が安藤仁彦さん、右が山本健太さん。専門学校時代から続くデュオは、洋服作りに趣味にお店に、と縦横無尽にストリートに仕掛けまくる大阪きってのクリエイター。
今回も「本気の釣具屋作るんです!」と聞いていたのでどんな球が来るのか楽しみにしてお店を訪れれば、ちょっと癖のあるツーシームかのような、でもしっかりストレートな釣具屋だったからびっくり。
2人は暇さえあれば“フィールドテスト”という名の淀川バスフィッシングに出かけ、その趣味はお互い小学生ぐらいから続けているという本気度。
自分たちが熱くなった90年代のバスフィッシング黄金期のルアーをこれでもかと揃えていたり(もちろん実際に使用が可能)、行きすぎた本気が実現させた『タスフ』のオリジナルワーム(その名も“ヨドガワ ウインナー”)があったり、キャップやTシャツといったバスフィッシングにまつわる古着もあったりと、そのラインナップはファミスタのレイルウェイズ級に濃密。
「バス釣りはロマン。略して“バスロマン”なんです」と2人が語る通り、このお店には夢とロマンがぎっしり詰まっていて、一度でもバスフィッシングをかじった人なら誰もがなんとも言えない高揚感に包まれること請け合い。
『タスフ』オリジナルの“バスヌード”Tシャツ(ヌードの女性とブラックバスが添い寝した人気のグラフィック)を着れば釣れる、なんて大阪では都市伝説化しているTシャツも。
カルチャーってこうやってできていくんだな、と目頭が熱くなるお店なのです。
場所は彼らのホームである新世界。大きなルアーのイラストが目印に。昔懐かしいバスバブル期の個性的なルアーは見ているだけで楽しくなる。トップの写真は、針を取ってキーホルダーにしたアイデア商品。僕も自分の鍵につけています。各2200円。
住所.大阪府大阪市浪速区恵美須東1-16-16
営業時間.15:00-22:00(土日は12:00-20:00)
定休日.火・水・木曜
https://www.tasf.fishing/
IMA:ZINE
岩井祐二さん
雑誌「カジカジ」の元編集長で、西側のコアなカルチャーを熟知した関才人。現在は、大阪を代表するセレクトショップ「イマジン」のボスだ。もちろん好きなプロ野球球団は、阪神タイガース。
※表示価格は税込み
[ビギン2022年9月号の記事を再構成]写真と文/いわい イラスト/TOMOYA