特集・連載
HOTな話の水先案内人・岩井祐二のひとり【情熱西陸】vol.6
「僕らのユニフォームになり得る硬派で実直な洋服」
『カジカジ』元編集長・岩井祐二の情熱西陸 関西の伝説的雑誌『カジカジ』の元編集長が、ウエストサイドのHOTなネタを“一人で写真を撮って原稿を書いて伝える”情熱連載! この記事は特集・連載「『カジカジ』元編集長・岩井祐二の情熱西陸」#06です。
大阪府【THE UNION】
今回は大阪の兄貴・牧田耕平さんが主宰する「ザ ユニオン」について。軽やかで素早い耕平さんの動きとは打って変わって、洋服作りは硬派で実直。トレンドがどうとか、そういった次元ではなく、今この時代においてどんなものに意味があるのかを問いかけてくるようなプロダクトを、僕たちが潜在的に求めているタイミングでリリース。
言うなれば、ただ球速表示が速いだけではなく、回転数が高く軌道が美しい、そんな質の高いストレートのような洋服を、ここぞの場面で投げ続けてくれるのです。
「ザ ユニオン」はその名の通り組合のようなもので、その中には上質なカジュアル服を提案する「ザ ファブリック」や気の利いた小物類を作り出す「ザ カラー」といったブランドが存在します。
なかでも注目したいのは、耕平さんのアイコンでもあるデニムのアイテムをコレクションする「ザ ブルーエスト オーバーオールズ」。僕たちの新しいユニフォームになり得る洋服がラインナップされていて、トップ写真のデニムジャケットのように育てる楽しみにあふれた、毎日をともに過ごしたくなるプロダクトが揃います。
「今考えているのは、『ザ ユニオン』のラジオ。ポッドキャストとかでやってみたいんですが、目に見えるものではなく、自分たちの価値観ややりたいこと、伝えたいことを感覚的につかんでもらえることに挑戦してみたい」と耕平さん。
ふと胸が熱くなるようなストーリーや夢を見られそうなロマン、今の僕たちに必要なことを耕平さんの口から聞くことができるなら、こんなに楽しみなことはない。実現を願います、耕平さん!
50年代の大戦モデルをベースにアレンジした、「ザ ブルーエスト オーバーオールズ」のジャケット“TTJ” 3万9600円。
オレンジ色のウエストがポイントになったライトデニム。「ザ ブルーエスト オーバーオールズ」の“MILK”パンツ 2万5300円。
その名の通りシェーバーが着てそうな特徴的な衿のデザインとなった「ザ ファブリック」の“Shaver”シャツ 1万9800円。
1975年生まれ。大阪府出身。2000年代初頭に人気を博した「モーティブ」を手掛け、その後大阪に戻りさまざまなブランドやプロジェクトを展開する「ザ ユニオン」を主宰。ファッション以外にも多方面で新しいカルチャーを発信し続ける大阪のキーマン。
instagram : @the_union_official / @blueclass
IMA:ZINE
岩井祐二さん
雑誌「カジカジ」の元編集長で、西側のコアなカルチャーを熟知した関才人。現在は、大阪を代表するセレクトショップ「イマジン」のボスだ。もちろん好きなプロ野球球団は、阪神タイガース。
※表示価格は税込み
[ビギン2022年8月号の記事を再構成]写真と文/いわい イラスト/TOMOYA